VIA C3(ヴィア シースリー)は、台湾VIA Technologiesが開発したパーソナルコンピュータ用x86アーキテクチャのCPUであり、C3はかつてCyrix III(サイリックス・スリー)という名で販売されていた。C3・CyrixIIIともにVIAがIDTから買収したWinChipシリーズの設計を行っていたCentaur Technologyのコアをベースとしている。2005年後継製品としてVIA C7(シー・セブン)が発表された。
本項ではVIA C3およびVIA CyrixIIIについて記述する。
目次
1 Cyrix III
1.1 Samuel (C5A)
1.2 Joshua
2 C3
2.1 Samuel2 (C5B)
2.2 Ezra (C5C)
2.3 Ezra-T (C5M/C5N)
2.4 Nehemiah
2.4.1 C5XL
2.4.2 C5P
2.4.3 C5X
3 派生品
3.1 EDEN / C3-E
3.2 Cyrix III Mobile
3.3 Mobile C3
3.4 Antaur / C3-M
3.5 CoreFusion
3.6 1Giga Pro
4 仕様表
5 CyrixIII/C3シリーズの設計思想
6 C3の採用例
7 CyrixIII/C3のエピソード
7.1 発表内容と製品仕様の違い
7.2 その他
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク
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Cyrix IIISamuel(C5A) CyrixIIIプロセッサ
Cyrix III(サイリックス スリー)はVIAが2000年に発表した同社初のCPU製品である。
当初はVIAがナショナルセミコンダクターから買収したCyrixチームの設計によるJoshua搭載製品でのデビューを発表していたが、実際に発売された製品ではアナウンスが無かったにも関わらずVIAが同じくIDTから買収したCentaurチームによるSamuelコア搭載製品となっていた。 WinChipシリーズをベースとしているにも関わらずCyrixのブランドを引き続き採用したことに対し、VIAではCPUメーカーとして実績を持つCyrixブランドを活用するためと述べている。
ローエンドPC市場をターゲットとしており、当初はx86CPU市場において10%のシェアの獲得を目指すとしていたが、大手PCメーカーで採用されることは無かった。後述のSamuel2コア搭載製品以降はC3に製品ブランドが変更され、CyrixIIIは終了した。
Samuel(サミュエル)はWinChip 4コアをベースとして開発され、VIAが最初に市場に投入したCPUコアである。後に投入されたSamuel2との区別の為、Samuel1コアと呼称される場合もある。
SamuelはL2キャッシュを搭載せず、浮動小数点数演算装置 (FPU) は動作クロックの半分のクロック周波数で動作していた。また、マルチメディア拡張命令として3DNow!をサポートするが、MMXユニットでMMX命令と3DNow!命令の処理を行っているため、一度にどちらかの命令しか処理できない。そのため、コア全体のパフォーマンスは他の競合製品と比べて劣っていた。
0.18μmプロセスで製造され、少ないトランジスタ数で構成されているためダイサイズが小さく、配線もワイヤーボンディングを採用している。このため、競合製品に対し安価かつ低消費電力を実現できるという点をメリットとしており、省電力技術Long Haulもサポートする。 Samuelコアを搭載したCPUは Cyrix IIIのブランドで販売されたが、後にはSamuelコアを搭載しながらVIA C3のプリントがされた製品も出回った。
Joshua(ヨシュア)はGobiコアをベースとして開発されていたCPUコアである。 ナショナルセミコンダクターの0.18μmプロセスで製造され、2.2Vのコア電圧で動作する。7段のパイプラインに加え、64KBのL1キャッシュと256KBのL2キャッシュを搭載。マルチメディア拡張命令として3DNow!をサポートする。
対応プラットフォームはFSB133MHzのSocket 370互換であるとされ、旧Cyrixの製品同様に性能指標は実クロックで表記ではなくPRレートの採用を予定していた。
JoshuaのキャンセルについてはCyrixチームメンバの大量離職や、実クロックの高い製品を望んだVIAの戦略などの噂が存在するが、正式な発表は一切されておらず不明である。Joshua以降、Cyrixチームによる製品は発表されていない。
C3はVIAが2001年に発表したCPU製品である。CyrixIIIの後継製品であり、VIA Cシリーズのファーストモデルとなる。CyrixIIIの特徴をほぼ引き継いでいるが、コアの改良に伴う基本性能向上や、低発熱・低消費電力である点やC3を搭載して発売されたMini-ITXプラットフォームが自作PC市場および組込市場で評価されるようになり、x86 CPU市場において一定の地位を築くことに成功した。
C3は2006年3月インテルとのP6バスライセンス契約が完了したことに伴い製造終了しており、後継製品としてVIA独自のV4バスを採用したC7に移行している。
C3をアピールするキャッチコピーとしてCool Processingがアピールされていた。
Samuel2(サミュエル ツー)は、Samuelを0.15μmにシュリンクし64kBのL2キャッシュを追加した製品である。またLongHaulもv2に改良されている。
追加されたL2キャッシュは小容量であるもののL1キャッシュとの排他式であるためCeleronに比べてL2キャッシュを高効率での使用が可能である。このため、整数演算を多用するオフィス系のアプリケーションなどでは競合製品に対抗できるようになった。しかし、半分のクロック周波数で動作するFPUなどは変わらず、全体のパフォーマンスとしては競合製品に及ばなかった。
VIAはこのSamuel2の製品投入とともにブランド名をC3に変更した。当初は製品パッケージへの反映が間に合わず、Samuel2を搭載しながら "Cyrix III"とプリントされた製品も出回った。
Ezra(エズラ)はSamuel2の製造プロセスを0.13μmにシュリンクした製品である。