M240_(機関銃)
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概要

M240の制式名はシリーズ全体を識別するために割り振られている。しかし、この他にも特殊モデルや同軸機銃モデルが存在する。多数の派生形が運用に就いているが、大まかには次のように分類される。

M240 - 1977年に陸軍が戦車の同軸機銃として採用した。このバージョンはFN MAGの改修型であり、それまでのM60E2やM219などの従来の同軸機銃(MG3AA-52の同軸機銃バージョンも含む)を置き換えた。1980年代にはM1エイブラムス戦車の同軸機銃として採用された。


M240E1 - 1980年代に海兵隊が装甲車搭載機銃として採用した。


M240G - 1994年に海兵隊が採用し始めたバージョンで、歩兵が携行する他、車輌搭載用としても採用された。


M240B - 1991年から陸軍が地上戦用として配備し始めたバージョン。反動吸収バッファと前部過熱ガード(熱シールド)を装備している。他の軽機関銃を置き換えるために採用された。

すべてのモデルは、射撃直後に自動分解する金属製ベルトリンクM13により7.62mm NATO弾(通常弾、曳光弾徹甲弾など)を給弾する方式となっている。これらの派生形は全て機関部が共通となっており、重要パーツすら他のモデルやNATO加盟国のFN MAG(またはその派生形)と交換が可能になっている。これらのモデルとM240の主要な相違点は、重量と若干の特徴(反動吸収バッファなど)である。製造は、武器に関して長い歴史を持つFN社の、アメリカ子会社で行われている。


歴史と設計対潜ヘリ飛行隊HS-8のSH-60F シーホーク搭載M240Dで射撃訓練を行う海軍の兵士 (2003年)

M240はアメリカ軍のための汎用機関銃として選ばれ、サウスカロライナ州コロンビアにあるFN Manufacturingで製造されている。異なる役割のために多数の派生形が運用されているが、特に戦車の同軸機銃として使われているM60が、減耗して使用できなくなり次第、順次M240に交換されていった。

M240はベルト給弾式・ガス直圧式・空冷式・ヘッドスペース固定式の機関銃である。用途により二脚、またはM122A1三脚で運用されるか、あるいは車輌の同軸機銃・搭載機銃、ヘリコプター用のドアガン、舟艇用の搭載機銃として使用される。しかしながら、未だにM60が車輌搭載機銃・ヘリコプター用ドアガンとして残っている。

前述の通り、1977年に陸軍により戦車の同軸機銃として初めて使用され、以来ゆるやかに1980年代から1990年代にかけて各種用途に採用されてきた。以後、陸軍と海兵隊の歩兵部隊のために汎用機関銃として採用され、これらの実績がさらに用途を広げることとなった。どのような用途に対しても、機関部の基本的な機構は同一であるため、従来の各種機関銃、特にM60に比べてメンテナンスや部品交換に融通が利くこともこの傾向を後押しした。M240はM60よりはるかに複雑なガス反動システムを持つが、より少ないメンテナンス間隔でより高い信頼性を確保している。

他の機関銃と比較して重いこともあり、動作不良発生平均間隔弾数 MRBF (Mean Rounds Between Failure) が26,000発と、古い設計の重機関銃と同程度の信頼性があると実証されている。

M240とM60、およびいくつかのM249 MINIMIは、開発中の新軽機関銃 (JSSAP/PMSW) に置き換えられる予定である。同様にFN社の製品であるSOCOM用途の新7.62mm機関銃 Mk 48 Mod 0(M249を大口径にして全体を小型にした派生形、 ⇒en)は、2006年から特殊部隊で採用され始めている。


初期の歴史


試験と派生

M240の採用にあたっては、1960年代後期から1970年代初期にわたって検討された7.62mm同軸機銃(およびM85 50口径 (12.7mm) 同軸機銃)更新プロジェクトが発端となっている。この計画は1980年代から運用する同軸機銃を選定することが主目的であったが、同時に歩兵用途・車輌搭載用途としても転用できるように考慮したものであった。さらに1990年代から2000年代にかけて、別の用途にも応用できるように見越してあった。

この計画が進行している間、1970年代に陸軍は装甲車・車輌搭載用の新しい7.62mm機関銃を探していた。1950年代のM73はトラブルが多く、これを元に開発されたM73E1・M219(注:MINIMIはM249)は大して改善されなかった。このため、他国のいくつかの機関銃を採用することも検討され、最終的にはM60E2とFN MAGに絞られた。M219を含め、これらは大規模な射撃試験にかけられた。

採用経緯から、特に二つの重要な要因が重点的に試験された。

射撃停止発生平均間隔弾数 MRBS (Mean Rounds Between Stoppages、数分以内に解決するジャム)

動作不良発生平均間隔弾数 MRBF (Mean Rounds Between Failure、例えば部品の破損)

この試験の評価結果は下記の通り。

形式発射弾数MRBSMRBF
FN MAG 5850,0002,9626,442
M60E250,0008461,669
M21919,0002151,090
基準最低値 8502,675
要求最低値 1,7505,500

注意すべき点は、このリザルトは1970年代に製造されたものの試験結果であるということである。M240自体もFN MAGに対して幾分かの改良を施され、M60E2も同軸機銃版に特化された。M60の性能は派生形により異なり、改良された派生形、例えばM60E4やM60Cでは結果が異なることが予想される。

テストの結果、FN MAGのみが完全に要求を満たし、満足できる結果を出して陸軍のコンペに勝利し、1977年に「M240」と制式化された。1980年代の間に同軸機銃と車輌搭載用機銃を置き換えた。後に歩兵部隊用にM240B・M240Gとして採用された。1991年から陸軍の作戦で運用され、また海兵隊においては摩耗したM60E3を置き換えるために配備された。ただし、必ずしもM60のすべての用途をM240が置き換えるという訳ではない。


派生形

M240の元となった7.62mm NATO弾使用のFN MAGは、MAG 58などの異名を持つ。アメリカで製造されたM240とその派生形はMAG 58と基本的に同じ性能を持ち、内部機構も同一であるため、NATO加盟国間で消耗品や交換部品を相互に使うことができる。これは、訓練・兵站・戦術的な融通・共同作戦を行うにあたって重要な利点となる。例えば、車輌が攻撃を受けるか行動不能に陥り、車輌を放棄せざるを得なくなった場合、持ち運んで使用することができるように、車輌にM240Bの予備の銃床二脚を搭載しておくといったことが可能となる。


M240

1977年に基本型として陸軍により採用された同軸機銃で、1980年代を通してM73・M219 7.62mm同軸機銃とM85 12.7mm同軸機銃を置き換えた。海兵隊はまずM240やM240E1をLAV-25装甲車の同軸機銃として搭載した。同軸機銃・搭載機銃用の派生モデルにM240Cがある。


M240E4 / M240BイラクでM240Bを連射する海軍建設大隊の兵士(2004年4月)

M240Bは陸軍における標準的な中量級機関銃であり、地上戦に使用される。しばしば「240ブラボー 240 Bravo」と呼ばれる。

旧式のM60を置き換えるため、1991年に行われた陸軍の新歩兵部隊用機関銃コンペにおいて、M60E4 (海軍名 Mk 43) と競い、1991年にM240Bとして制式採用された。このことは、1,000挺近い既存のM240基本型を、オーバーホールを行った上で地上戦用改修キット(銃床ピカティニー・レール含む)を取り付けるためにFN社に送ることに結びついた。このことは、1990年後半に新しいM240Bを調達する契約に結びついた。ただし、後期に調達されたものは、M60にも採り入れ居られた油圧式反動バッファの取り付けが行われている。M240Bは信頼性においてM60を凌駕したが、M60E4よりも2.5kg重いため、前述の通り新しい軽量機関銃が計画されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki