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対応

これらのワームに対しては、ウイルス対策ソフト会社側が対策を講じており、こういったウイルスに感染する前に検出できるパターンファイルを更新し、または感染後に駆除を行うワクチンツールを配布している。

マイクロソフト側でも、2005年10月のWindows Updateプログラムの中にWinnyのウイルスを駆除できる「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を同梱した。マイクロソフトは、2005年11月に、1ヵ月間でこのWindows Updateにより20万件以上のウイルス除去に成功したと発表した。

しかしながら、上記マイクロソフト配布の削除ツールは、Windows XP2000にしか対応していない。そのため、Windows2000より前の古いバージョンのWindowsではマイクロソフト製の対策ツールを使用して駆除することは出来ない。

また、「Winny」を使っているユーザーのほとんどが日本人であるため、これらウイルスに感染するユーザーもまた日本人が大半となる(事実、マイクロソフトが発表した駆除報告 ⇒[5]においても、ワーム感染PCの99%は日本語Windowsであったことが報告されている)。

そうすると、世界規模でのウイルスへの対応が優先される各ウイルス対策ソフト会社の対応はどうしても遅れがちになり、その後もWinnyを感染源とするウイルス感染者が続出した。とりわけ、官公庁でのウイルスによる機密データ流出が、立て続けに報じられた。

ウイルス対策ソフトを提供している企業などではWinnyの起動を止める、またはWinnyを検出・削除するツールを無料で提供することになった。

ただし、家族など1台のパソコンを数人で共有している利用者には効果があるものの、ほとんどの利用者は1人1台でパソコンを利用しており、そういった場合はWinnyを利用していると自覚しているために、この種のツールをインストールすることがないため、効果は薄い。

2006年2月には海上自衛隊員が防衛庁の機密情報を漏洩させてしまったため、当時の小泉純一郎総理大臣が、防衛庁や各省庁に情報漏洩に関して再発防止を指示した。

また、2006年2月以降になると、Winnyによる情報漏洩事件が多数発表されることになり、それを受けて警察庁が2006年3月に警察官全員に対し公私関係なくWinnyの使用を全面禁止とする通達を発し、3月15日安倍晋三官房長官(当時)が記者会見でWinnyの使用を自粛するよう国民に呼びかけた。

この呼びかけの理由の一つとして、Winnyで出回った官庁のファイルを削除するのが物理的に不可能なため、これ以上不特定多数の国民に閲覧されないよう、このように呼びかけたのだと揶揄する声もある。

さらに、情報漏洩についても、本来なら外部に持ち出してはいけないと決められている情報を、Winnyを起動させている(主に自宅にある)パソコンに入れていた点について追及する動きもある一方で、一部の省庁・地方自治体ではWinnyがインストールされているパソコンからWinnyを削除させたり、重要情報の持ち出し禁止を指導したりしている。

しかし、そもそも自宅へ持ち帰らなければ仕事が消化しきれないという現実の前には、問題の全面解決には程遠いのが現状である。

現状のウイルスについては、2006年3月11日に行われた講演で、金子勇はWinnyのプログラムを少し書き換えるだけでウイルスの拡散防止が出来るが、裁判で著作権幇助に関する罪状で係争中であり、Winnyの更新が出来ない現状であると述べた。

ウイルスについて、もしWinnyのプログラムで対策を行ったとしても、それに対応しないウイルスが出てくる可能性があり、Winnyのバージョンアップを頻繁に行わなければならなくなるとも述べた。

多くの官庁や企業では私物のパソコンが業務に使われている。本来は業務において私物パソコンを使うべきではないが、予算配分の関係上、業務用パソコンが潤沢に用意できていない事情もあり、状況は改善されていない。企業内でWinnyを起動させているケースも数多く報告されている。

一部の官庁ではデータ流出をきっかけに、遅ればせながら予算の手配を始めている。また、自宅へデータを持ち帰る原因として、消化できない仕事を持ち帰り、自宅で行うサービス労働がまかり通っていることがあげられる。

