H-IIAロケット
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ラインナップの変遷

H-IIAロケットには、当初の計画では現在とは若干異なる4つのラインナップ(H2A202型/H2A2022型/H2A2024型/H2A212型)と、将来発展型としてH2A222型が存在した。標準型のH2A202/2022/2024は人工衛星打ち上げ用として、増強型のH2A212型はHTV打ち上げ用に使用される予定であった。しかし、このうちH2A212型は開発途中でキャンセルされ、将来発展型とされていたH2A222型においては机上プランのみに終わった。

H2A212型の開発中止の理由は、世界でも稀な左右非対称型ロケットであり、その制御に困難が予想されるためであった。

H2A222型においては、メインエンジンのLE-7Aを5基も使用する大規模なクラスタロケットであり、各エンジンの出力などの精密な制御が困難であるということ、高価で実績のないLE-7Aエンジンを多数使用する事になり、製造費用と信頼性確保において難があったため、実際の開発が行われる事はなかった。

これらの問題点に加え、最も大きかったのはH-IIロケットの相次ぐ失敗に伴う、開発リソースの「選択と集中」であった。安価で信頼性向上を目指したH-IIAロケットの早期立ち上げのため、製造済みであったH-IIロケット7号機の打ち上げはキャンセルされ、H-IIAロケットの標準型である20xx型の開発のみに注力した。

当初、静止トランスファ軌道に7.5tの打ち上げ能力を持つH2A212型を前提として開発が進められていた5.8tの衛星ETS-VIII(きく8号)は、そのままでは打ち上げられるロケットが無いため、SRB-Aを4本配し静止トランスファ軌道6t級の能力を持つH2A204型が新たに開発された。

HTV打ち上げ用には、H2A212型に代わって、技術的・コスト的な課題を出来るだけ抑えるため、標準型からの変更箇所がより少ないH-IIA+ロケットの構想が提案された。 ⇒[3] 1段目機体の直径を4mから5.2mに拡張してメインエンジンのLE-7Aを2台配し、その周りにSRB-Aを4基装着されている。H2A212型と比べ、静止トランスファ軌道投入能力が7.5tから8tへ、HTV打ち上げ能力が15tから16.5tへと向上するとされる。これにより、HTVによる国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送回数を減らして打ち上げコストを削減する事ができるとされる。この構想は、H-IIBロケットへと名前を変えて、2005年秋に開発フェーズへと移行した。

H-IIAロケットは2007年度から民間企業である三菱重工へ移管された。三菱重工では生産ラインをシンプルにするため、SSBを使用するH2A2022型・H2A2024型の廃止を予定している。これにより、H-IIAロケットのラインアップはH2A202型とH2A204型の2つに集約される事になる。


打ち上げ実績

全て種子島宇宙センターから打上げ。


衛星打ち上げ実績

衛星打ち上げ実績一覧機体番号
(型式)打上げ日時
(日本時間)衛星軌道備考
試験機
1号機
H2A202型2001年8月29日
16時00分VEP-2GTOロケット性能確認用ペイロード2型
LREGTOレーザ測距装置
試験機
2号機
H2A2024型2002年2月4日
11時45分つばさ
(MDS-1)GTO民生部品・コンポーネント実証衛星
民生部品の放射線被曝特性試験のため、ヴァン・アレン帯を通過するGTO(軌道傾斜角約 28.5 度)に投入。
DASHGTO高速再突入実験機
ISAS委託。ロケット側は分離コマンドを発行したが、衛星の製作ミスで分離機構が不動作、2段目からの分離に失敗。
VEP-3ロケット性能確認用ペイロード3型
3号機
H2A2024型2002年9月10日
17時20分こだま
(DRTS)GTO
GSOデータ中継技術衛星
USERS宇宙機
(USERS)LEO次世代型無人宇宙実験システム
財団法人無人宇宙実験システム研究開発機構から委託。
4号機
H2A202型2002年12月14日
10時31分みどり2号
(ADEOS-II)SSO環境観測技術衛星II型
FedSatSSOオーストラリア小型衛星
観太くん
(WEOS)SSO鯨生態観測衛星
マイクロラブサット
(μ-LabSat)SSO小型衛星技術の研究開発のため旧NASDA技術研究本部の開発した小型衛星
5号機
H2A2024型2003年3月28日
10時27分IGS-1ALEO情報収集衛星1号A レーダー衛星
IGS-1BLEO情報収集衛星1号B 光学衛星
6号機
H2A2024型2003年11月29日
13時33分IGS-2A失敗情報収集衛星2号A レーダー衛星
情報収集衛星2号B 光学衛星
MTSAT-1Rを搭載する予定だったが、衛星製作の遅延で延期され、代替で情報収集衛星2号を搭載。
SRB-A1本が燃焼後分離されず予定速度が得られなかった為、衛星軌道投入が不可能と判断、空中で指令破壊。
IGS-2B失敗
7号機
H2A2022型2005年2月26日
18時25分ひまわり6号
(MTSAT-1R)GTO
→GSO運輸多目的衛星新1号
RSC打ち上げサービス
打ち上げ約40分後に衛星分離に成功。
8号機
H2A2022型2006年1月24日
10時33分だいち
(ALOS)SSO陸域観測技術衛星
打ち上げ16分30秒後に衛星分離に成功。
9号機
H2A2024型2006年2月18日
15時27分ひまわり7号
(MTSAT-2)GTO
→GSO運輸多目的衛星新2号
RSC打ち上げサービス
打ち上げ28分11秒後に衛星分離に成功。
1か月間に2回の大型ロケット打ち上げに成功したのは日本の宇宙開発史上初。
10号機
H2A202型2006年9月11日
13時35分K2LEO情報収集衛星光学2号機
打ち上げ約16分後に衛星分離に成功。
6号機で打ち上げに失敗したIGS-2Bの代替機。
安全保障上の理由で、詳しい軌道要素は公開されていない。
11号機
H2A204型2006年12月18日
15時32分きく8号
(ETS-VIII)GTO
→GSO技術試験衛星
打ち上げ約28分後に衛星分離に成功。
12号機
H2A2024型2007年2月24日
13時41分R2LEO情報収集衛星レーダー2号機 および
情報収集衛星光学3号実証機
打ち上げ23分後までに予定通り衛星を分離。
J1LEO
13号機
H2A2022型2007年9月14日
10時31分01秒かぐや
(SELENE)月遷移
→月周回月周回衛星
打ち上げ約45分後に衛星分離に成功。
14号機
H2A2024型2008年2月23日


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki