1997年の発売。ソニーがFDトリニトロン管を採用したフラットテレビ「WEGA(ベガ)」を発売したことに対抗し、ほぼ同時期に市場に投入される。従来のブラウン管をより平面に近づけた「ナチュラルフラットハイビジョン管」や新開発の高画質回路を搭載して「WEGA」に対抗したが、「ヨコヅナ」と比べて販売上かなりの苦戦を強いられることとなった。そのため、「美来」から少し遅れて登場した「ピュアフラット」(TH-36/32FH1)というブランドで、平面ブラウン管を搭載したハイビジョンテレビを併売していた。これはその後登場する「T(タウ)」のプロトタイプと位置付けられ、デザインもほぼ同じだったため、大々的な広告戦略は行われずにひっそりと販売されていた。
なお、「WEGA」の登場以前から平面ブラウン管を搭載したテレビの開発に関しては「画王」や、1993年の「カラーフラットビジョン」(TH-14F1)で先行しており、これが翌年の「T(タウ)」の開発へと繋がっている。
1998年に掲載された「美来」の新聞広告「ハイビジョンが、にじんだ日。」は、同年の日本新聞協会が選定した新聞広告賞の広告主企画部門を受賞している。
1998年9月の発売。同社初のフラットテレビとして登場した。発売当初のキャッチコピーは「タウが、来た。」「フラットの頂点へ」。タウの「T」には、flaT、digiTal、compacTの意味が込められていた。
歪みが少なく見やすい映像が特徴の「T(タウ)フラットハイビジョン管」、「デジタルスーパープログレッシブ」「デジタルシネマリアリティ」「デジタルゴーストリダクション」から構成される、デジタル処理をフルに生かした高画質を最大の特徴とし、他にも従来のドームスピーカーに代わる「ストレートホーン5スピーカー」、当時世界初の機能だった電子番組ガイド(EPG)などを搭載し、また省スペース性を徹底した斬新なデザインなどで先進性をアピールした。「T(タウ)」は大ヒットとなり、フラットテレビとして「WEGA」と肩を並べる地位を確立する。同時にテレビ累計生産2億台を達成したモデルとなった。また、ブラウン管モデルとほぼ同時期に「プラズマT(タウ)」が登場している。
1年後の1999年9月には、画像処理機能やスピーカーを強化した10機種が発売され、その中の上位機種であったTH-36/32FP20が同年のグッドデザイン賞を受賞している。スピーカーを下面に配置したスタイリッシュなデザインや、新たに「ギガクオリティープログレッシブ」を採用したことにより、従来からの高画質・高音質機能をさらに充実させた点が特徴だった。キャッチコピーは「10億ポイントデジタル高画質」「デジタルの頂点へ」。
2000年のD10シリーズから、BSデジタル放送チューナーを内蔵した「デジタルT(タウ)」が登場し、2001年のD20シリーズからは110度CSデジタル放送にも対応するようになる。ソルトレイクシティーオリンピックの前後には、CMに浜崎あゆみを起用していた。ブラウン管に「オール・フォーカス・チューブ」を採用した2002年のD30シリーズでは「ビューティー・タウ」と謳い、CM曲にはフェイス・ヒル「Cry」が使用され、本人も出演している。
そして、2003年に地上デジタル放送が開始されると「デジタルタウ」は3波フル対応となり、3波チューナー搭載のD60シリーズは同社のブラウン管テレビ史上最高画質を誇り、これをもってハイビジョンブラウン管テレビが生産終了したことから最後の名機と評されている。
同じく2003年にはブラウン管事業を東芝と統合し、松下東芝映像ディスプレイ株式会社を設立した(出資比率は松下64.5%、東芝35.5%)。しかし国内でのブラウン管事業は2006年限りで撤退、2007年3月30日に東芝の持分を松下電器に売却し、社名もMT映像ディスプレイ株式会社に変更し、海外市場に特化することとなった。
松下電器が行っていたテレビを使ったインターネットサービス「T navi」(2007年1月31日にアクトビラに発展解消する形で終了)のネーミングはタウに由来している。
「T(タウ)」のブランド名は、ブラウン管テレビでは最後まで使用されていたが、2007年8月に生産終了したため消滅した。
プラズマテレビ・液晶テレビは、2003年まで「プラズマタウ」「液晶タウ」として発売されていたが、2003年9月に「VIERA」が発売されると本格的に松下製の薄型テレビに力が入るようになった。
パナソニックブランドの国内展開が始まる以前、1960年代後半から1970年代初頭にかけて生産されていたトランジスタ(白黒)テレビ「パナパナ」などが、当時のトランジスタラジオと同様に「NATIONAL PANASONIC」の名称を使用していたことがある。
また1986年頃まで、カラーテレビの型番は現在のような「TH-(型数・シリーズ名)」ではなく、「TH(型数)-(シリーズ名)」となっていた。
松下電器ではカラーテレビと白黒テレビで部署が異なっていた。カラーテレビはテレビ事業部(大阪府茨木市、なお14型以下は白黒も含め栃木県宇都宮市の分工場で生産)、白黒テレビは藤沢テレビ事業部(神奈川県藤沢市、のちコンピュータディスプレイに事業変更)だった。藤沢テレビ事業部では1.5型という世界最小のブラウン管テレビを生み出している。パナソニック プラズマディスプレイの本社はかつての松下電器テレビ事業部の場所である。
なお現在「ビエラ」の取扱説明書に書かれている製造部門名は「映像・ディスプレイディバイス事業グループ」、住所は「大阪府門真市(〒571-8504)」となっている。
競合他社製品
AQUOS(シャープ)
BRAVIA(ソニー)
KURO、ELITE(パイオニア)
REGZA(東芝)
EXE(日本ビクター)
REAL(三菱電機)
CAPUJO(三洋電機)
Wooo(日立製作所)
23v型以下の日立リビングサプライ扱いのものは松下電器のOEMである(ブラウン管は三菱電機OEM)。これはWoooを名乗っていない(デザイン・外観・機能は松下ビエラと全く同じ)。
Plasmavision、AVIAMO(富士通ゼネラル)
関連項目
パナソニック
パナソニックグループ
プラズマテレビ
薄型テレビ