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BSE問題(びーえすいーもんだい)とは、2000年代の初頭に発生した、BSE(牛海綿状脳症)に関する一連の出来事、事件、またそれらのメディア報道によって発生した社会問題である。牛海綿状脳症をめぐる畜産業(食肉産業)や外食産業にくわえ、一般生活者を巻き込んだ社会現象となった。本項では主に、これらにまつわる社会動向を記述する。
「BSE」(牛海綿状脳症、Bovine Spongiform Encephalopathy)は、俗に「狂牛病」(mad cow disease)と呼ばれることもある。ウィキニュースに関連記事があります。
⇒アメリカ産牛肉から危険部位混入、再び禁輸処置に
目次
1 概要
2 日本のBSE問題
2.1 推移
3 米国のBSE問題
3.1 1例目
3.1.1 発端(BSE発生の疑い)
3.1.2 BSEの発生確定
3.2 2例目
4 諸外国BSE発生状況
5 略年表
6 BSE関連リスク評価基準
7 米国の代替輸出国
8 脚注
9 外部リンク
10 関連項目
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BSEは、TSEの[1]一種で牛に見られる疫病である。イギリスで初めて特定され、のべ160件弱の発症報告がなされた。
当初イギリス政府は牛肉との因果関係を否定していたが、後にメディア報道の活発化にともない、牛由来の物質がもっとも疑わしい旨を表明した。メディアはイギリス政府のこうした対応の不備をしばしば大きく報道した。
イギリス政府は、30ヶ月以上の牛をすべて食用から除去するという政策を施行し、370万頭の焼却処分を余儀なくされた。2000年のEUによるBSEのテストキットの認証を待ち、同月齢以上の検査サンプル数を大幅に増やして行った検査の結果、のべ178,000頭のBSEが発見された。 同時にイギリス政府は、食品安全機関を組織し、正しい知識の発信と生活者の啓蒙、そしてメディアに対しては理性的な報道を要請し続けた。
現在のところ、特定危険部位のフードチェーンからの除外が効を奏し、BSEの発見数が減少している。 しかし、潜伏期間が長いBSEは発見から感染経路特定が困難である事もあり長期の監視が必要であると医療現場とプリオン病専門科学者からの声は強い。
同病は主に牛などの偶蹄目の家畜を肥育するために使用される肉骨粉が異常プリオンというタンパク質に汚染されているために水平感染する事が予想されている。同様の異常プリオンによって引き起こされるヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病との関連性も指摘されており、食肉への異常プリオン混入が警戒されている。しかし、日本での疫学的調査によると、肉骨粉が原因説を積極的に支持する証拠はほとんど認められない。むしろ、ホルスタインに代表される乳牛用に専ら与えられる代用乳に原因があることを示唆する調査結果が出てきている。これは、内閣府の食品安全委員会でも発表されている調査結果であるが、肉骨粉原因説が主流である同委員会では軽視されている。
食肉への異常プリオン混入に関しては、動物実験(通常は、遺伝子操作によって感染しやすくなったネズミを使う感染確認実験)によって感染性が認められるほどに異常プリオンが蓄積した部位、すなわち特定危険部位を除去することによって防ぐことができる。
なお同問題は主に牛肉に関してのみクローズアップされる傾向が在るが、羊のスクレイピーや脳外科手術に利用されるヒト乾燥硬膜の異常プリオン汚染といった問題もある。特に異常プリオンが相応の高温・高圧でないと変化しない(通常の調理方法では無害化できない・焼却処分かオートクレーブで高温高圧処理を必要とする)ため、的確な特定危険部位の除去が望まれる。なお、アルツハイマー病もβアミロイドというタンパク質の脳細胞への沈着が原因であるという説が有力である。加齢に平行して脳細胞に沈着を増すタンパク質が認められるという点などで類似している。
政府の不適切な対応を批判し食品の安全を守ろうとするメディアによって、欧州やアジアでは恐ろしさに対する認識が社会的に根付いている。しかし、生産者の政治力が強い国では、感染リスクの低い人畜共通疫病の一つであるという見方が広められている。 現在、異常プリオンが人体に吸収されるメカニズムや体内を血液を利用して循環するメカニズムなどを示唆する研究結果が発表されている。また、異常プリオンは、ウィルス様の感染性を示すことが発表されたりと、TSEのメカニズムが確実に明らかになってきている。また、TSEについては、人から人への2次感染が懸念され長い監視が必要とされているが、異常プリオンを血液から除去する方法が示されるなど、研究が進んでいる。
2001年9月10日に千葉県で BSE の疑いがある牛が発見されたと農水省が発表。10月に食用牛の全頭検査が導入されるなどの対応がされたが、翌年、雪印食品の産地を偽装した事件が混乱に輪をかけためもあって、牛肉を扱う一部の食品・飲食店業者・外食産業企業などに大きな打撃を与え深刻な社会問題となった。
日本での BSE の発生は、2001年9月21日に千葉県の牛について確認され、その後北海道(同年11月21日確認)から神奈川県(2004年2月21日)、熊本県(2004年9月13日)といった地域で確認されている。 また、全日空、日本航空など航空会社の機内サービスでも、この時は「ビーフコンソメスープ」のサービスが中止されたほどであった。