チロシン
一般情報
系統名(S)-2-アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
略号Tyr, Y
分子式C9H11NO3
分子量181.19 g/mol
SMILESOc1ccc(CC(N)C(=O)O)cc1
CAS登録番号[60-18-4]
性質
融点343 °C
溶解性ギ酸に可溶、水に極めて難溶、エタノール・ジエチルエーテルに不溶、希塩酸・希硫酸に可溶
水への溶解度
(g/100 g)0.038 (20 ℃)
0.075 (40 ℃)
0.15 (60 ℃)
pKa2.24
9.04
10.10
等電点5.66
ファンデルワールス体積
密度1.456 g/cm3
味無味
出典
チロシン (tyrosine; タイロシン) はアミノ酸の1つで、側鎖にフェノール部位を持つ。2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸あるいは p-ヒドロキシフェニルアラニンとも呼ばれる。略号は Tyr または Y。
タンパク質を構成するアミノ酸。極性無電荷側鎖アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸に分類される。糖原性・ケト原性を持つ。
チーズから発見されたため、それを意味するギリシャ語の tyros から tyrosine と名付けられた。
ヒドロキシ基の位置が異なる3種類の異性体、パラ-Tyr (p-Tyr)、メタ-Tyr (m-Tyr)、オルト-Tyr (o-Tyr) が存在するが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼによる酵素反応で合成されるのは p-Tyr のみである。他の2つの異性体は酸化的ストレスが高い場合にヒドロキシルラジカルの攻撃によって生成する。 チロシンは酵素チロシンヒドロキシラーゼによってドーパに変換される。
プロテインキナーゼの作用でリン酸基による修飾を受け、ある種の酵素の機能や活性を変化させるため、シグナル伝達で重要な役割を果たしている。リン酸化されたチロシンはフォスフォチロシンと呼ばれる。また、チロシンは甲状腺ホルモンのチロキシン、トリヨードチロニンやメラニン色素、生理活性なカテコールアミンであるドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンの前駆体である。
また、りんごを変色させる原因となる物質としても知られている。
動物ではフェニルアラニンよりフェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ (EC 1.14.16.1) と補酵素テトラヒドロビオプテリン (tetrahydrobiopterin) の作用により合成されるが、これにはフェニルアラニンが豊富に存在する必要がある。フェニルアラニン-4-モノオキシゲナーゼ遺伝子の欠損は、フェニルケトン尿症の原因となっている。EC 1.14.16.1 L-Phe + テトラヒドロビオプテリン + O2 → L-Tyr + 4a-ヒドロキシテトラヒドロビオプテリン
植物や多くの微生物はシキミ酸経路によってプレフェン酸を経て合成を行う。プレフェン酸はヒドロキシ基を残したまま酸化的脱炭酸によって p-ヒドロキシフェニルピルビン酸となる。これがさらにグルタミン酸を窒素源としたアミノ基転移を受け、チロシンが生成する。
関連項目
チラミン
チログロブリン
アルカプトン尿症
チロシン血症
アルビノ
外部リンク
⇒チロシン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
表・話・編・歴タンパク質を構成するアミノ酸
ヒトの必須アミノ酸トリプトファン - リシン - メチオニン - フェニルアラニン - トレオニン - バリン - イソロイシン - ロイシン - ヒスチジン
ヒトの非必須アミノ酸アラニン - アルギニン - アスパラギン - セリン - アスパラギン酸 - システイン - グルタミン - グルタミン酸 - グリシン - プロリン - チロシン
語句アミノ酸の代謝分解 - アミノ酸発酵 - 必須アミノ酸 - ペプチド - コドン - GABA