従来のWindowsにはない新機能が多数搭載され、これまでのWindowsOSとはかなり異なる印象を受ける。また、XPまで存在した「マイ コンピュータ」や「マイ ドキュメント」などの伝統的なフォルダの名称から「マイ」が外れ、単に「コンピュータ」や「ドキュメント」と呼ばれるだけとなった。
ユーザインタフェース
Windows Aero(ウィンドウズ エアロ)
Home premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。Windows XPのLunaに替わる新しいUI。3Dグラフィックを使用し、透過ウィンドウ、フリップ3Dなどの視覚効果が可能(詳細は視覚スタイルの節を参照のこと)。
シェル
全エディションに搭載。スタートメニューが整理され、表示方法やフォルダウィンドウの操作性などが変更された。これにより、一つのアイコンを探すのに微妙なマウスの動きが必要になる一方、マウスの移動距離そのものは若干だが少なくて済むようになった。このため、微妙なマウスの動きが得意なユーザにとっては、従来バージョンに比べて少しだけだが使いやすくなったと考えることができる。タスクバーの内容がサムネイル表示できるようになった(ウインドウプレビュー機能)。これによりフォルダの中身を表示したり、アイコンの大きさを自由に変更できるようになったため、ファイルやその内容の確認がしやすくなり可視性が向上した。
音声認識
全エディションに搭載。音声認識技術の向上によって音声での文字入力および音声でのパソコンの操作が可能である。
タブレット機能
Home premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。Windows XP Tablet PC Editionから受け継いだ機能。ペンタブレットやタブレットPCで動作する。ペンの動きで簡単な操作を行う「フリック」が追加された。
日本語環境の充実
全エディションに搭載。新デザインの日本語フォント「メイリオ」が搭載され、JIS漢字コードのJIS X 0213:2004(JIS2004)に対応した。
搭載フォントセットについて
Windows Vistaの以前の標準フォントセット(MS ゴシック類3種、MS 明朝類2種、Windows Vistaでは加えてメイリオの計6種)にも変更が加えられた。標準フォントセットにJIS X 0221:2001の文字集合とJIS X 0213:2004の追加文字が採用され、字形も旧来のJIS X 0208:1990から、前記の文字集合・追加文字の2つを合わせたJIS X 0213:2004に変更された。
セキュリティ
Microsoft Update
全エディションに搭載。Windows XP以前で採用されていたWebベースでのMicrosoft Updateが廃止され、コントロールパネルを利用するようになった。それに付随し、以前と比較して検索動作が速く、UIも使いやすくなった。
ユーザーアカウント制御 (UAC)
全エディションに搭載。Vistaでは管理者アカウントであっても通常はユーザー権限で動作し、管理者権限が必要なときにダイアログでその確認を求めるようになった。これにより、システムに変更を与えるプログラムの動作の可否を確認する手順を設ける事ができるため、システムに重大な影響のある操作を不用意に行ってしまうということを防止できる。ユーザーアカウント制御は、ほかの管理者ではない標準ユーザーがログインした状態で管理者のパスワードを入力すると再起動の必要なくその場で管理者の権限を得ることができるため、標準ユーザーからでもソフトウェアなどをインストールすることができるようになった。Windows XPなどUACのないバージョンからアップグレードされたVista環境では、旧環境でインストールされたアプリケーションの動作互換性のために、UACが一部緩和されている。このため、クリーンインストールした環境とアップデートした環境とで、同じVistaでありながらアプリケーションの挙動が異なるといった事態が起きている。
Internet Explorer 7 の保護モード
全エディションに搭載。UACの関連機能の一つ。信頼済みサイトに登録されていないサイトを閲覧する場合、ステータスバーに「保護モード:有効」と表示され悪意あるプラグインなどからコンピュータ内のファイルなどを操作されることを防いでいる。なお、副作用として保護モードで閲覧中はIMEのプロパティ変更や、辞書登録などが行えず、既に辞書登録済みの単語が変換候補に出ない。共有プリンタから印刷ができない。等の問題が起きている。なおこの機能は上記UACに依存するため、Vistaで動作するIE7にのみあり、UACのない Windows XPやWindows Server 2003用のIE7にはない。
Windows リソース保護
全エディションに搭載。WRPで保護されたファイルは、削除や変更が出来なくなっている。これにより、システムファイルを削除したり改変するような操作の過失や、悪意あるアプリケーションから守られている。この機能は上記UACとは独立して動作しており、たとえ管理者権限を有していたとしても削除や変更が行えない。なお、Windows Updateが行う変更については例外的に許可されている。
Windows Defender
全エディションに搭載。スパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除するアプリケーション。ほかにも、スタートアップアプリケーションの管理やアプリケーションが行った不正な変更の監視なども行うことができる。ちなみに、Windows Defenderのスパイウェア定義ファイルは定期的に自動で最新版に更新される。
保護者による子供のパソコン利用規制機能
全エディションに搭載。いわゆる一部のゲームやアプリケーションの起動、インターネットにおける特定のコンテンツの閲覧を制限させる機能。
ドライブの暗号化
Enterprise、Ultimateに搭載。Windows XPまでに搭載されている暗号化ファイルシステムに加え、TPMもしくはUSBメモリと組み合わせて用いるBitLockerと呼ばれる暗号化機能が搭載される(Enterprise、Ultimateのみ)。
サービスとドライバのSession 0 分離
全エディションに搭載。Vistaでは、以前のOSとは異なりサービスやドライバの動作するセッションと、フロントエンドのアプリケーションが動作するセッションが切り離された。これにより、ユーザーが実行した(もしくは、知らずに実行してしまった)悪意あるアプリケーションから実行中のサービスやドライバへ介入する手段が制限された。
システムおよび環境
.NET Framework 3.0
全エディションに搭載。アプリケーション製作環境の新しいバージョン。マイクロソフトの説明によると、この規格で3Dを活用したソフトウェアなどがより簡単に製作できるとしている。
Windows SuperFetch
全エディションに搭載。ユーザーのアプリケーション利用パターンに基づいて必要なデータをメモリ上にキャッシュし、アプリケーションの起動や切り替えの時間を短縮する技術である。
Windows ReadyBoot
全エディションに搭載。Vistaの起動時のブートプロセスを学習し、そのシステムで最適化された起動のパフォーマンスを向上させる機能。メモリが512MB未満のシステムの場合はWindows XP相当のプリフェッチ行い、システムに 700 MB 以上のメモリが搭載されている場合は、メインメモリのキャッシュを利用してブートプロセスを最適化する。過去5回のトレース情報を元に、CPUの空き時間を利用し、次回のキャッシュ計画を生成する。
Windows ReadyBoost
全エディションに搭載。フラッシュメモリの記憶領域をキャッシュメモリとして使用し、総合的なパフォーマンスを向上させる。