世界知的所有権機関(せかいちてきしょゆうけんきかん、英:World Intellectual Property Organization、WIPO)は、全世界的な知的財産権の保護を促進することを目的とする国際連合の専門機関である。1970年に設立され、スイスのジュネーヴに本部を置く。加盟国は184か国(2007年11月現在)。事務局長は、フランシス・ガリ(2008年10月現在)。
目次
1 沿革
2 活動
3 組織
3.1 一般総会
3.2 締約国会議
3.3 調整委員会
3.4 国際事務局
4 歴代事務局長
5 管理する条約
6 脚注
7 外部リンク
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1883年に知的財産権の保護に関する最初の国際条約である「工業所有権の保護に関するパリ条約」が作成され、ついで、1886年には著作権に関する条約である「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」が作成された。
1892年にはこれら両条約の国際事務局を統合して、世界知的所有権機関の前身である知的所有権保護合同国際事務局(BIRPI)が設立され、これ以降永年にわたり、BIRPIが知的財産権に関するさまざまな条約の作成及び管理を行うこととなった。BIRPIは当初、スイスのベルンに本部を置いていたが、1960年にジュネーヴに移転した。
1967年に、BIRPIを発展的に解消してより強化された知的財産に関する国際事務局を設立するために「世界知的所有権機関を設立する条約」(WIPO設立条約)が作成され、1970年に同条約が発効したことによりWIPOが設立された。そして、WIPOは1974年に国際連合の14番目の専門機関となった。
WIPOは、知的財産権保護の国際的な推進のための活動を行うとともに、知的財産権に関する条約、国際登録業務の管理・運営を行っている。
このうち、知的財産権保護の国際的な推進のためには、知的財産の保護に関する条約の作成、途上国への技術協力を通じた知的財産の保護水準の向上、及び、情報化の推進等の活動が行われている。
WIPOは、その活動を行うために、一般総会、締約国会議、調整委員会、国際事務局を有することがWIPO設立条約に定められている。また、ワシントンD.C.、ニューヨーク、ブリュッセル、シンガポールに事務所を有しており、2006年9月1日には東京に日本事務所が開設されている[1]。
一般総会(General Assembly)は、WIPOが管理するパリ条約、ベルヌ条約等の条約の締約国で構成される(「WIPO設立条約」のみの締約国は参加できない)。
事務局長及び調整委員会の報告を承認し指示を与えることにより、WIPOの最高議決機関として機能するとともに、事務局長の選任や共通経費の予算の採択等を行う。
締約国会議(Conference)は、「世界知的所有権機関を設立する条約」の締約国で構成される(他の条約を締結しているかどうかを問わない)。 知的財産権の分野における一般的な事項について討議し勧告を採択する。
調整委員会(Coordination Committee)は、「世界知的所有権機関を設立する条約」の締約国で、かつ、「工業所有権の保護に関するパリ条約」及び/または「文学・美術作品の保護に関するベルヌ条約」の執行委員会の構成国である国で構成される。 WIPOが管理する複数の条約に関する管理上及び財政上の事項その他の事項について、特に同盟共通経費の予算について、同盟の内部機関、一般総会、締約国会議及び事務局長に助言を与える。
国際事務局(International Bureau)は、WIPOの事務局である。機関の首席行政官である事務局長が指揮し、2人以上の事務局次長が置かれる。
歴代事務局長
ゲオルグ・ボーデンハウゼン(1970年 - 1973年)
アーパッド・ボクシュ(1973年 - 1997年)
カミール・イドリス(1997年 - 2008年)
フランシス・ガリ(2008年 -)
管理する条約
知的財産の保護に関する条約
産業財産権に関する条約
工業所有権の保護に関するパリ条約(1883年)
特許法条約(2000年) - 日本は未締結
商標法条約(1994年)
商標法に関するシンガポール条約(2006年) - 未発効・日本は未締結
虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定(1891年)
オリンピックシンボルの保護に関するナイロビ条約(1981年) - 日本は未締結
集積回路についての知的所有権に関する条約(1989年) - 未発効・日本は未締結
タイプフェイスの保護及びその国際寄託に関するウィーン協定(1973年) - 日本は未締結