XPは「経験、体験」を意味するexperienceから由来する[2]。開発時のコードネームはWhistler[2]と呼ばれていた。XP発売以前、Windowsは一般家庭向けにWindows 95等のWindows 9x系が、ビジネス用途向けにWindows NT等のWindows NT系が並行している状態が長らく続いていた。Windows XPでPC用WindowsをNTベースに統合する目標で開発された。XP以前に統合化を試みたWindows 2000をベースに統合化の成功に足りなかった機能も含め開発されている。
この一大変革によってXPはNTの安定性・堅牢性と9x系のマルチメディア機能や使いやすさを併せ持った汎用OSとなった。NTカーネルを採用した一般家庭向けのWindowsはWindows XPが初であり、安定したOSを手軽に入手・利用することができるようになった。
長きに渡って販売されていたが、2008年6月30日をもって超低価格機向けなど一部の用途(後述)を除き、マイクロソフトからの出荷は終了した[3][4]。2008年7月以降の入手方法は、流通在庫品のほかには、後継製品となるWindows VistaのBusinessかUltimateエディションからのダウングレード権[5]を利用する形になった。一部メーカの直販では、この規定を利用して、業務用向けのオプションとして、引き続きXP Professionalを初期インストールしたパソコンが出荷されている。ちょうど、Windows XP初期の頃に、前のバージョンであるWindows 2000との選択インストールを可能にしていた構成と似ている。 しかし、メーカーによるサポートがない場合[6]、Vista搭載機のXPへのダウングレードは、ドライバの調査や入手などかなりの知識を要するため、困難な面が多い。
Windows XPには以下の種類(エディション)がある。読みやすさの関係上、"Windows XP"は省略してある。
Windows XPを代表するEditionで、もっとも普及している。また、これらと同時にさらに付加機能を追加するMicrosoft Plus! for Windows XPも発売された。
Home Edition
主に家庭で使用されることを前提に開発されたエディションである。Windows XPの基礎的な機能が搭載されているが、ビジネス(業務)向けの機能(WindowsドメインやActive Directoryへの参加など)は搭載されていない。1つの物理パッケージCPUのみの対応といくつか拡張性に制限がある。Windows 98、Windows Meからのアップグレードを想定している。アップグレード対象製品はWindows 98、Windows Meのみで、Windows 95とWindows 2000からはアップグレードできない。また、アップグレードインストールした場合に限りアンインストール可能。
Professional
上級ユーザあるいはビジネスでの利用を想定した上位エディション。マルチプロセッサへの対応やドメインへの参加、リモートデスクトップ(ホスト側)、ダイナミックディスクのサポート等に対応するほか、IISやファイルシステム暗号化などセキュリティ保護関連機能も搭載する。Windows NT、Windows 2000からのアップグレードを想定しているが、Windows 98、Windows Meからでもアップグレードは可能。Windows 95からはアップグレード不可能。またWindows 98、Windows Meからアップグレードした場合はアンインストール可能だが、Windows NT、Windows 2000、Windows XP Home Editionからアップグレードした場合はアンインストールできない。なお、Windows Vista BusinessやUltimateからダウングレード権を使ってこのProfessionalを使うことができる。
機能特化されたエディション
Media Center Edition
Professionalの機能をベースにテレビジョン放送やデジタルオーディオ機器などのAV機能を付加したエディション。このエディションのみメディアセンターと呼ばれるテレビ視聴、録画、音楽再生・録音、ビデオ鑑賞、DVD鑑賞などを専門的に行うツールが収録されており、付属する専用リモコンで遠隔操作を行うことが可能である。ただし、Media Center EditionはOEM供給の形でのみ提供されるため、一部のプリインストールパソコンまたは一部のハードウェアとのセット購入(DSP版)でなければ入手できない。Media Center Editionは2004と2005の2種類のバージョンがある。日本の大手PCメーカーはメディアセンターに頼らず独自にAV機能を開発しHome EditionまたはProfessionalを採用することが多いため、あまり普及していない。
Tablet PC Edition
Professionalの機能に加え、ペンタッチ機能を付加させたエディション。このエディションが搭載されたPCには必ず専用のペンが付属する。またタブレット操作を想定したエディションであるため、Windows Journalと呼ばれるツールでメモ書きができたり付箋紙やMicrosoft Office等の一部のアプリケーションの付加機能が利用できる場合もある。Tablet PC Edition (2002)とTablet PC Edition 2005の2種類のバージョンが存在し、2002ユーザはService Pack 2をインストールすることにより2005へとアップグレードが可能。OEM版とDSP版(2005のみ)での提供でパッケージ版は存在しない。
64-bit Itanium Edition
ProfessionalのItanium (IA-64)環境向けエディション。x64 Editionが発売される前の2005年1月4日に販売終了となった。
Professional x64 Edition
x64環境向けエディション。2005年4月23日から販売開始され、OEM版とDSP版のみが提供される。なお、当製品によりAMD64とIntel 64の総称がx64に事実上決まることとなった。x64の特徴であるIA-32向けアプリケーションがそのまま動作するという機構(WOW64)を備えているが一部アプリケーションで動作しないものがある他、ドライバに互換性がないなどIA-32版との間にはいくつかの差異がある。このエディションはまた、Windows Server 2003とコードベースを共通している。
Windows Fundamentals for Legacy PCs
"Eiger"と呼ばれたもので、2006年7月にシンクライアント版のWindows Fundamentals for Legacy PCs (WinFLP)として登場した。比較的旧世代(Pentium世代)のスペックのPCが対象で、新しいハードウェアの導入が難しい環境でXP SP2と同程度のセキュリティ環境を提供する。WinFLPはSoftware Assuarance契約者の特典として提供している。
Embedded
組み込み用途向けエディション。POSシステム、ATM、アーケードゲーム基板、シンクライアントなどに使われているほか、大手メーカー製PCでTV視聴録画専用モードのOSとして採用されている例もある。
市場限定
Starter Edition
発展途上国向けのエディション。対象国は国民所得が故に海賊版が横行しており、その対策として廉価で提供されている。同時に開けるウィンドウ数が3つまでであることや画面解像度がSVGAまで、ネットワーク共有機能の制限やマルチアカウントが使用できない等の大幅な制限が加えられている。Home Editionなどへのステップアップは提供されていない。ポルトガル語(ブラジル)、マレーシア語、インドネシア語、タイ語などの言語版をはじめ複数のローカライズ版がリリースされている。