食肉の加熱調理の意義は以下のとおりである。
衛生面の確保
部分肉を精肉に加工すると、加工器材との接触や、表面積の増大による空気との接触の増加から、細菌による汚染にさらされやすい。よって、加熱によりこれら細菌を死滅させることで衛生を確保する。ブタやニワトリなど一部の畜種については、ウイルスや寄生虫の感染があるため、加熱することが特に推奨される場合がある。詳細は豚肉#生食の危険性および鶏肉を参照されたい。
食感の改善
生の食肉は噛み切りにくく、部位によってはきわめて食べにくい食感を示すが、加熱することによりタンパク質が変性し、食べやすい食感となる。加熱の程度と食感の関係は部位によって異なり、加熱しすぎるとかえって硬くなり食べにくくなる部位や、長時間加熱することでようやく食べやすい食感となる部位も存在する。
味の付与
加熱により、新たな呈味もしくは味を修飾する成分が生じることが知られている。その本体は加熱により生じるペプチドで、肉様の味を増したり、酸味を抑制したりすることが明らかにされている。
香気の付与
加熱により肉独特の香りが生じる。これは肉の成分のみから生じる場合もあるが、調味料などの副材料と反応して生じる場合もある。牛肉における独特の加熱香気、とくに霜降り和牛の特徴的な加熱香気は前者に属することが明らかにされている。
食肉自身にも呈味成分は含まれているが、多くの場合、味や香りの付与を目的として調味することが多い。また、一部の調味料は食感の改善をもたらす場合がある。
食肉は、生食したり、あるいはわずかな加熱により生に近い状態で食べられることがある。また、加熱しない場合でも、酢などを含んだ調味液でマリネして食べられるケースもある。
極地など、農耕が不可能なため新鮮な植物性食品を入手できない地域では、必須ビタミンなどを食肉から得る必要があるといった栄養上の必要性から生食を行う食文化が存在する。
主な肉料理
ローストビーフ
ステーキ
タルタルステーキ
ハンバーグ
ミートローフ
焼肉
プルコギ
サムギョプサル
ジンギスカン鍋
すき焼き
しゃぶしゃぶ
牛丼
フリカッセ
馬刺し
ユッケ
カルパッチョ
食肉を主食に近い形で扱っている国々では、食肉科学はひとつの分野を形成している。専門的な国際学術雑誌もいくつか発行されており(著名なものとしてはMeat Science誌[3])、また毎年国際食肉科学技術会議[4]が開催されている。
日本では小規模ながら日本食肉研究会[5]と呼ばれる学術団体が存在している。
関連項目ウィキメディア・コモンズには、 ⇒食肉 に関連するカテゴリがあります。ウィクショナリーに ⇒食肉の項目があります。
牛肉- 牛海綿状脳症 - BSE問題
豚肉
鶏肉
畜産副生物 - もつ
マンガ肉
筋肉 - 骨格筋
畜産 - 家畜 - と畜場 - 屠殺
食鳥処理衛生管理者 - 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律
食品 - 食材
畜産学
食肉偽装事件
脚注^ ⇒日本食肉格付協会により規格化および運用されている。
^ USDA yield gradeとUSDA quality gradeがある。詳細は ⇒USDA quality standardsを参照のこと
^ エルセビア・サイエンス社 ⇒Meat Science誌
^ ⇒International Congress of Meat Science and Technology
^ ⇒日本食肉研究会
カテゴリ: 農学 | 畜産物 | 日本の肉料理 | 肉料理
更新日時:2008年9月20日(土)14:18
取得日時:2008/10/11 17:00