公用語香港で使用される言葉-右上から逆時計回りに:広東語、香港風英語、北京語、朝鮮語、香港風日本語、タガログ語
公用語は英語と中国語であるが、事実上の共通語は、方言の一つである広東語である。人口の 95.2%が広東語を常用もしくは理解し、38.1%が英語を常用もしくは理解する。英語は中国語に対する上位言語であり、イギリスの統治が始まってから1974年までの間、唯一の公用語とされていたが、中国語(普通話に近い形で書いて広東語で発音する)も事実上の公用語であった。香港が中国に返還された後(1997年以降)は、香港特別行政区基本法第9条により、香港の行政・立法・司法の場において、中国語に並ぶ正式な言語として英語を用いることができると規定されている。なお、香港で最も広く用いられている言語が広東語であるのは前述のとおりであるが、基本法同条の規定では単に「中国語」(中国語:「中文」、英語:「Chinese language」)とのみ書かれており、普通話・広東語の別については規定されていない。
香港はイギリス領(植民地)であると同時に国際自由港であるため社会的上昇の手段として英語の取得は重要であり、英語教育の指向性は高かった。2003年より、学科の内容理解を深めることを目標に、中学・高校で中国語を用いて授業を行なうことを奨励する政策(母語教学)を実施している。
中華人民共和国の改革開放政策により、1980年代後半から中華人民共和国との往来が盛んになったことから、普通話(北京語をベースにした中国語の標準語。「国語」とも呼ぶ)が普及しつつある。かつては北京語で授業を行う学校は、中国共産党系ないしは中国国民党系の学校だけであったが、中華人民共和国への返還を控えた1990年代からは、大部分の小中学校で普通話会話の授業を導入している。返還後、政府の会議も、北京語の同時通訳が用意されるのが当たり前になっている。
一般的に中国語は繁体字で表記されるが、中国返還後、政府関係の資料は簡体字でも提供される例が増えている。香港では広東語を表記するための方言字も多く使われており、政府も香港増補字符集という文字セットを制定している。
歴史上の経緯から、香港で使われている英語はイギリス英語の影響を強く受けている。そのため、日本でよく目にするアメリカ英語による表記と比べて、例えば下記のような違いがある。
"centre"、"colour"など、単語の一部がイギリス風の表記をされる場合が多い。
建物の階層の数え方は、地上階(日本の1階)を"ground floor (G/F)"と呼び、その上の階層を"first floor (1/F)"、"second floor (2/F)"…の様に数える。
「地下道」を"subway"、「エレベーター」を"lift"、「小学校」を"primary school"と呼ぶ(アメリカ英語ではそれぞれ"underpass"、"elevator"、"elementary school")。
広東語以外の中国語集団としては、北京語、客家語、潮州語、上海語、?南語などを母語とする人たちがいる。また、香港手話を母語とする中国系の人たちがいる。外国出身者では、タガログ語、インドネシア語、ヒンディー語、日本語、タイ語などを母語とする人たちが比較的多い。
かつてイギリスを宗主国としていたことから、香港には本名とは別に英語名を持つ人が多く存在する。これは、例えば「陳(チャン・Chan)」と「張(チャン・Cheung)」の様に中国語の人名が英語を母語とする者にとって区別が困難であったり、発音し難いものであったりするために個人識別の補助手段としてイギリス人が現地人の使用人や生徒等に名付けたのが起源であるといわれている。また、同姓が多いため混乱を避けるためや広東語と北京語では同じ苗字でも発音が違うため混乱をさけるため香港の人達が使い始めたのでありイギリス人がつけたものではないともいわれている。香港人の名乗る英語名のほとんどは、役所への届出を経て名付ける正式な名前では無く(例外として、中国語圏以外に出自を持つ香港人が中国語名と外国語名を共に正式な名前とする場合など)通称のようなものであるため、IDカードやパスポートなどへの記載は各自の選択に任されている。またそれ故、自由に名乗り、名乗ることを止め、または改名することができる。
香港人の英語名は、学校で英語の授業を受ける際に教師などによって名付けられたり、家庭によってはそれ以前の幼少期から本名と並んで名付けられたりする。ほかに、仕事上の必要(欧米人とのビジネスの機会が多いなど)に応じて自ら名乗るケースもある。もちろん、その者の社会的な地位や考え方などによっては英語名を持たない場合もありうる。
具体的な名乗り方は、多くの場合「英語名-姓」の順に名乗る(例:陳港生(本名)=ジャッキー(英語名)・チャン(姓)/日本ではジャッキー・チェン)が、会話上では英語名のみで呼び合うことが多い。ビジネスの名刺など、中国語名と姓名のアルファベット表記を併記する様な場合は、漢字で本名を記載し、それに併せて「英語名-名(または名のイニシアル)-姓」(例:張卓立・Charles C.L. Cheung)と記載する。また、姓を真ん中にした表記も見られる。
ちなみに、欧米圏の言語を母語としない者が欧米風の名を名乗る他のケースにクリスチャンネームがあるが、前述のとおり香港人の英語名はこれとは別の由来によるものなので、英語名を名乗っていることとその者の信仰には関係が無い場合が多い。 香港人の中にはトマトやフルーツなど野菜や果物の名前などを英語名として使っている人もいるし、自分の名前を英訳してそれを英語名としている人もいる。 また最近では、日本ブームにのり、一部の親日香港人の間で、日本風の名前 をファーストネームにする人もいる。
学年度は9月に開始され7月までの2学期制で、1学期目は9月から2月で、2学期目は3月から7月までとなっている。
2006年、香港政府は幼稚園児を持つ家庭への「学券」(教育バウチャー)の配布を発表した。