XMODEM(えっくすもでむ)は、バイナリ転送プロトコルの一種である。128バイト単位で非同期通信を行う。開発者の Ward Christensen がパブリックドメイン扱いで仕様を公開したため、パソコン通信で広く使われた。XMODEMを元に考案されたプロトコルも多く、またXMODEM自身にもいくつかのタイプがある。
目次
1 特徴
2 XMODEMの種類
3 手順
3.1 基本的な流れ
3.2 エラーが発生した場合
3.3 中断処理
3.4 データブロック構成
4 発展
5 関連項目
//
特徴
構造が簡単。ただし転送効率が悪い。
128バイトもしくは1024バイト単位でデータを転送する。
エラー検出に8ビットのチェックサムもしくは16ビットのCRC符号を利用する。
転送エラーがあった場合、エラーのあったブロックを再送することができる。しかし指定したブロックからやり直す機能はない。
ファイル名やファイルサイズ、タイムスタンプなどのファイル情報を転送する機能はない。
一度に転送できるのは1ファイルのみ(バッチ転送不能)。
ファイルの末尾がEOF文字(1Ah)であった場合にファイルの破損を招く可能性がある。データブロックのパディングにEOF文字を使用するが、ファイルサイズを転送する機能がないので、それがファイルデータの一部なのか「詰め物」なのか判別できないためである。
コントロールコードのクォート(置換)処理を行わない。このため、XON/XOFF文字によるフロー制御を行っている場合には不具合をきたす可能性がある。
XMODEMの種類
XMODEM/SUM
128バイト単位でデータを転送し、エラー検出に8ビットのチェックサムを使用する。単に "XMODEM" といった場合は XMODEM/SUM を指す場合が多い。
XMODEM/CRC
128バイト単位でデータを転送し、エラー検出に16ビットのCRCを使用することで信頼性の向上を図ったもの。
XMODEM/1k
1024バイト単位でデータを転送し、エラー検出に16ビットのCRCを使用することで転送速度と信頼性の向上を図ったもの。
Flying-XMODEM
本来はデータブロックを全て受け取り、エラーがないことを確認した上で送信側に送るACKを、データブロックを受け取り終わる前に先に送ってしまう(フライングする)ことで転送速度の向上を図ったもの。-/SUM、-/CRC、-/1kのいずれに対しても使用される。規約違反であり、性質上エラーがあっても回復することができない。
SOH、STX、EOT、ACK、NAK、CANの6つのコントロールコードと文字 ’C’(43h) を使用して通信制御を行い、後述するデータブロックの単位でデータを転送する。
受信側送信側
NAK(送信要求)→
←ブロック1
ACK(肯定応答)→
←ブロック2
ACK→
(中略)
←最終ブロック
ACK→
←EOT(転送終了)
ACK→
(通信終了)
受信側が送信要求としてNAKを送出する。XMODEM/CRCもしくはXMODEM/1kではNAKではなく ’C’ を送出する。
送信側が最初のデータブロックを送出する。
受信側はブロック番号、チェックサムやCRC符号を確認し、受信したデータにエラーがないことを確認した後にACKを送出する。Flying-XMODEMではデータブロックを受け取り終わる前にACKを送出してしまう。
ACKを受けた送信側は次のデータブロックを送出する。全てのデータを送出するまでこれを繰り返す。全てのデータを送出し終わった場合は、送信すべきデータが終了したことを示すEOTを送出する。
受信側がACKを送出し、通信を終了する。
ブロック8でエラーが発生した場合の例受信側送信側
←ブロック7
ACK→
←ブロック8
(ブロック8に何らかのエラーがあった)
NAK(再送要求)→
←ブロック8(再度同じブロックを送出)
ACK→
←ブロック9
ブロック番号がおかしい、チェックサムやCRC符号とデータの間に矛盾があるなどのエラーが発生した場合、受信側はACKの代わりにNAK(否定応答)を送出する。NAKを受信した送信側は再度同じデータブロックを送出する。ブロック番号を指定して送信を要求する機能はないため、ブロック番号が連続しない場合やFlying-XMODEMの場合は中断処理(後述)を行うことになる。
一定時間待っても相手側からの応答がない、Flying-XMODEM転送中にエラーが発生したなど、何らかの事情により転送途中に通信を終了させたい場合はCANを送出する。これは受信側・送信側のどちらが送出しても良い。
ヘッダデータブロック番号データブロック番号の1の補数データチェックサムもしくはCRC符号
8ビット8ビット8ビット128バイトもしくは1024バイト8ビットもしくは16ビット
ヘッダ
データのサイズを表す。128バイトであればSOH、1024バイトであればSTXをセットする。
データブロック番号
ブロック番号をセットする。1から開始して1ずつカウントアップし、255の次は0になる。
データブロック番号の1の補数
ブロック番号の1の補数(全ビットを反転させたもの)をセットする。
データ
送信するデータを128バイトもしくは1024バイト単位でセットする。送信するデータが128バイトもしくは1024バイトに満たない場合はEOFでパディングする(空いた部分を埋める)。
チェックサムもしくはCRC符号
8ビットのチェックサム、もしくは16ビットのCRC符号をビッグエンディアンでセットする。
XMODEMは効率があまり良くないため、これを改良したYMODEM、ZMODEMなどが後に開発された。
関連項目
バイナリ転送プロトコル
YMODEM
ZMODEM
B Plus
QuickVAN
カーミット (プロトコル)
バイナリ
カテゴリ: パソコン通信
更新日時:2008年6月6日(金)06:46
取得日時:2008/08/16 07:00