政府首脳で最も一般的な役職名は首相である。首相という役職名は多くの国で正式に用いられているが、一方で国家元首のもとで行政府の閣僚の筆頭にあたる役職に対しても、正式なものではなく総称として首相を用いることもある。また Minister という単語は、ラテン語では従者や部下という意味があり、その意においては大臣 (minister) とは国家元首の従者・部下ということになるが、この大臣というのも行政府の構成員の役職名として広く使われている(一方で別の名称も用いられることがあり、例として長官などがある)。
形式的に国家元首が政府首脳と同一人物であることがありえるが(絶対君主が自身を政府首脳とする場合など、職権を利用したり、あるいは特例を積み重ねて同一とすることもある)、そうでない場合においては、国家元首が実際の政治において優越的な立場にある(絶対君主、行政権を持つ大統領)か、理論上または儀礼上の役職であるかということにかかわらず、国家元首は政府首脳やそのほかの大臣に形式としては優位的な立場にあることに変わりはない。憲法や国家の基本法によってはさまざまな役職名が用いられ、また同じ役職名でも基本法や政治体制によってその意味は異なるものになる。
政府首脳は国家元首同様に専用の官邸を持つことが多い。以下は政府首脳の官邸の例である。
ダウニング街10番(ロンドン) - イギリスの首相(別邸としてチェッカーズを持つ)
24サセックス・ドライブ(オタワ) - カナダの首相
キージ宮(ローマ) - イタリアの閣僚評議会議長(公式行事においてはヴィラ・ドリア・パンフィーリも用いる)
総理大臣官邸(東京) - 日本の内閣総理大臣
ザ・ロッジ(キャンベラ)、キリビリ・ハウス(シドニー) - オーストラリアの首相
青瓦台(ソウル) - 韓国の大統領
マティニョン(パリ) - フランスの首相
ランベルモン(ブリュッセル) - ベルギーの連邦首相(移転計画があったが世論の反対を受けて破棄された)
モンクロア宮(マドリード) - スペインの閣僚評議会議長
プレミアハウス(ウェリントン) - ニュージーランドの首相
サーゲシュカ宮(ストックホルム) - スウェーデンの首相
バルハウスプラッツ2番(ウィーン) - オーストリアの連邦首相(バルハウスプラッツ1番には連邦大統領官邸のホーフブルク宮殿がある)
スリ・ペルダナ(プトラジャヤ) - マレーシアの首相
世界の官邸も参照
官邸の名称は政権を指すメトニミーとして使われる。例えば「ダウニング街10番」はイギリスの政権を指して用いられる。
似たようなものとして、連邦制において主権国家の下におかれる政府(少なくとも国際法における実際の国家元首を持たない、連邦を構成する国家の政府)の首脳も官邸を持つ。これはその地域、州などの独立の希望を示す表現として用いられることがある。例えばベルギーでは、北部にあるオランダ語系のフランデレン地域(フラマン語共同体地域)の首相を指すものとして、ブリュッセルにある「エレラ」が、ワロン共同体首相についてもナミュールの「エリゼット」(小型のエリゼ宮殿の意)がそれぞれ用いられる。
ところが政府首脳と国家元首の役割が統合されていない場合、政府首脳の官邸は通常、国家元首(儀礼上の元首も含む)の官邸よりも低い扱いを受ける。例を挙げると、アメリカ合衆国大統領官邸であるワシントンD.C.ペンシルバニア通り1600番のホワイトハウスがある。
また総督のような国家元首にかわって政府の長官を務める役職にも官邸が与えられている。
Jean Blondel; Ferdinand Muller-Rommel [1988-11-25]. Cabinets in Western Europe (英語). Palgrave Macmillan. ISBN 978-0333462089.
外部リンク
⇒WorldStatesmen
カテゴリ: 政治の役職名 | 行政
更新日時:2008年2月21日(木)11:49
取得日時:2008/07/14 06:35