食肉
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その他
肉畜以外の陸棲動物
いわゆる肉畜に分類されない場合であっても、イノブタダチョウなど、食肉を得ることを目的として肥育される場合がある。また、イノシシシカクマなどのように、狩猟により得られる食肉もある。また、家禽でない鳥類も狩猟により捕獲して食用に供する場合がある。
水棲哺乳類
クジライルカなど、水棲哺乳類の可食部位も食肉に分類される。
両生類
カエルは筋肉が食用に供されることがある。
魚肉(魚肉練り製品)?
魚肉は英文ではfish meatであり、動物の筋肉という点ではいわゆる食肉との区別は無いが、学問的には魚類の肉は、上記に示した食肉とは別のものとして取り扱われることが多い。


食肉の生産

食肉が生産されるためには、一般に肉用の家畜および家禽を肥育し、これをと畜もしくはと鳥して解体し、必要に応じて熟成を施す必要がある。前述のように、狩猟などによって得られた場合は肥育およびと畜のプロセスを経ない場合も存在する。


肥育

食肉を得ることを主目的として家畜を飼養管理することを肥育と呼ぶ。誕生直後から肥育を行うことはあまり無く、一般的に肥育に適する月齢まで育成したものを肥育に供する。肥育期においては、肉が十分つくだけでなく、肉質が十分高まるような管理が行われる。

廃用牛などであっても、そのまま出荷せずに一定期間肥育がなされることもある。

肉質は遺伝的因子や飼料成分、および飼養環境などにより変動する。


と畜

肥育された動物は、と畜場においてと畜される。食鳥の場合はと鳥と呼ぶ。

食肉としての品質を確保するため、ストレスの出来るだけ少ないと畜法や、筋肉に血斑(スポット)の残存しない放血法が用いられる。と畜の後、非可食部位やその他の副生物は取り除かれる。

ウシやブタなどの肉畜の場合は、背骨に沿って左右に切断される。このように左右に切断されたそれぞれを枝肉と呼ぶ。ニワトリなどのように、枝肉の形態をとらないものもある。と畜の後、と体もしくは枝肉は冷却される。


解体

冷却ののち、と体や枝肉のままでは流通に適さない場合、部位ごとに解体する。


熟成

筋肉は、と畜直後は死後硬直により硬くなり、そのまま食用に供することは出来ないため、熟成を経て解硬させてから食用に供する。熟成は基本的に枝肉の段階で行われる。

熟成に要する期間は畜種ごとに異なる。ウシなどの場合は、解硬のみならず、熟成によって生じる独特な香気を十分に発生させるため、十分解硬したのちもさらに長期に熟成させることもある。


成分と機能

本項では食肉の主な成分と、それらが栄養や味および香り、さらに健康機能などにおよぼす影響を述べる。


主な成分

食肉の主な成分はであり、他にタンパク質脂質無機質ビタミンなどで構成される。
タンパク質
食肉のタンパク質は、主に筋線維を構成するタンパク質、筋漿に溶解しているタンパク質、および結合組織を構成するタンパク質に分けられる。
脂質
食肉中の脂質の多くは中性脂質であるが、それらのほとんどは筋間脂肪組織および筋肉内脂肪組織(いわゆる「霜降り」)に分布する。霜降りの存在により、脂肪の含有量はバリエーションが大きく、牛肉のロース(胸最長筋)では40%を超えるもの、豚肉のロースでも近年は10%を超えるようなものも出てきている。また、リン脂質も含まれるが、これらは細胞膜等の膜に局在している。
無機質
食肉中の無機質で特に重視されているのはである。実際にはヘム鉄の形態で、ミオグロビンおよびヘモグロビンとして存在している。
ビタミン
とくに豚肉において、ビタミンB1(チアミン)が多く含まれることが良く知られている。


栄養学的な特徴

上記のような成分構成から、食肉はタンパク質および鉄について、優れた給源であると考えられている。他方、霜降りの多い食肉は脂肪の含量が多すぎることから、健康状態によっては極端に脂肪の多い食肉を摂取しないよう指導する場合もある。

また、豚肉はビタミンB1の優れた供給源である。

鉄については、無機の鉄よりもヘム鉄の方がよく吸収されることが知られ、このため食肉は優れた給源であると考えられている。


官能特性と成分

味や香り、見た目といった食肉の官能特性は、含まれる成分によりもたらされるものである。

食肉の呈味成分としては、酸味を呈する乳酸をはじめとする有機酸うま味を呈するアミノ酸核酸イノシン酸)およびペプチド塩味を呈する無機塩類、甘味を呈する還元糖などがある。実際にはうま味や酸味が重要だと考えられている。脂肪のおいしさも想定されているが、それが味であるのか香りであるのかについては判然としない。
香り
食肉を特徴付ける「肉らしい香り」は複数の成分によってもたらされるもので、いわゆるキーコンパウンドは存在しないと考えられている。肉の種類などによっても成分は異なり、一概に説明できないのが現状である。肉の悪い臭いについては、オスに由来するいわゆる性臭や、糞便に由来するインドール系の臭気、および保存によって生じる酸化臭などが知られており、それぞれ成分の同定が進められている。
食感
食肉の食感は、主に構成するタンパク質のうち、筋線維を構成するものと、筋肉内結合組織を構成するタンパク質によってもたらされているものと考えられている。
外観
食肉を特徴付ける赤い色はミオグロビンによるものである。ミオグロビンはその誘導体の種類により呈する色が変化するが、好まれる鮮やかな赤色は、ミオグロビンが酸素と結合したオキシミオグロビンによるものである。オキシミオグロビンはさらに酸化されるとメトミオグロビンになるが、このメトミオグロビンは、消費者に好まれない褐色を呈する。食肉を放置すると色が悪くなるのはこのためである。
畜種による官能特性の違い
動物種により味や香り、食感が異なると思われているが、実際に異なるのは香りと食感であり、味は動物間による違いが無いことが明らかにされている。


機能性

食肉を機能性食品として取り扱う例はあまり多くないが、前述の鉄の吸収が良い点などを機能性として紹介する例がある。


流通


流通形態

食肉の流通形態は、大きくと体、枝肉、部分肉、精肉に分けられる。また、加工品として流通する場合もある。
と体
と畜、と鳥した動物の体をと体と呼ぶ。内臓等を除く前、除いた後のいずれともと体と呼ぶ。
枝肉
肉畜において、と体から内臓や原皮等、畜産副生物に相当する部位を除去し、脊髄で左右に切断したものを枝肉と呼ぶ。日本では、枝肉の段階で格付やせりが行われる。ウシの枝肉では、腎臓および周囲脂肪をつけたままにしておくかどうか、国ごとに慣行が異なり、日本では腎臓と周囲脂肪をつけたままにしておくのが一般的である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen