高等専門学校
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国立高専1期校は1967年3月に初の卒業生を送り出し[14]高度経済成長とも相まって、「全員が殆ど大企業に就職が内定」し、その後も、高専の設置数の拡大や景気の動向にもさほど左右されることなく、大企業を中心にほぼ10数倍の求人倍率を維持し、就職希望者の就職率もほぼ100%の実績を残した[15]

その一方で、旧・国立高等専門学校協会(国専協)を中心にして、高専卒業生の進学意欲に応えるため、専攻科の設置、大学院への進学ルートの新設、あるいは大学への編入学枠を拡大しようとする動きが浮上。専攻科の設置はいったん断念し、高専卒を受け入れる工業技術大学(院)・科学技術大学院構想を策定して方向転換したものの、実現には至らなかった。その後、国専協による旧文部省などへの働きかけにより、主に3年編入を受け入れ、修士課程に連なる4年間の課程を前提にした技術科学大学の創設が決まり、76年に長岡技術科学大学豊橋技術科学大学のふたつの大学が開学した。ただし、一部の国立大学では、すでに第1期生が卒業するのと同時に、3年ないしは2年編入の受け入れを開始していた[16]

1991年には、法改正により、高専卒に対して準学士の称号を与えることになり、設置できる学科は工業、商船分野以外にも拡大。これにより、福島高専富山商船高専宇部高専の各校には文系学科が誕生。芸術・デザイン分野の学科を設置する札幌市立高専も新設された。さらに、専攻科の設置が認められ、修了生は学位授与機構の審査を経て学士号を取得できることになった。2008年度現在、専攻科は国立1校(沖縄高専。09年度に設置予定)、閉校予定の都立2校(統合校の産業技術高専には設置済み)、私立1校を除き全校に設置され、ストレートに大学院に進学することも可能になった。

高等専門学校の設置・廃止年度一覧年度設置(国立)設置(公立)設置(私立)廃止
1962函館 旭川 福島(平) 群馬 長岡 沼津 鈴鹿 明石 宇部 高松 新居浜 佐世保(以上1期校と呼称)都立航空 都立工業聖橋 金沢 大阪 近畿大学(熊野) 高知高知
1963八戸 宮城 鶴岡 長野 岐阜 豊田 津山 阿南 高知 有明 大分 鹿児島(以上2期校と呼称)大阪府立 神戸市立(神戸市立六甲)サレジオ(育英) 幾徳
1964苫小牧 一関 秋田 茨城 富山 奈良 和歌山 米子 松江 呉 久留米 都城(以上3期校と呼称)
1965釧路 小山 東京 石川 福井 舞鶴 北九州(以上4期校と呼称)桐蔭学園
1967木更津 富山商船 鳥羽商船 広島商船 大島商船 弓削商船
1971仙台電波 詫間電波 熊本電波
1974徳山 八代
1977幾徳
1978聖橋 大阪
1991札幌市立桐蔭学園
2002沖縄(開校は04年度)
2006都立産業技術
2008札幌市立(予定)
2009

(予定)仙台 富山 香川 熊本(いずれも仮称、学生受け入れは10年度)伊勢崎自動車(認可申請中)宮城 仙台電波 富山 富山商船 高松 詫間電波

八代 熊本電波 都立工業 都立航空


注:括弧内の校名は旧称。


現況

高専の平均志願倍率は、4年制大学進学率の上昇と少子化の影響は避けられず、創設直後の高倍率から70年代以降漸減を続け、21世紀に入ってからは2倍前後(05年度で1.9%)に落ち着く様になった。また、中学卒業者に占める高専志願者の割合は、バブル期に1%近くまで落ち込んだものの、近年は創設期と同程度の1.7%(05年度、公私立高専を含む)程度までシェアを回復している。しかし、北海道東部など後背地の人口や産業の集積が薄い地方の高専においては、定員割れによる2次募集を実施する学科が発生する状況も生じている。

また、公立高専の一部は統合再編と共に本科の定員を削減(東京都立)または大学に転換(札幌市立)し、私立高専も7校(高知高専は含めない)が開校したが、大学への転換により、現在は3校に減少している。国立高専に関しては、02年に沖縄高専が誕生しているが、'06年には、宮城高専と仙台電波高専、富山高専と富山商船高専が合併方向で協議を開始するなど、国立高専の再編も始まろうとしている。'07.10には、前記の4校に加え、高松高専と詫間電波高専、八代高専と熊本電波高専も、'09.4月から統合されることが文部科学省から発表された[17]

本科の募集総定員は、ピークであった99年度の11,070名に対し、06年度では10,935名と、漸減傾向となっている。

国立高等専門学校機構の資料によれば、05年春の工学系新規採用技術者約7万名に占める高専出身者の割合は、約12%(専攻科卒業者約700名と過年度の大学編入学者約3,000名も含む)と推計されており、高等教育機関全体から見れば依然としてマイナーな学校種に留まっているものの、工学系専門教育の分野においては、引き続き一定の地位を占めている。(以上、統計データの出典は[18]。)


高専の入学試験


入学

中学校卒業または卒業見込みの者、中等教育学校の前期課程を修了または修了見込みの者を対象として、入学試験が行われる。学力試験は全国の国立高専では同時に同一の問題で行われる。公立高専の内、大阪府立と神戸市立も国立高専と同一の問題である。


高専には複数の学科やコースがあり、入学志願者は出願時に志望順位を提出する。入学を許可される学科やコースは、学力検査や内申・面接の成績と志望順位に従い、上位から順に決定される。


各高専とも推薦入試枠が設けられており、定員の20%-40%となっている。推薦入試の不合格者は、学力選抜を受験することが出来る。私立の高専においては、特待生入試(サレジオ)やAO入試(近大高専)を実施している学校もある。また、学力選抜の得点や推薦の内申に対して、理数系に重み付けをする高専もある(東京都立)。


総合選抜地区では、高等専門学校は総合選抜の対象とならないが、国立高専に合格し入学を希望する者に対しては、各地域の公立高校入試日に招集がかけられるため、公立高校を受験できない場合が多い[19]。また、公立高専合格者は公立高校を受験することが出来ない。(いずれも併願は可能。) なお、公立高専の受験資格には住所要件があり、従来は設置する地方自治体の居住者に限られていたが、都立産業技術高専公立大学法人首都大学東京に移管された事に伴い、平成21年度入試から、東京都外居住者の受験を認める事を発表した。


高専の入試難易度は、概ね、中堅-難関に位置づけられており、比較的難易度の高い学校種となっている。都市部の高専よりも、学校の選択肢の少ない地方の高専の方が、難易度が高くなる傾向がある。


編入学

高等学校(主に工業や理数に関する学科)や中等教育学校を卒業または卒業見込みの者を対象に、3年次または4年次への編入学制度も設けられている。編入学定員は各高専の自主性に委ねられているが、各学科とも若干名という場合が多い。編入学試験は各高専の独自作成問題による。


高専の教育


教育

高等専門学校の修業年限(卒業までに教育を受ける期間)は5年(ただし、商船に関する学科については、5年6月)とされ[20]、 その学齢は高等学校の3年間と短期大学の2年間に相当する。卒業すると準学士と称することができる。

高等専門学校では、普通教育とともに、学科ごとに専門教育が行われる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki