そもそもAntinnyはWinnyを用いた違法行為に対する制裁的性質を持って作成されたと考えられており、それゆえにインターネットユーザーの中では感染者達に対しては同情よりむしろ侮蔑と嘲笑が投げつけられることが多い。
事実、Antinnyが発生した2004年頃にマスメディアに報じられた際は、インターネット上ではそのような冷ややかな見方をされることが常であった。
しかし2006年にいたって、マスメディアによって一連の情報流出騒ぎが大きく報じられている現状においても、2004年度のウイルス発生時より各マスメディアの対応は、ウイルスに感染して情報を漏らしてしまった側を「被害者」として報道するというスタンスで一貫している。
だが、2005年〜2006年の時点で登場したAntinnyの亜種はWinnyのみが感染経路とは限らないものの、そのワームの感染者たちが、他者が著作権を有するファイルをインターネット上で違法にやり取りする目的で主に使用されるソフトであるWinnyを使用していた、いわゆる「著作権侵害という違法行為を働いていた疑いが極めて濃い存在である」という側面に触れる事は決してなかった(事実、発売前の漫画雑誌を、Winnyを使って盗み見していたグループもいる)。
2004年に、著作権侵害幇助の嫌疑で逮捕されたWinny製作者の金子を含め、Winny利用者を逮捕し著作権侵害行為に対して厳然たる態度を示した警察内部から、Winny利用による不祥事が2005年、あるいは2006年に続々と明るみに出て、かつ当事者が内規によるきわめて軽い処分が課されたのみである点については批判も多い。
また、2004年よりAntinnyによるWinnyへの情報漏洩についてマスメディアで大きく報道されており、これら情報漏洩者側がAntinnyの危険性を知らずにWinnyの使用を行っているとは言えない状況になってきている。
また、日本においては個人情報保護法が2003年に制定され2年間の周知期間を経て2005年に施行され、企業などで個人情報など機密情報に対して安易に外部へ持ち出さないように徹底しようという動きがあったが、はからずも一連の流出騒動によって、一部の企業や日本政府・官庁内で未だに情報の取り扱いが杜撰になされていたことがあらわとなった。こうした組織の問題がそもそもの流出原因となっているという面は否定できない。にも関わらず、一連の事件において個人情報などを流出させた当事者やそれを予防できなかった企業・官庁などに対して同法による検挙などの対処がまったくなされていない(2006年3月時点)ということについては、批判と疑問の声が聞かれる。
さらに、度々Winnyに関する報道が行われることによって、それまで全くこのソフトを知らなかった人々にも「Winnyがどんなことをするソフトなのか」が浸透するようになり、「そんなに色々なものが簡単に手に入るなら、自分もやってみようか」と安易に考える新規ユーザを増やしている点が問題になっている。このようなユーザ層はそもそもウィルスに対する知識が欠落しているため、深く考えずにウィルスに感染し、新たな情報流出を行ってしまう可能性が極めて高い。報道機関は「Winnyの危険性を声高に吹聴することにより、更なる情報流出被害を起こす可能性」があることをどこまで意識しているのか疑問が残る。
これまでに、違法なファイルの交換によるトラフィックの増大を理由に、2003年にiTSCOMがWinnyによる帯域の使用の制限を報告。他にも幾つかのプロバイダが、事前告知あり・なしに限らず、Winnyによる帯域の使用を制限している。
そして流出事件を機に、2006年3月にはぷららやniftyがWinnyの使用を制限するサービスを、2006年5月頃を目処に始めるとしていた。ぷららやniftyの「Winnyによる帯域の使用制限」については、一部地域で2006年4月頃より始まっていた。
しかし、総務省は2006年5月18日に、ぷららが2006年5月から開始する予定であった「Winnyの信号を感知すると通信を遮断する」措置について、利用者の通信を解読し、その内容に応じて通信を許可または禁止するという行為は、通信の秘密保護を定めた「電気通信事業法」に抵触し、違法であるとの見解を示した。これを受け、ぷらら側は「通信遮断措置の発動」を停止した。なお、現在はフレッツ光及びADSLのサービスとしてWinnyを遮断する機能を利用できる。
これにより、一部プロバイダを利用しているファイル共有ユーザーからは、「転送速度が速くなった」との声も聞かれるようになった。
「100Mbps使い放題」と宣伝しているのに、実際に帯域を「使い放題」すると規制されてしまうのは誇大広告だという意見もある。
前述のようにWinnyを利用することにより自らが情報漏洩などの被害を被ることもある。このため、「確実な方法はWinnyを使用しないことである」という意見が内閣官房など各方面で叫ばれている。( ⇒Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について)
Winnyを利用する場合はWinny専用のパソコンを用意する、漏れてはいけない情報は暗号化を施す、などの防御策をとることが原則である。また、Winny利用の有無に関わらず、万が一ウィルスに感染した場合に備え、漏洩することを前提としていない情報はコンピュータ内に一切保持しないことが情報漏洩防止の基本である。
業務で使用するパソコンでWinnyを使用するのは論外であるが、不測の事態に備えファイアーウォール側で企業側の予防策もさらに徹底すべきだろう。Winnyは使用するポートを乱数で決定する為、使用ポートを予測する事が出来ない。これに対抗するために、ファイアーウォールで次のようなルールを設定する事で回避する事が可能であろう。(1) まず、全てのインバウンドポートをブロックする (default deny)(2) 通常業務で使用するであろうアプリケーションプロトコルのみを許可する (allow http,https,ftp,smtp,dns ...)
さらなる徹底的な対策としてアプリケーションレイヤープロキシを用い、IPレベルでの疎通を完全遮断する方法がある。ここまで行えば、トンネルを用いて通常トラフィックを偽装した接続をも遮断する事ができる。
補助ツール
WinnyCacheinfo
delny
SafeNy
関連項目
Gnutella
Freenet
Share
WinMX
LimeWire
Perfect Dark
知的財産権
個人情報保護法
表現の自由
ダウンロードソフト板
Warez
Antinny
山田オルタナティブ
原田ウィルス
暴露ウイルス
著作権法
わいせつ物頒布罪
児童ポルノ規制法
裏ビデオ
書籍
⇒Winnyの技術(著:金子勇、編:アスキー書籍編集部) ISBN 4756145485
外部リンク
⇒金子勇のソフトウェアページ