豪州においては、Meat Standard Australia(MSA)と呼ばれる規格により格付が行われる。日本や米国と異なり、枝肉ではなく、部分肉の段階で格付されるのが特徴である。
食肉は、その保存性や市場価値を高めるため加工されることがある。主要な加工品はハム・ソーセージである。保存性や官能特性を高める加工法として、塩漬、加熱、燻煙、発酵などが用いられる。
塩漬
塩漬には主に亜硝酸塩が用いられる。亜硝酸は食肉の色素と反応して美しい加工肉の色を生じさせるとともに、ボツリヌス菌の増殖を抑制させ、保存性を向上させる。
加熱
ソーセージ製造などの際は、ボイルによる加熱処理を行い、保存性や食感を向上させる。
燻煙
ソーセージやハムなどのように燻煙(スモーク)を行うことで、表面に雑菌をつきにくくするとともに水分活性を低下させて保存性を高め、さらに独特の香気を付与して風味を向上させる。
発酵
主として乳酸発酵を行うことで、乳酸酸性として雑菌の繁殖を抑制するとともに、独特の発酵香気を付与して風味を向上させる。主として発酵ソーセージにおいて行われる。
食肉は、多くの場合加熱調理により食用に供される。加熱調理は、食肉の衛生を確保するとともに、食感を改善し、加熱肉独特の風味や香気を付与する。また、必ずしも加熱調理されるとは限らず、生食する場合もある。
また、加熱のほかにも食感や風味、香気の付与を目的とした調理操作がある。本記事ではこれら調理操作のうち特に食肉に特有な内容について述べる。総論については調理を参照されたい。
食肉の加熱調理の意義は以下のとおりである。
衛生面の確保
部分肉を精肉に加工すると、加工器材との接触や、表面積の増大による空気との接触の増加から、細菌による汚染にさらされやすい。よって、加熱によりこれら細菌を死滅させることで衛生を確保する。ブタやニワトリなど一部の畜種については、ウイルスや寄生虫の感染があるため、加熱することが特に推奨される場合がある。詳細は豚肉#生食の危険性および鶏肉を参照されたい。
食感の改善
生の食肉は噛み切りにくく、部位によってはきわめて食べにくい食感を示すが、加熱することによりタンパク質が変性し、食べやすい食感となる。加熱の程度と食感の関係は部位によって異なり、加熱しすぎるとかえって硬くなり食べにくくなる部位や、長時間加熱することでようやく食べやすい食感となる部位も存在する。
味の付与
加熱により、新たな呈味もしくは味を修飾する成分が生じることが知られている。その本体は加熱により生じるペプチドで、肉様の味を増したり、酸味を抑制したりすることが明らかにされている。
香気の付与
加熱により肉独特の香りが生じる。これは肉の成分のみから生じる場合もあるが、調味料などの副材料と反応して生じる場合もある。牛肉における独特の加熱香気、とくに霜降り和牛の特徴的な加熱香気は前者に属することが明らかにされている。
食肉自身にも呈味成分は含まれているが、多くの場合、味や香りの付与を目的として調味することが多い。また、一部の調味料は食感の改善をもたらす場合がある。
食肉は、生食したり、あるいはわずかな加熱により生に近い状態で食べられることがある。また、加熱しない場合でも、酢などを含んだ調味液でマリネして食べられるケースもある。
極地など、農耕が不可能なため新鮮な植物性食品を入手できない地域では、必須ビタミンなどを食肉から得る必要があるといった栄養上の必要性から生食を行う食文化が存在する。
主な肉料理
ローストビーフ
ステーキ
タルタルステーキ
ハンバーグ
ミートローフ
焼肉
プルコギ
サムギョプサル
ジンギスカン鍋
すき焼き
しゃぶしゃぶ
牛丼
フリカッセ
馬刺し
ユッケ
カルパッチョ
食肉を主食に近い形で扱っている国々では、食肉科学はひとつの分野を形成している。専門的な国際学術雑誌もいくつか発行されており(著名なものとしてはMeat Science誌[3])、また毎年国際食肉科学技術会議[4]が開催されている。
日本では小規模ながら日本食肉研究会[5]と呼ばれる学術団体が存在している。
関連項目ウィキメディア・コモンズには、 ⇒食肉 に関連するカテゴリがあります。ウィクショナリーに ⇒食肉の項目があります。
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