CAS登録番号(CASとうろくばんごう、CAS 番号、CASナンバーとも)とは、化学物質を特定するための番号(最大10桁)である。 英語では "CAS RN" と略されることが多い。
アメリカ化学会が発行している Chemical Abstracts 誌で使用される化合物番号で、同学会の下部組織 ⇒Chemical Abstracts Service (CAS) は同誌を初め各種検索サービスと CAS レジストリへの登録業務を行っている。日本国においては、 ⇒社団法人化学情報協会が CAS の代理店業務を行っており、CAS 登録番号取得の取次ぎも行っている。
CAS レジストリに登録されるのは
有機化合物
無機化合物
金属
合金
鉱物
錯体化合物
有機金属化合物
元素
同位体
核子
たんぱく質と核酸
重合体
構造を持たない素材 (Nonstructurable materials, UVCBs)
であり、1日あたり約14,000の登録がある。現時点での登録数は CAS の Web サイトで公開されている(2008年3月時点で34,000,000余の無機および有機化合物と60,000,000弱の遺伝子配列が登録されている)。
Chemical Abstracts 誌は1907年から収録を開始し、現在では全世界が発行している40,000誌以上の学術雑誌、特許、学会議事録などの文書を要約している。したがって CAS レジストリは化学物質 ID のデファクトスタンダードになっており、化合物の各種申請に際して CAS 登録番号の提示が求められることが多い。
CAS 登録番号はハイフンにより3つの部分に分けられる。左は6桁以下の数値、中央は2桁の数値、右は1桁の数値でチェックディジットになっている。
その特徴は
重複割り当てのない ID 番号である。
1つの物質に対して1つだけ割り当てられる。
構造や物性などとは関連付けることなく割り当てられる(番号に化学的な意味は持たせていない)。
1つの物質に対し1つの番号が割り当ててあるため、複数の別称を持つ物質の情報もこの番号を使用して容易に探し出せる。
異性体は異なる物質なので、CAS 登録番号の割り当ても異なる(例えばD-グルコースは50-99-7、L-グルコースは921-60-8である)。まれに、分子の種類全体に対して1つの CAS 登録番号が割り当てられることもある(全てのアルコール脱水素酵素は9031-72-5である)。
チェックディジットの計算式は次のとおりである。
CAS 登録番号が N8N7N6N5N4N3-N2N1-R (R, Ni は各桁の0〜9の数字、桁が存在しない場合は0とみなす)の場合、R = (8 × N8 + 7 × N7 + 6 × N6 + 5 × N5 + 4 × N4 + 3 × N3 + 2 × N2 + N1) mod 10
で求められる。 たとえば、水の CAS 登録番号は 7732-18-5 なので、6 × 7 + 5 × 7 + 4 × 3 + 3 × 2 + 2 × 1 + 8) = 105105 mod 10 = 5 (105 = 10 × 10 + 5)
でチェックディジットは5になる。
関連項目
NIST
出典・外部リンク
⇒CAS Registry Overview(英語)
⇒CAS Registry Number and Substance Counts(英語)
⇒ChemExper (英語)
⇒ChemFinder(英語)
⇒NIST Chemistry Web Book(英語)
⇒有機化合物スペクトルデータベースSDBS
⇒社団法人 化学情報協会
カテゴリ: 化学データベース
更新日時:2008年6月28日(土)09:39
取得日時:2008/07/26 04:57