駅伝
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さらに駅伝は日本にとどまらず世界的に行われる競技となっている。そのきっかけとなったのが、1983年に開かれた駅伝の最初の国際大会である横浜国際女子駅伝だと言われる。その後、国際千葉駅伝で男女の国際大会も開設され、国際的な駅伝認知が高まった。特に元々マラソンや中距離トラック競技の強豪国であるエチオピアで盛んになってきており、国内でも駅伝大会が行われるほどである。


駅伝の特徴

優勝にも色々な種類がある。箱根駅伝や九州一周駅伝のように複数日に渡って行われる場合には、往路優勝、復路優勝(以上、箱根駅伝)や「○日目優勝」という単位での競技成績もある。また、各区間毎に最も良い記録(スプリットタイム マラソンの距離単位記録と同じ)を出した選手には「区間賞」が与えられる。区間賞は団体競技でもある駅伝の中では、個人にスポットを当てるものである。区間毎の個人成績(区間成績)も同様に選手自身に返ってくる結果である。

区間毎に順位の大きなアップダウンがある。ごぼう抜き(下位のランナーが上位の先行者を、ゴボウを抜くように続けざまに追い抜く事から)が起きることも少なくはない。但し、このごぼう抜きは前の区間が悪い順位で来たからこそ起きることであり、区間トップでも先頭を走っていれば誰も抜けないし区間3位でもチームが下位に甘んじていればごぼう抜きを演じることが出来る。これも駅伝ならではの出来事である。

コースや区間が変更された場合には、それまでの記録は参考記録扱いになる。そのため変更後に行われた1回目の大会の区間賞獲得者の記録が区間記録になる。なお、箱根駅伝や全国高校駅伝など伝統のある大会ほど変更が度重なる場合には過去の名ランナーとの単純な比較が出来なくなるため、反対する声も多い。

リレー種目ほどは見られないことだが、当然たすきの受け渡しに関する失格は存在する。2005年秋に全日本実業団女子駅伝の予選となる四実業団(中部・北陸・関西・中国)合同淡路島女子駅伝競走大会で、有力候補だったチームが日本陸連駅伝競走基準第2部第6条「(2)たすきを受け取る走者は、前走者の区域(中継線の手前の走路)に入ってはならない。(後略)」に違反した為に失格となった。

多くの駅伝では公道を使用しているため、当然ながら交通規制を行っている。しかも主要幹線道を使用している場合も多く、長時間の規制は現実的に難しい。そのため繰り上げスタートが行われる。箱根駅伝の復路が有名だが、他にも多くの駅伝では中位以降が展開によって、時差スタートと繰り上げ一斉スタートのチームが入り乱れることがあり、見た目の順位(=順番)と実際の順位が異なることがある。そのため「後ろの選手を抜く」「前の選手に抜かれる」という現象が起きることがある。現在ではそれらの状況下でも情報技術の向上により、総合順位がすぐにわかるレベルに達している。


駅伝をめぐる問題

近年は長引く不況の為、特に実業団では駅伝の成績がチームの存続に影響してくることもある。それだけにチームとしては駅伝に対する比重が高まる一方で、マラソンへの出場が消極的になっているという危惧の声もある(マラソンを走って故障をすることは、ぎりぎりの人数で構成されているチームの場合、駅伝への参加が出来なくなることを意味する)。また個人名の後に所属名が来るマラソンより、駅伝の方が企業名が連呼されることで知名度も上がることも影響している。駅伝とマラソンの両立は企業側、選手個人共に難しい課題でもあり、マラソンで結果を残す為に駅伝出場を渋り、結果的にチームを去ることになった早田俊幸をはじめ、小出義雄もマラソン選手を育成していく上で、駅伝との両立は難しいと話している。

2008年北京オリンピックで金メダルを獲得したサムエル・ワンジルは、高校時代から社会人に至るまでを日本で過ごし、駅伝でも驚異的な走りを披露してきた。しかし今回の金メダル獲得を機に現在の会社を退社し、ケニアに戻ることになった。ワンジルは「日本だと駅伝もあるからイヤ」と理由の一つに挙げている。現役のオリンピック金メダリストからも、日本の駅伝重視の声に疑問が上がっていること、マラソンと駅伝の両立が難しいことが明かされたエピソードとして、今後の日本マラソンの強化策に一石を投じている。同様の指摘は中長距離の第一人者でもあったヒシャム・エルゲルージも来日の際、川嶋伸次との対談でされており、国際的にはなぜ、日本では駅伝にそこまで取り組む必要があるのかという視点があることを示している。しかし9月に入って関東学連2009年箱根駅伝を3チーム増やして23チームで行うことが発表され、ファンや関係者の中からは「マラソンの金メダリストの声があるにもかかわらず…相変わらず駅伝重視から抜け出せないのか」という疑問の声も上がっている。

近年中長距離で世界大会を席巻しているアフリカ勢がクロスカントリートレーニングに多用し成功に結びついていることを挙げ、「日本でもクロスカントリーをもっと積極的に導入すべきだ」との声もある。ただ日本では古くから駅伝がスポーツ文化として根付いており、クロスカントリーはまだ浸透し切れていない(これには日本人好みの「抜きつ抜かれつ」的な要素がクロスカントリーには無いことが影響している)。以上のような理由で「駅伝の存在がマラソンをだめにする」との指摘も一部にはある。

駅伝が日本の陸上競技の発展に一役を担ってきたことは事実で依然根強い駅伝人気もあり、駅伝とマラソン、クロスカントリー、或いは他の陸上競技との兼ね合いが頭の痛い問題でもある。反面オリンピック世界陸上選手権には採用されていない(将来的にも実現の話はない)種目でもあり、「世界に繋がらない競技を、なぜこんなに重視する必要があるのか」という疑問を指摘する声も一部から出てきた。

近年高校や大学、実業団の対抗駅伝では外国人選手も多く見られており、好成績をあげている。その反面「単なる助っ人」的な要素もあり、必ずしも好評価を得られない点も指摘される。基本的に外国人選手の起用は禁止されてはいないので各チームの判断に委ねられるものの、受け入れ体制のあるチームでなければ難しい。それゆえに結果が芳しいのはごく一部のチームになってしまい、選手の獲得競争や実際のレースは勿論、高校や大学の場合には「教育的見地」からも疑問の声が見受けられる。反対に実業団では「外国人に頼ってしまうことで、日本人選手の強化に繋がらない」との理由で外国人の起用に消極的なチームもある。

同様に高校に関しては他県からも選手を呼び寄せて代表になり、純粋な都道府県代表とは言えないケースもある(同じような傾向は高校野球にもみられる)。

上記のように駅伝功罪論はあるものの、殆どの主要メディアが何らかの形で駅伝の主催や協賛などに名前を連ねていることから、表立った批評に繋がっていないとの指摘もある。

現在、日本の駅伝競走は学校・実業団・都道府県に分かれている。サッカーにおける天皇杯のように将来的にはこれらの頂点となる大会を設定してはどうかという意見もある。

現在国際陸連ではマラソンを基準に42.195kmを国際レースの基準としているが、「駅伝の醍醐味は短距離から中距離が入り混じってたすきをつないでいくことにある」として国際基準を8区間100km(15km、10km、5km、20km、15km、10km、5km、20kmなど)にしてはどうかという意見もある。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki