ファースト・アルバムでは、ブラッフォードやホールズワースの持つジャズ・ロック的要素、ジョン・ウェットンの持つハードロック的要素、シンセサイザーやエレクトリック・ヴァイオリンを用いたエディ・ジョブソンのインストゥルメンタル的要素が互いに絡み合い、ジャズとロックの要素がほぼ均等に導入された楽曲とアレンジを聴く事が出来るが、ジョブソン色の強いA面とホールズワース色の強い旧B面で違和感があり、散漫な物となっている。録音も良くないためこのアルバムは賛否両論である。
セカンド・アルバムではブラッフォードやホールズワースがいないせいもあってか、インプロビゼーションの要素は後退し、ウェットンが当初考えていたような、ELPを発展させたような音楽を作り上げている。新加入のテリー・ボジオの超絶技巧的なドラミングなども聴きどころとなっている。
キース・エマーソン的なオルガンなどの伝統的要素を活かしつつも、シーケンサーやモダンなハーモニーを積極的に取り入れて同時代的な個性を築いたが、この時期の音楽シーンはパンクやニュー・ウェイヴといったジャンルが主流であり、1960年代-1970年代のプログレッシブ・ロック的な雰囲気を多く残し、演奏技術を前面に押し出す作風は時代遅れのものとして映った。日本およびヨーロッパでは歓迎されたものの、音楽の最大マーケットであるアメリカやバンドの母国であるイギリスではセールスにつながらなかった。
結果としてバンドは解散するが、このUKの解散を以って、1970年代のプログレッシブ・ロック・ムーブメントの終焉とされる事が多く、これを踏まえた形で、ジョン・ウェットンは1982年に、ポップ性の強いエイジアを結成した。これが商業的に成功した事によって、他のプログレッシブ・ロック系のミュージシャンにも多大な影響があったと言われている。さらに、他のメンバーの作品を考えても、U.K.のサウンドは1980年代にプログレッシブ・ロックがポップ性を強調した形で再生する為の宿命的な通過点であった、という言い方も出来るとされている。
Wakeman, Wetton & Bruford 1976年
リック・ウェイクマン(Rick Wakeman) - keyboard
ジョン・ウェットン(John Wetton) - vocal/bass guitar
ビル・ブラッフォード(Bill Bruford) - drums/percussion
6週間リハーサルを行い“Beelzebub”、“Back To The Beginning”等の曲を演奏。
しかしマネージメントの問題で崩壊。上記の2曲はブラッフォードのソロ・アルバム「Feels Good To Me」で再演された。
第1期 1977年
ジョン・ウェットン(John Wetton) - vocal/bass guitar
ビル・ブラッフォード(Bill Bruford) - drums/percussion
エディー・ジョブソン(Eddie Jobson) - keyboards/violin
第2期 1977年?1978年
ジョン・ウェットン(John Wetton) - vocal/bass guitar/moog pedal bass
ビル・ブラッフォード(Bill Bruford) - drums/percussion
エディー・ジョブソン(Eddie Jobson) - organ/CP-80/CS-80/minimoog/electric violin
アラン・ホールズワース(Allan Holdsworth) - guitar
第1期でリハーサルを続けるがギターの必要性を感じ、ブラッフォードのソロ・アルバムに参加していたホールズワースを迎えた。
1st「UK」録音。
ツアーでは新曲"Caesar's Palace Blues"、"The Only Thing She Needs"、"Carrying No Cross"、"Forever Until Sunday"、"Sahara Of Snow (Part1/Part2)"も演奏する。最後の2曲はインストゥルメンタル曲。一方アルバムB面の曲は演奏されていない。この頃のライブ録音は後年「Concert Classics Vol.4」として(無断で)リリースされた。新曲5曲のうち最初の3曲ではホールズワース、ブラッフォードは精彩を欠いているし、インストゥルメンタル曲ではウェットンの貢献はあまり感じられない。ツアー後、U.K.は第3期U.K.とBRUFORDに分裂。
第3期 1978年?1980年
ジョン・ウェットン(John Wetton) - vocal/bass guitar
エディー・ジョブソン(Eddie Jobson) - organ/synthesizer/piano/electric violin
テリー・ボジオ(Terry Bozzio) - drums/percussion
2nd「Danger Money」録音。
日本公演を収録したライヴアルバム「Night After Night」を制作。公演開始前に「U.K.!U.K.!」というコールを観客にしてもらい、アルバム最後に重ねたほか、ベースやオルガンをダビングしており、純粋なドキュメントとはいえないが、ツアー中に作った新曲を3曲中2曲収録している。その後のアメリカ/カナダツアー中、(バイオリニストとしての)ジョブソン色の強い新曲を2曲披露。バンドはジョブソン独裁体制へシフトしていき、ウェットンとの相性が悪くなり解散へ至る。
第4期 1996年?1998年?
エディー・ジョブソン(Eddie Jobson) - keyboard/violin/vocal
ジョン・ウェットン(John Wetton) - vocal/bass guitar
+
ビル・ブラッフォード(Bill Bruford) - drums/percussion
ロバート・フリップ(Robert Fripp) - guitar
フランシス・ダナリー(Francis Dunnery) - acoustic guitar
トニー・レヴィン(Tony Levin) - Chapman Stick
ブルガリア女声合唱団
3rd「Legacy」を途中まで録音、結局空中分解状態となり未発表。