85式戦車
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85-II式戦車
性能諸元
全長10.28 m
車体長6.46 m
全幅3.45 m
全高2.23 m
重量39.5 t
懸架方式トーションバー方式
速度57 km/h
行動距離430 km
主砲83式51口径105 mmライフル砲
2A46 48口径125mm滑腔砲
(85-IIA式型戦車以降) 
副武装54式12.7 mm機関銃
59式7.62 mm機関銃
装甲鋳造砲塔・溶接鋼板
(一部複合装甲)
エンジン12150ZLBW
4ストロークV型12気筒
水冷ディーゼルエンジン
730 hp
乗員4名(85-IIA式戦車以降は3名)
ノート テンプレート解説 ウィキ軍事)

85式戦車(85式主?坦克)は1988年に完成した80式戦車88式戦車をベースにした第2世代の戦車で、主に輸出仕様として開発が進められた。それまでのソ連型戦車の特徴であったお椀型の鋳造砲塔を廃し、複合装甲を組み合わせた溶接砲塔を備えることになった。
目次

1 概要

2 武装

3 バリエーション

4 外部リンク

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概要

当初より輸出を目的として開発されており、1992年に生産が開始された。特にパキスタンである、1980年代のパキスタン軍の装備していた戦車は、中国製の59式戦車(WZ-120/T-54)、アメリカ製のM47M48戦車、ソ連製T-54/T-55といずれも戦後第一世代に属する戦車であった。隣国インドはパキスタン軍を上回る数の戦車を保有し、さらにT-72の配備や国産の第三世代戦車アルジュンの開発に着手しており、パキスタン軍の戦車戦力は質量ともに劣位にあった。パキスタンはこの状況を打開するために、同国の主要な兵器供給国であるアメリカと中国に接近した。

アメリカにはM1A1エイブラムスの供給とパキスタンでのライセンス生産の許可を要請した。アメリカもソ連のアフガニスタン侵攻を受けてパキスタンへの支援を強化しており、エイブラムスの供給についての検討を開始した。両国が合意に達すれば、エイブラムスの生産はタヒラのパキスタン重車両修理工廠(HIF)で実施される計画であった。しかし技術移転の範囲の問題、高額な戦車であるエイブラムスを配備するための予算的裏づけ、60トンの重量のエイブラムスを運用するためには従来の軍の装備では対応できないだけでなく港湾施設や道路などのインフラの根本的な改善が必要などの理由から両国はなかなか合意に達することが出来なかった。

1988年のソ連のアフガン撤退と1989年の冷戦の終結でアメリカにとってのパキスタンの戦略的価値は低下し、次第にパキスタンへの支援も減少していった。翌1990年、アメリカはパキスタンによる核開発疑惑を理由に軍事援助を停止、これによってエイブラムスの供給、ライセンス生産の計画も完全に途絶してしまった。

一方、中国とパキスタンの交渉は1986年から開始され、80年代後半から本格的な各種協力体制の構築が行われた。各種契約を経て1990年5月に両国はパキスタンの戦車戦力近代化と戦車自給体制構築のための技術移転・共同出資比率・行動計画等に関する総合的計画に調印して開発が始まった。

第3世代の戦車は50〜60tクラスが主流だったが85式戦車は42tを上限に開発が進められた。これは中国国内のインフラ事情もさる事ながら輸出対象国が主に第三世界だったためその国で運用できるギリギリの重量としてはじき出された数値とされる。

砲塔前部と車体前部には複合装甲が取り付けられている。モジュラー方式を採用しており被弾時の装甲交換や新型の複合装甲が開発された際のバージョンアップも容易にできる。85-III式戦車からは車体前面にERA(爆発反応装甲)も取り付けられる。


武装

プロトタイプの状態では80式戦車と同じNATOの標準規格であるL7系105mmライフル砲に砲の歪みを防ぐサーマルスリーブを装着した物を搭載していたが、インド軍で配備が進んでいるT-72戦車に対抗できるようパキスタンから125mm滑腔砲の搭載依頼を受け85-IIA式戦車に2A46 125mm滑腔砲とカセトカ自動装填装置を採用し85-IIAP式戦車として輸出された。

APFSDS弾、HEAT弾HE弾など各種砲弾を発射可能。砲口初速1,730m/sec、有効射程距離は約2,000mで、射撃統制システムはISFCS-212射撃統制システムを採用し、行進間射撃が可能。1,600mでの固定目標に6秒以内に射撃が可能で命中率は90%以上、1,200mでの移動目標に対しては12秒以内に射撃が可能で命中率は90%。 ただし砲身のブレを制動する機能が低いようで行進間射撃能力は期待できない。


バリエーション
85式戦車
一度博物館に収められた80-II式戦車に105mmライフル砲と新型砲塔を取付けて製作されたと言われるプロトタイプ。各種トライアル後に主砲を取り外し再度博物館に収められた。
85-I式戦車(風暴I型/Storm-I)
砲塔高を下げた8角形の溶接砲塔を搭載。主砲に熱による歪みを防ぐサーマルスリーブが取り付けられる。砲塔前面に複合装甲が取り付けられる。800hp VR-36水冷ディーゼルを採用。燃費効率も良好で航続距離も600kmまで延びる。
85-II式戦車(風暴II型/Storm-II/WZ-1227F2)
85-I式戦車の改良版。FCS(射撃統制システム)の改善、風速測量センサー、レーザー距離測定器、オンボードコンピュータなどを追加搭載。T-72を元に開発した自動装填装置を試験導入。エンジンも720hp→800hpにパワーアップ。
85-IIA式戦車(WZ-1228)
パキスタンの要請を元に旧ソ連製2A46 125mm滑腔砲とカセトカ自動装填装置を搭載。装填手がいなくなり乗員は4→3名へ削減。
85-IIM式戦車
FCS(射撃統制システム)を強化。暗視装置を搭載。パキスタンへの輸出向けに開発されたが、中国陸軍に88C式戦車として正式採用される。
85-IIAP式戦車
85-IIA式戦車の簡易型。パキスタンで300輌以上ライセンス生産される。(後に85-III式戦車クラスに改修が施される。)
85-III式戦車
85-II式戦車の改修型。プロトタイプのみ。ソ連のT-72の影響を受けた改修が行われている。総重量を変化させずに装甲防御を向上させるために車体などが小型化されている。エンジンを国内で開発された165型 V型8気筒水冷ディーゼルエンジンまたは150型 V型12気筒水冷ディーゼルエンジン(1000hp)を搭載。最高速度は65km/hに向上し、パワーパック方式を採用したことで80式戦車では約8時間を要したエンジンの換装が40分程度でできるとされる。パキスタンへの輸出を図るも砂漠や高温湿地帯では故障が頻発し過酷なトライアルを克服出来ず数多くの問題を露呈した。結果、この時のトライアルではウクライナT-80の発展型T-84戦車が採用された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki