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高専の教育


教育

高等専門学校の修業年限(卒業までに教育を受ける期間)は5年(ただし、商船に関する学科については、5年6月)とされ[16]、 その学齢は高等学校の3年間と短期大学の2年間に相当する。卒業すると準学士と称することができる。

高等専門学校では、普通教育とともに、学科ごとに専門教育が行われる。

高専の教育内容は傾斜配分されており、数学や学科関連の理系科目と専門科目は、大学工学部相当のレベルまで教授される。講義だけではなく、実験・実習やゼミ輪講・卒業研究など、実践的な教育が重視されている所に特徴があり、高専生は週次のレポート提出に追われることになる。多くの場合、これらの科目の単位を落とすと進級や卒業をすることが出来ない。

卒業認定単位は167単位(ただし商船学科は147単位)であり、専門科目がその大半を占める。各授業科目の単位として、30単位時間(1単位時間は標準50分)の履修をもって1単位とする従来の計算方法の他、大学に準じた45時間の学修(授業時間は15-45時間)を1単位とする計算方法が60単位を上限として導入されており、実験系科目の充実や新たな科目の開設等、各高専の創意工夫に基づくカリキュラム編成が可能となっている。高学年では英語に加え第2外国語を学ぶ(ドイツ語である場合が多い)。一般教養科目には皺寄せが来ており、国語や社会、芸術などの文系一般教科には、あまり力が入れられていない[17]

就職活動や卒業研究を行うため、5年次のカリキュラムには若干の余裕があり、その分、4年次以下の学年の週次の授業時間数は、一般の高校や大学よりも多い。 特に、専門科目が本格化する3・4学年はハードであると言われている[18]

また、商船高専の商船学科では、各年次の航海実習に加え、5学年の秋頃より、日本丸や海王丸等の練習船による約1年間の遠洋航海実習が必修になっている。

故に、専門分野にさほど興味が無かったり目的意識を持たずに何となく入学して来た人の中には、高専の教育に適合できず、学業について行けなくなる者もいる。また、大学受験が無く校則も緩いため(学生としての自己管理が求められているという事ではあるが)、身を持ち崩す者も居る。

原級留置(留年)や進路変更(退学)により、ストレートに5年間で卒業する者は、およそ3/4と言われている。


教員

高等専門学校は、学校長以下に学生を教授するための教授准教授助手教員を置かなければならず、講師・技術職員を置く事が出来る。また、多くの高専で、他大学の教員や企業出身の技術者が非常勤講師として講義を担当している。高専の教員が、他大学で非常勤講師として講義を行っている場合もある。

専門学科の教員は、自ら教育研究活動を行うと共に、卒研生や専攻科学生に対し研究指導を行う必要があり、各高専の教員募集要項によれば、博士の学位の取得や、それに相当する研究業績を求められることが多く、多数の教員が修士博士の学位を取得している。

また、高専の教員には教員免許は必須とされないが、一般教養科(特に人文社会系)の教員については、教員免許状を持ち、若年次の学生に対する指導ノウハウも有する、高等学校からの転属者も多い。


教科書

低学年次の文系一般教科では、高等学校用の教科書が使用されている。

高学年次の一般教養科目(4・5年次)及び専門教科(3年次以降)では、大学レベルの専門書やテキストが使用される。教員独自作成の資料も併用しながら、講義が行われるのが普通である。

また、数学・物理・化学などの理系一般教養科目においては、高等学校+大学一般教養に相当する内容を概ね3年次までに教授する必要性から、高専用の教科書が発行され、使用されている。 同様に、低学年時の専門教科でも、高専用の教科書が使用されている。


資格取得

高等専門学校では、公的資格の取得も奨励されており、資格によっては単位認定している学科もある[19]

また、資格の所管官庁から認定を受けている学科では、所定科目の単位を取得することにより、資格を取得することが出来る(試験の科目免除や実務年数要件の緩和も含む)[20]

取得できる(または奨励されている)資格:危険物取扱者、情報処理技術者、無線従事者、電気主任技術者、電気工事士 等


学生寮

多くの高等専門学校は、学校内に学生寮を設置している。以前は全寮制を敷く学校もあったが、そういったところでも1990年代以降は、自宅からの通学を広範に認める学校も多い。また、都市部の高専の中には学生寮を持たない高専もある。


卒業後の進路

就職率の高さが特長である。各高専によって若干異なるが基本的に理工系大学生と同じように学校が学生と話し合って受験企業を一社に絞って受けさせる「一人一社制」によって就職活動を行う場合が多いが、文科系大学生と同じように企業が高専卒採用枠を設けてインターネットなどで採用情報を公開し、全国の高専生を対象とした選考をすることもある。また大学卒と同一の採用枠、試験枠となる場合や、企業によっては現役生として考えると同じ年齢である短大・専門学校卒業対象となることもある。国家公務員の場合はII種採用となる。

また、高専を卒業すると技術科学大学を始めとする大学の3年次に編入学することができ、高等専門学校に設けられた専攻科への進学とあわせて進学の幅も増えている。

高等専門学校の専攻科(2年制)を修了または修了見込みの者が、大学評価・学位授与機構に課題論文を提出し審査に合格すると、学士の学位を取得することができ、大学院修士課程への入学資格を得ることが出来る。

なお、これは卒業ではないが、高専の第3学年までに規定の単位を取得または取得見込みの者には高校卒相当の資格が生じ、大学や専門学校を受験することが出来る。文系や芸術系へ進路変更する場合など、第3学年を修了した後に高等専門学校を退学して大学に入学する人もいる。但し、高専のカリキュラム上、大学受験は全く考慮されないため、第3学年次受験は高校生よりも不利である。


就職

大学進学率が急増する中で、技術者供給源としての高専の価値は相対的に低下している。ただし、そのことで、就職試験を受ける機会が減っているということはない。

工業高専卒業者は、基礎学力から大学工学部レベルの工業技術を学び、若年次から実践的な専門教育を受けているため、産業界からは即戦力として高い評価をうけている。また、大学工学部卒業者よりも2歳若い。このことは、採用する側・される側の双方にとって、大きな利点と言える。

平成17年度(2005年度)の本科卒業者に占める就職者の割合は53.0%であり、有効求人倍率は、本科:16.3倍、専攻科:20.8倍となっている[21]

就職先は、上場クラスの企業である場合も多いが、地方の高専では地場志向も見られる。

また、有名大学卒業者の確保が難しい中小企業やベンチャー企業からも、高専卒業者に対する引き合いは強い。

配属先は、メーカーであれば、製造技術や生産技術、試作や評価検証、量産設計など、特に実践的な技術者を必要とする職場が多い。商社に就職して技術営業やFAEとして働く人も居り、進路の多様性は大学工学部等と変わるところは無い。

なお最近、上場クラスのメーカーでは、もの造りに関する機能を分社化している場合も多く、その様な企業に就職する場合は、その分社(子会社)側の採用となる場合が多い様である。


進学

卒業後、進学する者が増えており、学校によっては本科の卒業生に占める就職者が20%を割り込む例も見られる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen