Winny
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現状のウイルスについては、2006年3月11日に行われた講演で、金子勇はWinnyのプログラムを少し書き換えるだけでウイルスの拡散防止が出来るが、裁判で著作権幇助に関する罪状で係争中であり、Winnyの更新が出来ない現状であると述べた。

ウイルスについて、もしWinnyのプログラムで対策を行ったとしても、それに対応しないウイルスが出てくる可能性があり、Winnyのバージョンアップを頻繁に行わなければならなくなるとも述べた。

多くの官庁や企業では私物のパソコンが業務に使われている。本来は業務において私物パソコンを使うべきではないが、予算配分の関係上、業務用パソコンが潤沢に用意できていない事情もあり、状況は改善されていない。企業内でWinnyを起動させているケースも数多く報告されている。

一部の官庁ではデータ流出をきっかけに、遅ればせながら予算の手配を始めている。また、自宅へデータを持ち帰る原因として、消化できない仕事を持ち帰り、自宅で行うサービス労働がまかり通っていることがあげられる。

個人情報や機密情報をデータとして、そのまま私物のパソコンに入れてしまうという、プライバシーマークを取得している企業などでは到底考えられないこと自体がまかり通っている企業・官庁が未だに多いのが実情であり、最も基本的とも言える「機密情報をデータとしてコピーしない」などといった早急なルール作りを行うべきだと言える。

かつては、ある程度のスキルを持つマニアだけのものだったファイル共有ソフトも、雑誌などでの宣伝活動などを引き金として、多くの初心者が使用するようになり、また家族でパソコンを共有している場合、知らぬ間に他の家族が共有ソフトを使用していることもある。

現在、Winnyによるファイル流出がマスメディアで報道され、それを知った初心者がWinnyを使い始め、ファイル流出が増えるという悪循環が指摘されている。

財務省が原案を作成した2007年予算の復活折衝で、ファイル共有ソフトによる情報漏洩を防ぐための技術開発費として、10億円を計上することが認められた。これは総務省が要求していた予算である。

ファイル共有ソフトを使うことによる情報漏洩が社会問題になる中、利用者個人だけで対策を取ることには限界があるため、ネットワーク上のファイル共有ソフトの利用状況を監視し、情報の漏洩を迅速に発見する技術や、漏洩した情報を削除して、被害の拡大を防ぐための技術開発などを行う。

一例として、総務省はこの予算を使い、暴露ウイルスによって流出しかけた情報を、自動的に削除するシステムの構築を目指す。

具体的には、情報を書き込んだファイルに「目印」をつけておき、流出の際には特定のサーバーを経由するようにする。そのサーバーで、「目印」つきのファイルは一網打尽で消去する仕組みが構想されている。

この場合には、流出情報を後で識別できるよう、所有者がまず目印をつける。音楽CDのコピー防止に使われる「電子すかし」などの技術に似たものである。この「目印」を元に、迷惑メール対策の技術などを応用してサーバーで特定し、消去する。この案が実現されるには、情報の流出ルートが対策済みのサーバーに絞られるよう制御することも重要になる。

このような対策に乗り出す背景として、情報流出について官庁や警察の情報が漏れるなど社会的反響が大きいものの、対策が収益事業にはなりにくいことが挙げられる。今後対策費を2007年度予算の概算要求に盛り込み、3年計画で通信機器メーカーなどに研究開発委託する。


利用者のモラルと報道の問題の関係

そもそもAntinnyはWinnyを用いた違法行為に対する制裁的性質を持って作成されたと考えられており、それゆえにインターネットユーザーの中では感染者達に対しては同情よりむしろ侮蔑と嘲笑が投げつけられることが多い。

事実、Antinnyが発生した2004年頃にマスメディアに報じられた際は、インターネット上ではそのような冷ややかな見方をされることが常であった。

しかし2006年にいたって、マスメディアによって一連の情報流出騒ぎが大きく報じられている現状においても、2004年度のウイルス発生時より各マスメディアの対応は、ウイルスに感染して情報を漏らしてしまった側を「被害者」として報道するというスタンスで一貫している。

だが、2005年から2006年の時点で登場したAntinnyの亜種はWinnyのみが感染経路とは限らないものの、そのワームの感染者たちが、他者が著作権を有するファイルをインターネット上で違法にやり取りする目的で主に使用されるソフトであるWinnyを使用していた、いわゆる「著作権侵害という違法行為を働いていた疑いが極めて濃い存在である」という側面に触れる事は決してなかった(事実、発売前の漫画雑誌を、Winnyを使って盗み見していたグループもいる)。

