2007年の労働界
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最低賃金

1月25日 塩崎官房長官が記者会見で、改正最低賃金法案について「企業部門が収益を上げる中で家計所得があまり増えておらず、消費の伸び悩みが指摘されている。そういう点は少し考えていくべきだと思う」と述べる。

1月29日 厚生労働省は改正最低賃金法案の今国会提出を決定する。主な内容は違反企業への罰金を2万円/人から50万円/人に引き上げる、など。

2月2日 連合が春闘の闘争開始宣言集会を開き、格差是正や非正規雇用の待遇改善を要求する。

2月26日 労働運動総合研究所の研究によると、最低賃金を1000円/時に引き上げると約700万人の賃金が改善されて消費支出が1兆3230億円増加し、高所得者に配分した時と比べてプラス約5685億円の経済効果や、中小企業への効果も大きいとの推計。ただし「賃金センサス」の特別集計をもとに試算した関係で、従業員10人以下の事業所や公務員は調査対象になっていないため、総額は更に増えるとコメントしている。

3月1日 民主党が「格差是正緊急措置法案」を衆議院に提出。
主な内容は、全国最低賃金の設定(最低賃金引き上げ:時給610?719円を1000円に)、同一価値労働・同一賃金、パートなど非正規社員の正社員化を企業に対し優先促進義務、募集・採用時の年齢差別禁止、児童扶養手当縮減の見直し、障害者自立支援制度の抜本見直しなど。

3月3日 連合の木剛会長が最低賃金引き上げについて積極姿勢。
木会長は都内で行われた春闘の決起集会で、「第二の春闘と位置づけて闘い、格差社会是正の第一歩としたい」と述べ、さらに「3者構成(=中央最低賃金審議会)自体は評価するが、これまでのように徹夜交渉で1円2円引き上げてよしとする状況ではない」「30?100円の引き上げができるようなアプローチを考えたい」と述べる。


07春闘


概要

2006年

11月24日 連合が2007年の春闘方針をまとめる。内容は賃上げのほか、非正規社員の待遇改善や残業代の引き上げ、時短などを盛り込む。統一のベア要求は6年連続の見送り。

2007年

1月11日 経団連の御手洗会長が一律賃上げを否定し労組側を牽制。年功型賃金制度の見直しも提言する。

1月15日 連合と経団連の首脳懇談会が開かれ、春闘が実質的にスタートする。

1月24日 第一生命経済研究所が今春闘の賃上げ率を昨年比0.10%増の1.89%と予想。

1月25日 経団連の御手洗会長が「横並びで一律ベアというような賃上げの時代ではない」、「生産性と関係のない方法による賃上げでは日本は世界に負けていく」と後援会で述べる。/安倍首相が「多くの働く人たちは給料が上がればいいと期待し、経営者は無理のないよう対応できる姿にしたいと思っているだろう」と記者団に述べる。

2月1日 労務行政研究所の発表によると、賃上げ予測は平均1.9%、6225円。

2月2日 連合が春闘の闘争開始宣言集会を開き、格差是正や非正規雇用の待遇改善を要求する。/経団連の発表によると、今年の新規採用予定の企業数は94.4%(前年比3.2%増)、採用増も55.4%(同1.5%増)で調査開始の1997年以来過去最高。ただし回答企業の71.3%が従業員1000人以上の大企業。

2月21日 連合が有志による中小企業の共闘組織を6単産で結成。

3月1日 日本商工会議所山口信夫会頭が最低賃金の引き上げについて、「経営の厳しい企業にまで適用されると、特に中小企業は非常に困る。企業の支払い能力に応じて考えるべきだ」と否定、最低賃金の1000円/時についても「論外。今の段階ではとても不可能」と否定する発言をする。

3月2日 連合が要求額の1次集計を、2月中旬までに要求された1609組合についてまとめる。定昇込み平均7086円/月(前年比398円増)で、7000円を超えるのは6年ぶり。年間一時金は5.35か月分(前年比0.11か月増)、労働協定や時短への取り組みも3割超。

3月3日 連合の「要求実現中央総決起集会」が代々木公園で開かれ、主催者発表で約1万6200人が集まる。
木会長は挨拶で、「経営者に前向きな対応を強く求めたい」「交渉は大変厳しいが、春闘への国民の期待は大きい。満足ゆく回答でなければ、時間外労働の拒否やストライキも視野に粘り強く闘おう」などと述べる。また、野党三党の幹部も出席し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「自公の過半数割れを実現できるか否かは、皆さんの暮らしを大きく左右する」「格差の議論をなおざりにするために国民投票法案に国民の関心を向けるのを断じて許してはならない」、社民党の日森文尋副幹事長は「安倍政権を一日も早く政権の座から追い落とす。参院選でぜひわたしどもにも支援をお願いする」、国民新党の亀井久興幹事長は「野党が力を合わせて参院選で自公を過半数割れに追い込み、働く人たちが豊かさを実感できる社会を実現したい」などと述べる。

3月6日 全労連の「春闘総決起集会」が日比谷野外音楽堂で開かれ、主催者発表で約3800人が集まる。

3月7日 トヨタ労組の決起集会が本社で開かれ、主催者発表で約1万人が参加。鶴岡光行委員長は「会社の成長を支えたのは組合員の努力。賃金は昨年の獲得実績の厚い壁を乗り越える。一時金は満額以外にない」などと訴える。

3月14日 金属労協傘下の大手の集中回答日。
連合の木会長は「国際競争に勝って利益を上げているところの裏には労働者の努力がある。経営者はそのことをどう考えているのか」「(企業利益の)配分構造のひずみは直らない」と述べ、また「控えめな要求に十分応えなかった一部の経営側には残念でならない」と暗にトヨタを批判。金属労協の加藤裕治議長は「一つの流れを作ることができた」と述べる。「極めて残念」としながらも、「会社側は組合員の頑張りを評価しているとの説明なので、単組の判断を尊重したい」経団連の御手洗会長は「去年より良い傾向。各企業が体質を強化して、少しずつ余裕が出てきた結果ではないか。こうした傾向が続けば、消費も良くなるだろう」「スローな景気回復だが、実質2%程度の経済成長はできると思っている」と述べる。日商の山口会頭は「労働組合の中には不満も残っているようだが、賃上げは順調に進んでいると思う。一時金で相当思い切ったことをやっている企業もあるようなので、個人消費に火がつくのではないか」「経営側は為替など将来の条件変化や国際競争の問題を考え、ベアは最小限にして、業績向上分は一時金で払う姿勢を最後まで貫いたと思う」と述べる。

3月22日 経団連が春闘の妥結結果の一次集計を発表。
調査対象:主要21業種、大手269社/集計:107社平均回答額は定昇込6208円、前年比578円・1.82%増(6000円・1.8%超は6年ぶり)。製造業は5935円、1.78%増。

3月23日 連合が春闘の妥結結果の一次集計を発表。
平均回答額は定昇込 6114円、前年比288円・2.02%増(0.1ポイント増)。年間一時金平均(業績変動方式を除く)は、金額回答で160万4946円(昨年比2万4203円増)、月額回答で5.22か月。(同0.05か月増)。中小の平均回答額は定昇込み5440円、前年比431円増。

3月30日 連合がパート春闘の妥結結果の一次集計をまとめる。
時給の増額平均は15.4円で、前年の12.8円を大きく上回る。(目標は15円以上)


自動車

全体に賃上げの確保はなるも、広い波及が期待できるほどにはならず。

トヨタ労組は1月10日には昨年より500円多い1500円のベアを求める方針を発表するなど、積極姿勢を見せる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki