強襲揚陸艦「サイパン」上のCH-46(2004年4月)
用途:大型輸送ヘリコプター
製造者:ボーイング・バートル社
運用者
アメリカ合衆国(アメリカ海兵隊)
日本(陸上自衛隊、航空自衛隊、海上自衛隊)
サウジアラビア
スウェーデン
初飛行:1962年8月
生産数:600機以上
運用開始:1964年
退役:2014年(計画:アメリカ海兵隊)
運用状況:現役
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V-107はアメリカ合衆国の航空機メーカー、ボーイング・バートル社が製造した双ローター方式のヘリコプター。
目次
1 概要
1.1 日本での運用
2 スペック
3 派生型
4 登場作品
4.1 映画
4.2 その他
5 関連項目
6 外部リンク
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バートル社が製作した、同社唯一の実用ヘリコプターであった。バートルはパイアセッキ・ヘリコプターの流れを汲む会社で、設立間もない1956年に大型輸送機の開発に取り組んだ。機体はターボシャフトエンジン双発、タンデムローターのヘリコプターで、エンジンを胴体後方の上部に取り付け、客室の騒音軽減と面積拡大をはかり、貨物の積み込みを簡易にする為、機体後部に傾斜板式の扉をとり付けた。また、客室は完全密閉できるように処理し、水上でも安全に運用できるようにした。
バートルモデル107(V-107)と名づけられた原型機は1958年4月に初飛行し、この巨大ヘリコプターに目をつけていたアメリカ陸軍によって、7月に研究用YHC-1A(後にYHC-1C)として少数が購入されたが、エンジン出力が小さかった為に採用されなかった。CH-46に乗り込む海兵隊員
陸軍の不評によって注文は全く無く、そこでエンジンをゼネラル・エレクトリックのT-58-110-1に転換して出力を強化したモデル107IIを発表して、1960年10月25日に初飛行した。すると、アメリカ海兵隊が1961年に強襲揚陸作戦用ヘリコプター HRB-1「シーナイト」(Sea Knight)として採用したことにより、軍民両用の機体として注目されるようになった。その後、アメリカ軍の航空機呼称が変更され、CH-46「シーナイト」に統合された。
バートルは1960年にボーイング社に吸収されて、同社のヘリコプター部門(ボーイング・バートル、後に完全吸収)となるが、V-107の生産は続けられ、カナダやスウェーデンなどへ輸出された。また、この機体の特徴はすぐ後に生産された弟分のCH-47によく受け継がれている。
日本では川崎重工業が1962年(昭和37)5月にノックダウン生産1号機を進空させ、1965年(昭和40)には生産販売ライセンスを取得した。各自衛隊でV-107として採用された他、警視庁や民間向けに販売し、日本政府による「武器輸出三原則」が発表されるまで海外への輸出も行った。 自衛隊向けの機体は「しらさぎ」との愛称が付与されたが「バートル」と呼ばれることが多い。
陸上自衛隊
日本で最も多くのV-107 ユーザーとなった陸上自衛隊は、1966年(昭和41)4月5日から1972年(昭和47)にかけて川崎KV-107II-4を41機購入し、同年からはエンジンを石川島播磨のCT58-IHI-140(1,400shp)に換装したKV-107IIA-4を1981年(昭和56)11月12日まで18機購入、上陸・輸送ヘリコプターとして使用した。
陸自の機体はキャビンの床面を補強しローラーコンベアを設置し、電動ウィンチを使って重機材を後部扉から引き込み搭載できるようになっている。また胴体下面には4.5トン対応のカーゴスリングを装備し、重量物の運搬を可能としている。胴体両側には80ガロンの増槽を装備しているが、沖縄県の第101飛行隊に配備された機体は、海自や空自と同様に500ガロンのスポンソンタンクを装備し、一部では機首に気象レーダーを取り付ける工事を行った。また陸自では、民間向けの旅客型に準じた仕様で、胴体側面に角窓が並ぶVIP仕様機のKV-107II-4Aも1機購入している。
陸自の機体は日本航空123便墜落事故にも出動し、生き残った乗客を救出する姿がテレビなどで報道され、有名になった。後継機としてCH-47J/JAが導入されると減数し、KV-107II-4Aは1996年(平成8)4月に退役、KV-107II-4/IIA-4も2002年(平成14)3月25日に全機が退役した。
航空自衛隊
陸自に続くユーザーである航空自衛隊では、S-62J、H-19C救難ヘリコプターの後継として1967年(昭和42)からKV-107II-5を17機導入し、18号機からはエンジン強化型のKV-107IIA-5に切り替えられ、1990年(平成2)までに計52機が納入された。1991年(平成3)からUH-60Jの導入が始まったことから減数に転じ、引退が迫っている。通常は黄色を基調とした救難塗装をしている。
海上自衛隊
海上自衛隊では機雷掃海ヘリコプターとしてKV-107II-3を1963年(昭和38)から9機を導入した。