2004年に、著作権侵害幇助の嫌疑で逮捕されたWinny製作者の金子を含め、Winny利用者を逮捕し著作権侵害行為に対して厳然たる態度を示した警察内部から、Winny利用による不祥事が2005年、あるいは2006年に続々と明るみに出て、かつ当事者が内規によるきわめて軽い処分が課されたのみである点については批判も多い。警察のみならず、Winnyを自衛隊、省庁関係者など公務員が使用しても逮捕に至るケースがほとんど報道されていないという現状に、公的機関の『身内に対する甘さ』を批判する声も多い。

また、2004年よりAntinnyによるWinnyへの情報漏洩についてマスメディアで大きく報道されており、これら情報漏洩者側がAntinnyの危険性を知らずにWinnyの使用を行っているとは言えない状況になってきている。

また、日本においては個人情報保護法が2003年に制定され2年間の周知期間を経て2005年に施行され、企業などで個人情報など機密情報に対して安易に外部へ持ち出さないように徹底しようという動きがあったが、はからずも一連の流出騒動によって、一部の企業や日本政府・官庁内で未だに情報の取り扱いが杜撰になされていたことがあらわとなった。こうした組織の問題がそもそもの流出原因となっているという面は否定できない。にも関わらず、一連の事件において個人情報などを流出させた当事者やそれを予防できなかった企業・官庁などに対して同法による検挙などの対処がまったくなされていない(2006年3月時点)ということについては、批判と疑問の声が聞かれる。


さらに、度々Winnyに関する報道が行われることによって、それまで全くこのソフトを知らなかった人々にも「Winnyがどんなことをするソフトなのか」が浸透するようになり、「そんなに色々なものが簡単に手に入るなら、自分もやってみようか」と安易に考える新規ユーザを増やしている点が問題になっている。このようなユーザ層はそもそもウィルスに対する知識が欠落しているため、深く考えずにウィルスに感染し、新たな情報流出を行ってしまう可能性が極めて高い。報道機関は「Winnyの危険性を声高に吹聴することにより、更なる情報流出被害を起こす可能性」があることをどこまで意識しているのか疑問が残る。


プロバイダによる規制

これまでに、違法なファイルの交換によるトラフィックの増大を理由に、2003年にiTSCOMがWinnyによる帯域の使用の制限を報告。他にも幾つかのプロバイダが、事前告知あり・なしに限らず、Winnyによる帯域の使用を制限している。

そして流出事件を機に、2006年3月にはぷららniftyがWinnyの使用を制限するサービスを、2006年5月頃を目処に始めるとしていた。ぷららやniftyの「Winnyによる帯域の使用制限」については、一部地域で2006年4月頃より始まっていた。

しかし、総務省2006年5月18日に、ぷららが2006年5月から開始する予定であった「Winnyの信号を感知すると通信を遮断する」措置について、利用者の通信を解読し、その内容に応じて通信を許可または禁止するという行為は、通信の秘密保護を定めた「電気通信事業法」に抵触し、違法であるとの見解を示した。これを受け、ぷらら側は「通信遮断措置の発動」を停止した。なお、現在はフレッツ光及びADSLのサービスとしてWinnyを遮断する機能を利用できる。

これにより、一部プロバイダを利用しているファイル共有ユーザーからは、「転送速度が速くなった」との声も聞かれるようになった。

「100Mbps使い放題」と宣伝しているのに、実際に帯域を「使い放題」すると規制されてしまうのは誇大広告だという意見もある。


情報漏洩を防ぐために

前述のようにWinnyを利用することにより自らが情報漏洩などの被害を受けることもある。このため、「確実な方法はWinnyを使用しないことである」という意見が内閣官房など各方面で叫ばれている。( ⇒Winnyを介して感染するコンピュータウイルスによる情報流出対策について

Winnyを利用する場合はWinny専用のパソコンを用意する、漏れてはいけない情報は暗号化を施す、などの防御策をとることが原則である。また、Winny利用の有無に関わらず、万が一ウィルスに感染した場合に備え、漏洩することを前提としていない情報はコンピュータ内に一切保持しないことが情報漏洩防止の基本である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki