別製品であったMS-DOSとWindowsを統合し、使いやすさと性能を向上させたコンシューマ向けオペレーティングシステムであり、次のような機能が特徴である。
グラフィカルユーザインタフェース (GUI) の改善
ネットワーク機能の充実
Win32 API
ファイルI/Oの改善
長いファイル名
プラグアンドプレイ
MS-DOSや以前のバージョンのWindowsとの互換性
ただし、上記の機能の中にはWindows for Workgroup 3.11やWindows NT 3.51で既に実装されていたものもある。
アップルコンピュータとのGUI絡みの裁判が決着したことを背景に、タスクバーやスタートメニュー、マウスの右ボタンのクリックで表示される内容の一覧から希望する処理を選択するといったユーザーインターフェースなど、UIデザインの大幅な刷新が図られた。特に、従来のWindowsではアプリケーションランチャ、タスクマネージャとしてしか機能していなかったデスクトップを一般的なディレクトリ(フォルダ)のひとつとしたことで、他のディレクトリとシームレスにファイルを移動できるようになった点が革新的であった。これにより、Windowsにおいても真の意味でのデスクトップメタファーが達成された。
完成度の高かったこのGUIはその後ほとんど変更を加えられておらず、Windows XPやWindows VistaのクラシックモードにおいてWindows 95とほとんど同一のデザインが採用されている。
ビジネス分野でのLANの普及に対応し、ネットワーク設定の容易化を進めた。特に日本ではネットワーク機能付きのWindows for Workgroup 3.11が販売されず、代替としてWindows NT Workstation 3.5が他国の販売価格と比較して安価に提供されており先進的なユーザがその導入を行っていたが、ごく一部の動きに留まっていた。そのためもあり、Windows 95は大きな期待を集めた。当初の戦略としては、LANはNetBEUIまたはIPX/SPX、WANはMSNを利用すると位置付けていたが、前年の1994年ごろより、インターネットでWWWの普及に弾みが付き始めたのに対応して、インターネットに必要な通信プロトコルのTCP/IPを選択することもできた。次の組込み版バージョンではTCP/IPが初期状態で選択されており、Windows 95を使えばインターネットに接続できるというイメージ戦略も成功し人気に拍車をかけることになった。
Win32 APIが提供され、高速な32ビットコードによるプログラムをWindows上で使用可能になった。ただし、Windows 95で実装されたWin32 API(かつてはWin32cと呼ばれていた)は、Windows NTで実装されていたものと完全な互換性はなく、Windows 3.1で実装されていたもの (Win32s) とも異なるものであった。
ファイルI/Oを32ビットプロテクトモードで行い、MS-DOSのファイルI/O機能を使用せずにファイルI/Oを行えるようになった。これにより、MS-DOSのファイルI/O機能を使用していた以前のバージョンのWindowsより、ファイルI/Oの性能が向上した。
なお、スワップファイルへのアクセスに限っては、Windows 3.1の段階で既に32ビットI/Oを実現していた。
ファイルシステムであるFATを拡張し、VFATとしてWindows 3.1では不可能であった長いファイル名(最大255バイト)が利用可能になった。
プラグアンドプレイによる周辺機器の容易な増設など、分かりやすさを狙った設計となっていた。そのため、それまで専門的な知識を必要としたパソコンは、誰でも手軽に使えるものになったと謳われた。
インターネットを使ってソフトの修正モジュールが配布されるようになったのも大きな特徴であった(初期版は特に修正モジュールが多かった)。
ゲームはWindows 3.1にもあったマインスイーパ・ソリティアのほか、新たに(Win32sの付属サンプルでもあった)フリーセル・ハーツと、ホバーが付属する(なお、ホバーはその後のWindowsには付属していない)。また、マルチメディア機能が強化され、後にDirectXが提供された。
DOSプロンプトから複数のDOSアプリケーションを同時に実行できるだけでなく、Windows 95を終了せずにリアルモードのMS-DOSを実行できた。Win16アプリケーションも実行でき、その場合は以前のバージョンのWindowsと同様の動作であった。VFATによる長いファイル名、ファイルの拡張子によるアプリケーションの関連付けは、不完全ながら下方互換性があり、Windows 95のファイルシステムをMS-DOSからアクセスできた。また、プロテクトモードのドライバを持たないデバイスを、リアルモードのドライバを使用してWindows 95よりアクセスできた。
Windows 95のパッケージ内容はMS-DOS 7.0/7.1とWindows 4.0のセットであり、MS-DOS 7.xを単独で起動したり、Windows 3.1以前と同様にMS-DOS用のメニューソフト(ランチャーソフト)やコマンドラインからWindows 4.0を起動することも可能である。また、PC-9801シリーズにおいては、MOディスクへのインストール及びMOディスクからの起動が可能であり、ハードディスクを持たないWindowsマシンを構築することが可能である(PC/AT互換機及び、Windows 98以降では不可能)。
ちなみに、Windows 95のコンピュータの終了時のサウンド曲は、Windows 3.1以前のコンピュータの起動時のサウンド曲と同じ曲が使用されている。
1995年8月25日、英語版が12ヶ国で先行して発売され、日本語のベータ版もリリースされていたことから日本でもある程度の情報が広まっていたが、日本語版の発売された1995年11月23日(祝日(勤労感謝の日))の秋葉原などでは、深夜11月23日になった瞬間に販売を始める店が多く、業界関係者や、報道陣を中心に、一種のお祭り騒ぎの様相を呈した。この様子はテレビなどで報道され、売り上げに貢献した。なお、その後のWindowsの新バージョンの発売開始日はWindows 95の時ほどの賑わいは起こっていない。