USIT
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統合的構造化発明思考法(とうごうてきこうぞうかはつめいしこうほう Unified Structured Inventive Thinking(USIT)は技術課題を(革新的・創造的に)解決するアイデアを数多く・網羅的に編み出すための体系的な方法論である。

歴史的に見るとUSITはイスラエルで確立された体系的発明思考法Systematic Inventive Thinking(SIT)の進化版であり、SITはロシアで確立されたTRIZの進化版である。

USITはTRIZのエッセンスを含みつつ、簡単にした方法論なので早く習熟・実践できる。データベースもコンピューターソフトもいらない。

USITの目的は、短時間で多数の問題解決アイデアを生み出すことである。(ここで言う「問題」とは、あらゆる技術分野で日々起きている技術的問題、開発課題を指す。つまり、あらゆる問題に適用可能。) USIT手順に従えば、「問題の本質を見つけ、解決策を多く・網羅的に挙げる」という問題解決の極意を誰でも、速く実行できるようになる。 USITの手順は、言語で考える論理的な左脳と/イメージで考える情緒的な右脳の両方を刺激して、発想を自然に引き出せるように工夫してある。 USITはかつてフォード自動車の研究所内のみの教育プログラムだったが、現在では全世界のフォード技術部門で教えられている。
目次

1 はじめに

2 歴史

3 USITの概説

3.1 1)問題定義

3.2 2)問題分析

3.3 3)解決アイデア出し


4 普及状況

5 もっと詳しく知りたい人のために

6 関連項目

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はじめに

技術者も/科学者も/数学者も/発明家も、誰でも仕事をするからには課題解決をしなければならない。

理工学系の分野は基本的に応用数学者が活躍する(演算的に課題解決する)世界である。しかし“発明”は演算的な考え方だけで生み出すのは難しい。“発明”は凝り固まってない創造的な思考?ひらめきの結果である。“発明”を生み出す方法は手順化が難しいので、いままで学術界はほとんど“発明”の生み出し方の研究に手をつけていなかった。それでも発明の生み出し方に興味を持つ人はいて、ひらめき・発明のマニュアル化が試みられてきた。演算的/非演算的かはともかく、方法論は体系的であるべきだろう。その点、USITは体系的な方法論である。ただし演算的ではない。

※演算的(アルゴリズム的)誰がやっても同じ手順で答えが出ること。もしそうなら、コンピュータに任せられる。例えば足し算・引き算・掛け算・割り算はコンピュータに任せられる。


歴史

1990年代前半にRoni Horowitz博士らがTRIZを簡単にすることを目標として発展させてきた体系的発明思考法Systematic Inventive Thinking(SIT)、最近では改良型体系的発明思考法Advanced Systematic Inventive Thinking(ASIT)として知られている方法論を、1995年にEd Sickafus博士がフォード自動車へ導入した。Sickafus博士はSITを自動車業界の問題解決に合うように改良したのだが、元祖SITへ敬意を表して同じ頭文字SITになるように“体系的発明思考法Structured Inventive Thinking”と初め名づけた。そして1997年にフォード社がテキストを出版したのを機に、Sickafus博士は方法論を「統合的構造化発明思考法」Unified Structured Inventive Thinking(USIT) ? How to Invent へ改名した。

2000年からフォード社はUSITを社外にも広め始めた。今までにアフリカ、アジア、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパの個人、企業、機関に紹介されている。USITの小講座が載っている会報が3ヶ国語(スペイン語、日本語、韓国語)に翻訳されて2007年4月時点で累計43報発行されている。



USITの概説

USITは他の手法(例えば直感的な問題解決アイデア出し手法であるブレーンストーミング)を既に知っている人が学ぶと速やかに身に付き、容易に成果を挙げることができるようになる。USITは要するに、左脳の論理性も/右脳の創造性も両方活用して問題解決アイデア出しをしようという考え方なのである。

USITは問題定義から解決コンセプトの生成・選択まで網羅した普遍的な問題解決方法論なので、技術課題解決に使える考え方であることはもちろん、投資・経営判断をする時にも役立つ万能の考え方である。問題解決アイデアを生み出すには、問題を考えている人の思い込みを外すことが大切なので、USITはそのための工夫を入れている。? 「問題の単純化」である。

USITは首尾一貫して3つの基本要素で構成されている。オブジェクトobject(モノ・物質)、属性attributes(性質・特性)、作用effectsである。作用effectsは有益な効果いわゆる“欲しい機能functions”、または有害な効果いわゆる“欲しくない機能・弊害・故障unwanted effects”の両方を合わせた概念である。

USITは3ステップの構成になっている。1)問題定義2)問題分析3)解決アイデア出し



1)問題定義

問題定義は、繰り返し・繰り返し定義し直すことで、より良いシンプルで本質をとらえた表現になる。

問題定義文は最終的に「オブジェクトと属性と1つの“欲しくない機能”」が盛り込まれた簡潔な表現になる。(逆に言えば、そこまで表現を研ぎ澄まそうと本質追及しなければならない。ここをおろそかにして先へ進んでもロクなことがない。)

問題と関係ない表現を定義文から省く。表現を削ぎ、より抽象化上位概念化した表現にしていく。(問題状況を詳しく説明しようとするのではないことに注意されたい。余計な言葉が入れば入るほど、かえって問題の本質が見えなくなってしまう。「要するに○○がいけない。だから△△すればいい。」と言い切れた時がゴールである。○○が問題の根本原因である。研ぎ澄まされた問題定義文ができた瞬間に良い問題解決策が生まれる。なぜなら、どんな問題であれ、対策手段は 1)根本原因を除去するか 2)根本原因が残っていても不都合ないようにするかの2種類しかないからである。

1)2)いずれにせよ、根本原因が分かっていなければ、打つ対策は全て当てずっぽうである。これでは限りなくサイコロ・ルーレット・パチンコ…等のギャンブル・博打と大差がない。最小限の投資・労力で最大の成果を挙げるには、問題の根本原因を発見し、1)2)それぞれの観点で対策アイデアを出し尽くし、その中から最安値のアイデアを実行するのが必要不可欠なことはお分かり頂けよう。だから問題定義は重要なのである。これを“本質追求”、“メカ追及”、“真因追究”、“なぜ?を5回繰り返せ”、“絵を描いてニュートン力学に基づいて考えろ”と古今東西の色々な人が、様々な表現で重要性を強調している。)

根本原因を発見すると、芋づる式に複数の副次的要因(との関連性)を発見することができる。表現を色々と変えたり/絵を描いたりしていると、自分が過去に見聞きしたことがある異分野や自然界の経験が連想されて、問題定義文を要約する(抽象化・上位概念化・帰納・簡略化・より本質的な表現にする)ことができる。根本原因を発見しようとするこの過程は次の問題分析ステップにも役に立つ。(根本原因・本質を速く発見できない人が成果を次々に挙げることは難しい。長い目で見れば、そういう人が活躍し続けることはありえないだろう。もし対策が当たったとしてもそれは偶然にすぎず、必ず多くの時間とお金を費やしているはずである。これではギャンブラーと同じだということを意識しよう。ギャンブルや株で負けるのも、技術開発で苦労するのも、根本原因は同じ。)



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki