この文書はウィキペディア日本語版の公式な方針あるいはガイドラインの草案です。現時点ではまだ拘束力はありません。現在、内容に関してノートページで議論を行なっています。
この方針文書は、著作権の対象となっている言語の著作物を、ウィキペディア日本語版において引用する際に守るべき事項を定めたものです。
目次
1 概説
2 テキスト引用の方針
2.1 方針違反時の対応
3 ウィキペディアで避けるべき引用
4 引用とGFDLの関係
5 参考文献
6 脚注
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百科事典の執筆をする上で、誰かが作り出した文章などをそのまま、あるいは少しだけ改変して使用しなければいけない場面は、それほど多くありません。もちろん、執筆にあたっては、複数の信頼できる検証可能な資料を参照し、その内容に基づいて記述を進めるべきです。しかし、ウィキペディアでは、その資料を引き写すのではなく、あなたが十分その内容を理解し、咀嚼し、百科事典にふさわしいあなた自身の表現で執筆することが求められます。そのような心掛けで執筆していれば、著作権法などに触れることは、めったにないでしょう。著作権侵害を避けるには、あなた自身の表現で執筆することが大事なのです。
しかし、どうしても誰かが書いたものを持ち込む必要があることもあります。記事本文だけでなく、ノートでの議論などで、実際の記述を執筆者の間で確認する必要が生じることもあるでしょう。そういう場合は適切に「引用」をすることで、著作権の侵害を回避することができます。この文書では、ウィキペディアでの引用の取り扱いと、著作権法上の適切な引用の方法を解説します。
著作権の侵害を回避するということを考えるならば、ここでいう「引用」の元となる文章などは、著作権法の保護の対象となる著作物である場合に限定してもいいでしょう。しかし、数値などのデータや事実など著作物ではないもの、保護期間を過ぎた著作物であっても、以下で説明する要件を満たすことは、ウィキペディアは百科事典であり、「検証可能性」という方針を採用していることからも求められるものです。
このガイドラインは、誰かの著作権を絶対に侵害しないということを保証するものではありません。しかし、この文書を理解した上で執筆することで、侵害してしまう可能性はかなり減少します。また、このガイドラインに従っていなくても、権利を侵害しない場合もあるでしょう。あなたが十分著作権法を理解し、ガイドラインに沿わない記述をすることでよりよい記事ができるならば、この文書に沿わない記述をすることも可能です。ただし、誰かが削除依頼に出したり、記事のノートで説明を求めるかもしれません。そのような際には、判例や信頼できる解説書の記述を示しながら丁寧に説明するようお願いします。
他人の著作物を、著作権者の許諾なく複製したり翻案したり、あるいはネットで閲覧できるようにすることはできません。転載、つまり誰かが書いた文章を、一部であっても、そのままウィキペディアに書き写したりすることは、著作物の使用にあたり、著作権者の許諾を得ていなければ、権利を侵害することになります。
しかし、ある作品への批評など、どうしてもその記述をそのまま使わなければいけない場合も存在します。このため、日本の著作権法では、著作物を引用して利用することを認める規定があります。条文は、以下の通りです。
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。[1] (著作権法32条1項。昭和四十五年五月六日法律第四十八号)
この第三十二条や著作権法の他の条文、および最高裁判例で判示された「引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ、かつ、右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められる場合でなければならないというべき」(「パロディ事件」昭和55年3月28日判決[2])などに拠れば、以下の条件を満たせば、引用として利用できると考えられています[3]。
(公表された著作物であること)引用されている文が公表されていること(32条1項)書簡集などとしてまとめられていない手紙や未刊行の原稿などを用いることはできません。
(必然性)引用する必然性があること(32条1項)
(一部であること)原則として一部であること(32条1項、「パロディ事件」)引用の目的上正当な範囲内でなければいけません。必要な文言のみを抽出して引用して下さい[4]。例外的に全部を引用できるのは、俳句や短歌などのごく短い著作物に限られます[5]。
(主従関係)地の文が主、引用文が従の関係にあること(「パロディ事件」)百科事典として何かを説明するあなた自身の文章が主、その補助として引用文を用いるようにしてください。他の著作物に注釈を付けるようなものは、引用文が主となります。また、地の文には創作性・著作物性が認められなければなりません。
(明瞭区別性)引用されている著作物と、引用している著作物が明瞭に区分できること(「パロディ事件」)カギ括弧や、行空き+字下げなどを用いるのが一般的です。区分できないまま混在すると二次的著作物となり、三十二条の権利制限の対象とはなりません。
(改変の禁止)引用されている文が改変されていないこと(20条1項、43条2号、「パロディ事件」)表現の書き換えをしてはいけません。そもそも、そのままの表現を必要として引用するのですから、改変する必要はないはずです[6]。
(出所表示)引用元を明示していること(48条1項1号)ウィキペディアでは、検証可能性が求められますから、引用元は常に明示されなければなりません。著者、作品の題号、書籍のタイトルや雑誌名と巻号、ページ、出版社などを記して下さい。ウェブページであれば著者、題号、URL、閲覧日、テレビなどであれば製作者、作品名、放送日時など。翻訳であれば翻訳者の名前も忘れないようにして下さい[7]。出所を示すには、脚注を用いてもよいでしょう。
引用されている文章が著作権の保護を受けるもので、上記の要件を満たしていないと判断できる場合は、削除依頼を提出して下さい。ノートやその部分の執筆者の会話ページなどで、このガイドラインを示すことで、以後適切な引用が行なわれることに繋がります。
自分では十分判断できないと思ったら、どの部分について、どの記述を転載しているかを、ノートや要約欄に書いてみてください。