Altair_8800
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アーキテクチャ

標準構成(最小構成)では、CPUはインテル8080(2MHz)、メモリはわずか256バイトであった。 また、拡張バスとしてAltaur bus(S-100バス)を搭載していた。

フロントのパネルには、アドレスおよびメモリ表示用のLEDと、アドレスバス・データバスの各ビット操作用のトグルスイッチなどを装備していた。

最小構成におけるオペレーションおよびプログラミングには、以下のような方法をとる。1. CPUをHALT(停止信号)で停止させる。2. パネルのスイッチでメモリアドレスと書き込むデータ(バイナリコード)をビット単位で設定し、書き込みスイッチで当該アドレスのメモリに設定したデータを書き込む。3. 2の作業を繰り返して必要なコードを書き込んだのち、HALT信号を解除する。4. 0番地からプログラムを読んで実行される。

TK-80などのように、ROMによって搭載されたモニタプログラム(現在のBIOSの機能の一部)が無かった頃のマイコンや、近年までのCPU評価ボードなどは、皆このような動かし方をしていた。


S-100バス

S-100バスとは、Altairに搭載された拡張バス規格の名称であり、後に互換機市場において名付けられた俗称である。S-100のSはStandardのS、100はバスのピン数(100ピン構成)を示す。

MITSではAltairの拡張バスをAltair busと呼称しており、当初から機能の拡張が主目的であった訳ではなく、Altairの機能を複数のカードに分散して開発する目的で制定された。

Altair busは、当初はi8080 CPUの動作タイミングに完全に依存した2MHzの非同期バスとして開発され、後にAltair680を発表する際に、M6800バスのような同期バスCPUにも流用出来るように改版された。 8ビットバスであり、8ビット幅のデータバスと16ビット幅のアドレスバスを持つ。

当時は、最大で20数本ものスロットに5Vおよび12Vの電圧を安定して供給可能、かつ数アンペアもの電力消費に追従可能で安価なレギュレータは存在せず、バス上では電源として8Vおよび18Vを供給し、各カード上のローカルレギュレータで12Vと5Vを作り出していた。 筐体の1/3近い容積を占める巨大なトランスとコンデンサを電源として搭載していることも、Altairおよびその互換機の特徴といえる。

S-100バスの名は、正しくはこのAltair busの互換バスとして、サードパーティが互換製品を出す際に名乗ったものである。 互換機ビジネスは現在ではサードパーティビジネスとして成立しているが、当時はコバンザメ商法とも呼ばれ、MITSではS-100バスはAltairBUSではないとして、これらの互換メーカーを非難した。

より高品質な互換製品が市場に流通するようになってもMITSは自社製品の改良を行えず、経営危機に陥ったMITSは自社製品の正当性と保護を主張し、(現在で言うところの)”知的所有権の侵害”に当たるとして、販売店にIMSAIや他社の互換製品を排除させようとした。しかしこれにはユーザーや販売店側の反発があり、皮肉にもMITS自身がこの市場から放逐される事になってしまう。

デファクトスタンダード(事実上の標準)となったS-100バスは、のちに正式にIEEE-696として標準化されることにより、MITSやAltair亡き後もS-100バス互換機および互換市場は存続してゆく。AT互換機における、IBMによる標準規格PC(IBM-PC/AT)バスに対する、互換機メーカー主導による標準化パス名称ISAバスと同様の構図であった。


70年代の「互換機市場」

Altairの最小機能モデルは現在のCPU評価キット程度の機能しか持たず、それ単体では具体的な業務に従事させることは困難であった。 しかしながらAltairBUS(S-100バス)で各種基板を接続する方式をとっていたため、拡張ボードで機能をグレードアップすることが可能であった。

このような用途にパーツを供給したり、互換機を発売するメーカーも現れ、「S-100バス互換機」市場が形成された。

ユーザーにとって、Altairは具体的にはS-100バスによって自在な拡張を可能とする「自作コンピュータ」の中核コンポーネントとして存在していた。これは、現在のPC-AT互換機に例えるなら、本体(筐体)とマザーボード、CPUのみの状態に近い。

ユーザーはこれにメモリやシリアルカード(音響カプラプリンタ以外にも、シリアルコンソールを接続して対話的に操作する)の他、ST-506等の各種インタフェースを増設、フロッピーディスクドライブやハードディスクドライブ等を接続し、CP/MBASICなどを利用して実務や開発などを行っていた。

また、AltairのCPUやメモリも単にS-100バス上のカードとして実装されているため、CPUをより高速・高機能なZ80に交換したり、メモリを64KBまでフル増設する等して、自在に拡張することができた。


Altair8800の互換機たち

上述のように、Altair8800には多数の互換機(クローン)が存在し、S100バス互換機として、現在のPC/AT互換機のような互換機市場を形成していた。 これらは単純にAltairをコピーした粗悪なものから、基板や回路の品質、筐体や電源の品質などでAltairを上回る高級品や、性能や機能を拡張したもの、各種の拡張カード類をあらかじめ内蔵(増設)してスイッチONでCP/Mが起動するものなど、コアとなるAltairの至らない部分を補完・拡張する形で存在していた。


Cromemco SystemI/II米Cromemco社が1976年に販売したS100バス互換機で、S100バスマシンとしては満艦飾仕様とも言える「全部入り」のハイエンド仕様として、当時は高級品の一角を占めていた。4MHzのZ80A CPUと64KBのメインRAMを搭載し、2基の5インチ2Dフロッピーディスクドライブを搭載したものがSystem I、FDDドライブ1基に5メガバイトの5インチHDDを搭載したものがSystem IIである。8インチFDDを2基搭載し、CP/Mのマルチユーザー環境MP/Mシステムに対応した、Cromemco System IIIも存在する。


IMSAI 8080米IMS Associates Inc.の組立てキットで完成品もあったコンピュータで、Altairの完全互換機。CPUはAltairと同じ2MHz駆動の8080でありながら、基板の設計や筐体の組み付け、デザインはより洗練され、電源の容量にも余裕があり、フロントパネルのスイッチ類にもAltairより視認しやすく信頼性の高いものが使われている。また、内部のS100バススロットも最大で22基搭載しており、メモリカード(当時のメモリは高価であり、ホビイストや学生などの経済的に余裕のない個人ユーザーは、8KBや16KB単位で増設することが多かった)やSIO(シリアルポート)、PIO(パラレルポート)、FDD、CMT(テープ)、ビデオカード等の増設にも耐えたこと、またこれらのペリフェラル類が最初からオプションとして揃っていることなど、CP/M環境を組み立てるコアとしてはAltairよりも評価が高く、Altairの欠点を潰した「Altairの本来あるべき姿」といった評価もあった。


Northstar Horizon日本でも昭和50年代のアスキー・I/Oなどのマイコン雑誌(当時)の最終ページの広告で目にした人も多いだろう。米Northstar社の2FDD内蔵のフレームタイプコンピュータである。なお、当時の取り扱い代理店であった工人舎は、現在SOTECと社名変更しPC事業を続けている。


SOL-20米Processor Technology製で、S-100バス互換機でありながらキーボード一体型の製品。スロット数は4本で横置き。最初期のS-100カードに比べて集積率があがったコンボカードや、メモリ容量が格段に増えたメモリカード等が市場に登場したことにより、スロット数が少なくても実用に足る製品構成が可能になったために登場した製品である。本来SOL-20自身がAltairの互換製品であるが、このSOL-20用のZ80プロセッサアップグレードキットZOLがさらにサードパーティによって発売されていた。


その他

現在パソコンのOS市場を事実上独占しているMicrosoftのサクセスストーリーは、元々ビル・ゲイツポール・アレンがこのAltairのメモリを4KBに拡張してBASICインタプリタを移植するところから始まっている。(BASICの移植自身はマイクロソフトの初仕事ではない。)


ハリウッド映画「ウォーゲーム」で主人公が自宅で扱っていたコンピュータは、Altair8800の互換機IMSAI8080であった。(ノベライズ版ではAltair8800を使用している)


脚注^ 製品の紹介というよりも、部品リストや回路図を掲載し、コンピュータを組み立てることを同誌が読者に提案する企画として扱われた。
^ The Scelbi-8H(1974年 i8008)や Jonathan Titus' Mark 8 kit computer (1974年 i8008)など
^ 当時の i8080 の単体価格は $350 であった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen