WebObjects(ウェブオブジェクツ)は、Mac OS Xの開発環境に含まれる、JavaによるWebアプリケーションサーバである。アップルが開発している。
Webアプリケーション・Webサービスを開発・運用するための開発ツール・フレームワークを持ち、徹底したオブジェクト指向、強力なデータベース接続機能、ラピッドプロトタイピングが可能なツールが特徴である。WebObjectsでは、Webブラウザから使用できるWebアプリケーション、Webサービスを提供するアプリケーションを開発することができる。
WebObjectsのサポートするプラットフォームは開発・運用環境共にMac OS Xのみだが、運用環境はJavaのみで開発されており、JavaをサポートしているプラットフォームであればWebObjectsアプリケーションを運用できる(バージョンによってはMac OS X Serverを購入して運用ライセンスを得ることが必要)。また、JBoss、Apache Tomcat、BEA WebLogic、IBM WebSphereといったサードパーティのJava EEアプリケーションサーバでも運用できる。
現在アップルコンピュータはApple Store、.Macをはじめとした自社のオンラインサービスをWebObjectsで構築している。中でもiTunes Storeは最も注目されるWebObjectsアプリケーションである。
目次
1 特徴
2 歴史
3 フレームワーク
3.1 WebObjects フレームワーク (WOF)
3.2 Enterprise Objects フレームワーク (EOF)
3.3 Foundation フレームワーク
4 ルールベースのアプリケーション開発
5 Javaとの互換性
6 バージョン履歴
7 オープンソースの代替ソフトウェア
8 外部リンク
8.1 情報及びサンプルコード
8.2 オープンソースの代替ソフトウェア
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特徴
コストが不要
WebObjectsはMac OS Xの開発環境に付属するので、Mac以外のコストはかからない。
強力なフレームワーク
Webアプリケーションの開発・運用に必要な機能を提供する各種フレームワークを持つ。
Webアプリケーションサーバ
WebObjectsアプリケーションはJava SEベースのWebアプリケーションサーバとしてスタンドアロンで動作する。アプリケーションの管理にはJavaMonitorというアプリケーションを使い、Webブラウザから操作する。サーブレットとしてJava EEサーバで運用することも可能。
データベースアクセス
リレーショナルデータベースのテーブルをクラスにマッピングするデータベースフレームワークにより、SQL文を記述することなくデータベースにアクセスすることができる。(オブジェクト関係マッピング)
プレゼンテーション、ロジック、データの分離
プレゼンテーション (HTML)、ロジック(Java)、データ(SQL)を明確に分離し、再利用可能なWebページを構成する。
ステート管理
セッションを用いてあらゆるオブジェクトを長期間保持することができる。
スケーラビリティとパフォーマンス
複数のアプリケーションインスタンス、複数のアプリケーションサーバを管理できる。負荷分散のアルゴリズムは3種類用意されている。
ルールベースの高速アプリケーション開発
プロジェクト作成時にデータモデルを与えるだけで、カスタマイズが可能なWebアプリケーションを生成することができる。
WebObjectsは1996年3月にNeXT Software Inc.から世界初のWebアプリケーションサーバとしてリリースされた。以降他製品との競争により開発が進み、ウォルト・ディズニー・カンパニー、デルコンピュータ、英国放送協会、日産自動車などの大企業でも使われるようになった。
その後NeXTはアップルコンピュータに買収され、アップルコンピュータはWebObjectsを手に入れてからソフトウェアをハードウェアの販売につなげる戦略を展開している。2000年には無制限の運用ライセンスを含めたWebObjectsの価格を、5万ドルから699ドルに大幅に値下げした(当時の日本円で約692万円の値下げ)。2001年5月にはWebObjectsの運用環境を含めたMac OS X Serverの販売を開始した。Mac OS X ServerにはWebObjectsの無制限の運用ライセンスも含まれているので、WebObjectsは実質的に無料である。
なお、現在もアップルはバージョン5.2の販売を継続している。WebObjects 5.2はWindows 2000 ServerとSolaris 8での運用を公式にサポートしており、Windows 2000 Professional用の開発ツールが付属している。
2005年6月にはバージョン5.3がリリースされ、WebObjectsは単体の製品からMac OS Xの一部として移行した。699ドルで販売されていた開発ツールとフレームワークはXcodeに付属するようになり、WindowsやSolarisなど他プラットフォームのサポートを打ち切った。一部の開発ツールのインターフェースが一新されたが、主な機能にほとんど変更はなかった。アップルはこのままWebObjectsをXcodeに統合する方針だったが、この方針はすぐに変更されることとなった。
2006年8月、アップルはWWDCでCocoa-Javaブリッジの廃止を告げた。WebObjectsの開発ツールはすべてCocoa-Javaブリッジを利用して実装されていたが、アップルは再実装を行わないことに決めた。これにより、WebObjectsの開発ツールもすべて廃止されることとなった。