個人情報や機密情報をデータとして、そのまま私物のパソコンに入れてしまうという、プライバシーマークを取得している企業などでは到底考えられないこと自体がまかり通っている企業・官庁が未だに多いのが実情であり、最も基本的とも言える「機密情報をデータとしてコピーしない」などといった早急なルール作りを行うべきだと言える。

かつては、ある程度のスキルを持つマニアだけのものだったファイル共有ソフトも、雑誌などでの宣伝活動などを引き金として、多くの初心者が使用するようになり、また家族でパソコンを共有している場合、知らぬ間に他の家族が共有ソフトを使用していることもある。

現在、Winnyによるファイル流出がマスメディアで報道され、それを知った初心者がWinnyを使い始め、ファイル流出が増えるという悪循環が指摘されている。

財務省が原案を作成した2007年予算の復活折衝で、ファイル共有ソフトによる情報漏洩を防ぐための技術開発費として、10億円を計上することが認められた。これは総務省が要求していた予算である。

ファイル共有ソフトを使うことによる情報漏洩が社会問題になる中、利用者個人だけで対策を取ることには限界があるため、ネットワーク上のファイル共有ソフトの利用状況を監視し、情報の漏洩を迅速に発見する技術や、漏洩した情報を削除して、被害の拡大を防ぐための技術開発などを行う。

一例として、総務省はこの予算を使い、暴露ウイルスによって流出しかけた情報を、自動的に削除するシステムの構築を目指す。

具体的には、情報を書き込んだファイルに「目印」をつけておき、流出の際には特定のサーバーを経由するようにする。そのサーバーで、「目印」つきのファイルは一網打尽で消去する仕組みが構想されている。

この場合には、流出情報を後で識別できるよう、所有者がまず目印をつける。音楽CDのコピー防止に使われる「電子すかし」などの技術に似たものである。この「目印」を元に、迷惑メール対策の技術などを応用してサーバーで特定し、消去する。この案が実現されるには、情報の流出ルートが対策済みのサーバーに絞られるよう制御することも重要になる。

このような対策に乗り出す背景として、情報流出について官庁や警察の情報が漏れるなど社会的反響が大きいものの、対策が収益事業にはなりにくいことが挙げられる。今後対策費を2007年度予算の概算要求に盛り込み、3年計画で通信機器メーカーなどに研究開発委託する。


利用者のモラルと報道

そもそもAntinnyはWinnyを用いた違法行為に対する制裁的性質を持って作成されたと考えられており、それゆえにインターネットユーザーの中では感染者達に対しては同情よりむしろ侮蔑と嘲笑が投げつけられることが多い。

事実、Antinnyが発生した2004年頃にマスメディアに報じられた際は、インターネット上ではそのような冷ややかな見方をされることが常であった。

しかし2006年にいたって、マスメディアによって一連の情報流出騒ぎが大きく報じられている現状においても、2004年度のウイルス発生時より各マスメディアの対応は、ウイルスに感染して情報を漏らしてしまった側を「被害者」として報道するというスタンスで一貫している。

だが、2005年〜2006年の時点で登場したAntinnyの亜種はWinnyのみが感染経路とは限らないものの、そのワームの感染者たちが、他者が著作権を有するファイルをインターネット上で違法にやり取りする目的で主に使用されるソフトであるWinnyを使用していた、いわゆる「著作権侵害という違法行為を働いていた疑いが極めて濃い存在である」という側面に触れる事は決してなかった(事実、発売前の漫画雑誌を、Winnyを使って盗み見していたグループもいる)。

2004年に、著作権侵害幇助の嫌疑で逮捕されたWinny製作者の金子を含め、Winny利用者を逮捕し著作権侵害行為に対して厳然たる態度を示した警察内部から、Winny利用による不祥事が2005年、あるいは2006年に続々と明るみに出て、かつ当事者が内規によるきわめて軽い処分が課されたのみである点については批判も多い。

また、2004年よりAntinnyによるWinnyへの情報漏洩についてマスメディアで大きく報道されており、これら情報漏洩者側がAntinnyの危険性を知らずにWinnyの使用を行っているとは言えない状況になってきている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki