U-2は高度25,000m以上と成層圏を飛行することができる。旅客機は通常10,000m程度なので、その2倍以上ということになる。外観は誘導抵抗を減らすためのグライダーのような縦横比の大きな主翼形状が特徴で、揚抗比(揚力と抗力の比率)は20以上であり、軽量化と非常に小さな空気抵抗により目的の性能を生み出している。
U-2は軽量化を徹底した末、車輪が胴体前部と後部の2箇所にしかなく、離陸時には翼の両端に地上から離れるときに取れる補助輪をつけ滑走し、着陸時には車がU-2と並走し翼が地面につかないよう指示を出し十分に低速になったところで翼端を地面にすりつけ着陸し、その後補助輪を装着され滑走路から移動を行う。また高高度を飛行中の最大速度と当該高度における失速速度の差はわずか時速18kmであり、もっとも操縦の難しい軍用機とされている。
またその徹底した軽量化は、同時にU-2の弱点も生み出している。後述のU-2撃墜事件では、ソ連軍の放ったS-75 地対空ミサイルが付近で爆発した際の爆風で機体が破壊され、墜落した。これは地対空ミサイルの威力が強かったのではなく機体外壁がとても薄く作られていたため、衝撃波に耐えられなかったためである。
またそれを証明するように、高高度から墜落したにも関わらず、機体は、大破と言うよりは潰されたような形で発見された。軽量で大柄な機体のために空気抵抗が大きくなり、落下速度があまり速くならなかったためである。
もうひとつの特徴として、パイロットは高高度を飛行するため、特殊な与圧スーツを着用する。それはまた高高度で脱出する際になくてはならない装備でもある(このスーツのヘルメットには数個の穴がありそこからチューブ状の食料をヘルメットを脱がずに食事をすることができる)。報道によればこのスーツは宇宙服であり、違いは色と生命維持装置が直接付いているかいないか及び宇宙空間での推進機が無いだけである(週刊『ワールドエアクラフト』より)。
U-2撃墜事件U-2撃墜事件で撃墜された機体の残骸
U-2を語る上でよく出てくる話としてU-2撃墜事件が挙げられる。1956年6月からソ連領空を飛んで偵察を行うようになった。U-2はソ連防空軍のMiG-19Pなどの迎撃戦闘機による邀撃をたびたび受けていたが、1950年代末にSu-9迎撃戦闘機が配備されるまでは、ソ連にはU-2に有効な攻撃を与え得る高度に達することのできる戦闘機は存在しなかった。その一方、ソ連ではU-2を撃墜するために新型の地対空ミサイルも開発していた。1960年5月1日にはソ連領空内にCIA所属のU-2偵察機が領空侵犯をし偵察飛行をしていたところ、S-75地対空ミサイルによる迎撃を受け、U-2はついに撃墜された。パイロットのゲーリー・パワーズは脱出し無事であったがソ連に捕虜として捕らえられ公開裁判にかけられた。パワーズはスパイ飛行を認め有罪となるが、その後アメリカで逮捕されたKGB大佐ルドルフ・アベルとの身柄交換により釈放された。
さらに、U-2偵察機は1962年10月14日にキューバに偵察飛行を行いソ連軍のミサイル発射基地の建設を発見した。(キューバ危機)
当初、空軍は高高度偵察機を各メーカに競争発注する予定だったが、これを察知したロッキード社のスカンクワークス主任、クラレンス・ケリー・ジョンソンが秘密裏に空軍にF-104を改造した偵察機型を提案し、結果として空軍はこの提案に合致するような要求を各メーカに提示した。当然ながらこうした状況ではロッキード社の案が採用となり、これがU-2となった。当時は、ベル社などがX-16などを作成していたが、こうした他社の案は全て不採用となった。
スペック(U-2S)
全長:19.13m
全幅:31.39m
全高:4.88m
最高速度:M0.8
エンジン:GE社製 F118-GE-101 ×1基
推力:8600kg
空虚重量:7250kg
最大離陸重量:18598kg
航続距離:7400km
最高高度:27000m (90000ft)
定員:1人
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表・話・編・歴命名規則改正(呼称統一)以降のアメリカ軍の固定翼機
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