議院内閣制の国家では、首相が行政府の長であり、閣議を主宰する。半大統領制では首相がいても大統領が閣議を主宰する国が多く、大統領制では首相を置かない国も見られる。君主権が強い国では、君主が閣議を主宰したり、首相を置かなかったりする。
首相の任命権者は君主や大統領などの元首である。その際大統領制や君主権が強い国では、それらの元首が自ら決定して任命することが多い。
議院内閣制の国の場合は、
議会の指名にのみ基づいて任命する(日本、ドイツなど)
前任の首相の助言もしくは政党などからの推薦と慣例に基づいて任命し、議会の承認は取らない(イギリス連邦諸国など)
同様の方法で首相候補を決め、議会に推薦し、議会に承認されれば正式に任命する(スペインなど)
などの方法が取られる。いずれの場合も、議会の信任が得られない人物は首相の座に留まることができず、実質的に議会が首相を指名するのと意味合いは変わらない。
内閣の他の閣僚に対する首相の立場は、議院内閣制で最も強く、彼らの指名権をも握ることが多い。他の場合には弱く、大日本帝国憲法下の日本のように国務大臣の筆頭という立場にとどまることもある。
首相は行政府の長、または行政を担当する官職であって、諸国の事例ではその地位は国と国民を代表する大統領や主席、国王などの元首とは異なる。但し元首の概念そのものは国家有機体説の遺物であり、社会契約説の国家観のもとでは象徴的な意味合いしかもたない。アメリカやフィリピンのように大統領が行政府の長として強大な権限を持つ政体がある一方で、ドイツの連邦大統領や中国の国家主席など象徴的な地位に限定されるものもある。日本の元首については論争があり、政府解釈は「天皇を元首と呼びうるかは定義による」とするにとどまる。外交儀礼上の慣例では、首相は自国の国王や大統領とともに列席するさいには席次で区別する。また接受の形態やカウンターパートで区別する場合がある[1]。外交慣例では国家元首には治外法権が認められ、海外訪問の際には接受国側の保護義務が発生するが、現代では元首と実質的な行政府の長(首相)が異なる場合が多く、双方の合意に基づき首相や政府要人(たとえば王室・皇室の家族など)に対して元首なみの待遇を行うことが多い。
首相の正式名称は各国で異なるが、それが首相に相当する官職であれば、日本では一律に「首相」と呼ぶ慣習になっている。
日本
太政官制(明治時代初期) - 太政大臣
内閣官制・内閣法(現在) - 内閣総理大臣
英国 - イギリスの首相(英: Prime Minister of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland )
ドイツ - ドイツの首相参照
旧ドイツ国(戦前) - 国家宰相(独: Reichskanzler )
旧東ドイツ - 閣僚評議会議長(独: Vorsitzende des Ministerrates )
旧西ドイツおよび現在 - 連邦首相(独: Bundeskanzler )
フランス - フランスの首相参照
第三・第四共和制 - 閣僚評議会議長(仏: pr?sident du conseil des ministres )
第五共和制(現在) - 首相(仏: Premier ministre )
イタリア - 閣僚評議会議長(伊: Presidente del Consiglio dei Ministri )
カナダ - 首相(英: Prime minister )
スペイン - 政府総裁(西: Presidente del Gobierno )
中国 - 国務院総理(漢字:国?院?理)※政務院総理(漢字:政?院?理):1949年〜1954年。周恩来のみ。
台湾 - 中華民国の首相参照
内閣総理(漢字:?閣總理)
政事堂国務卿(漢字:政事堂國務卿)
国務総理(漢字:國務總理)
行政院長(漢字:行政院長)
旧満州国 - 国務総理大臣(漢字:國務總理大臣)※国務院総理(漢字:國務院總理):1932年〜1934年
韓国 - 国務総理
北朝鮮 - 内閣総理
ロシア - 首相またはロシア連邦政府議長(露:Председатель Правительства )