江戸時代になると、公家と武家の間の階層は最終的な形が定着する。公家は摂家・清華家・大臣家・羽林家・名家・半家といった家格があり、またその下には地下と呼ばれる下級の公家がおり、同じ血筋における直系と傍系の差や代々授けられた官位に基づいて階層化された。一方、武家は将軍を頂点にその直臣は大名、旗本、御家人に大別され、また大名以下の家臣(陪臣)にも様々な家格が形成された。武家は血筋もさることながら、功績によって認められた領地や勢力、特別な格式など複合的な事由が家格を決定する要素となった。また、武家は家格の上昇、下降が存在した。
また、江戸時代には公家、武家の下に農民、職人、商人が身分として認められ、かつそのそれぞれが生業や資産、社会的な地位などによって階層化されていた。
明治時代(より正確には大日本帝国憲法成立)以降、それまでの封建的身分社会における階級は天皇の一族である皇族、公家大名などを中心とした華族、武士階級を中心とした士族、農民や町人を中心とした平民に分けられた。これらの分類の呼び名を族称という。四つの族称に分類された各階級の人々は明治新政府の発した四民平等の方針の下でそれぞれの階級間の通婚を許され、基本的には天皇の前に平等とされた。
これは近代国家として世界に通用する日本を建設する上で不合理な身分制の残る国というイメージを払拭する狙いがあり、また天皇を中心とした富国強兵を押し進める上では階級間の差別等を是正する効果があった一方、封建的要素も色濃く残した。
特に華族については、それまでの支配階級として既得権を奪うことで世情が混乱するおそれが考慮されたり、天皇を中心とした国家建設に向けて皇室の藩屏を担う存在が必要とされたため、それまでの支配階級を特別な身分として遇したものである。華族は、貴族院議員への選出や官僚への登用、学習院への修学などで、様々な特権を享受した。
中間的な階級である士族に関しては、髷の禁止や廃刀令による刀を佩くことの禁止、無礼討ちや仇討ちの禁止、俸禄の廃止といった既得権を奪う施策が段階的に実施され、最終的にはほとんど平民とかわるところがなくなった。
平民は厳しい身分社会から解き放たれて他身分との通婚なども可能になったことに加えて、学業優秀な者は大学へ進学して学位を得て官僚に登用されたり、軍人になるなどの手段を通じて立身出世する道が開かれた。また、高額納税者であれば貴族院議員への選出も可能であった。
士族や平民で、官僚や軍人となった者は、位階勲等をはじめ、官吏としての地位、称号、特権を享受し、また軍人であれば軍功によって功級を与えられる栄誉も受けた。また、国家に対する功績が絶大と認められれば、新たに華族として受爵する可能性すらもあった。
しかしこの一方で、家柄という江戸時代以来の価値観は厳然と残り、明治以降の社会構造は身分社会を厳格なものから多少緩やかなものとしたに過ぎないという向きもある。さらには江戸時代以前の被差別民は平民に編入されたものの、彼らへの差別は厳然として残されていた。
階級呼称は、職階としての階級に与えられた呼称である。
職階としての階級は様々な組織の中に存在する。特に、警察や自衛隊のような強い統制力を要請されている機関では、法律により「階級」が厳格に定められていることが普通である。警察や自衛隊に限らずとも、国や地方公共団体などの公的機関では、戦前の官吏・吏員制度の名残や、戦後公務員制度の職階制の原則が終身雇用による採用種別ごとの待遇格差や採用年次ごとの横並び昇進で変則的に実施されてきた結果、事実上の階級制度が形成されているといえる。
また、民間の組織でも職務の度合いに応じて責任を示す肩書きを用いるが、特に歴史のある企業や特殊法人などの公的機関の影響が強い組織では、職層を示す階級(主事、主幹、参事、理事など)を持ち、これに応じた役職に就けるという人事制度を有していることがある。
以下では、日本社会においてみられる組織内の階級、職階や、歴史的・慣習的な階級、技能の階級等を例示する。これは必ずしもすべては網羅したものではなく、また並列しておかれている階級は必ずしも同質のものではない。
幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の教員には、教諭・講師などの職業上の階級がある。一般的に教員には、男女差別はあまり見られない。
また、高等教育が行われる学校(大学など)の教育職には、教授・准教授を始めとする階級的な呼称を有し、しばしば階級の上下によって学内、学部・研究科内、学科・課程・専攻内、講座・学科目内、研究室内での権限に格差が設けられている。これの階級呼称は長い歴史を持つもので、日本一国のみならず世界中の各国でも通用する。
このほか、学校教育法に定められている学位と称号も学術的な階級として見ることができるので、ここで取り上げる。
就学前教育・初等教育・中等教育での教員の職階
副校長
教頭
主幹教諭
指導教諭
教諭(司書教諭を含む)・養護教諭・栄養教諭
助教諭・養護助教諭
常勤講師
非常勤講師
実習助手
高等教育での教員の職階
名誉教授(称号)
教授
准教授(旧: 助教授)
専任講師
非常勤講師
助教
助手
現在の日本の学位は、「博士の学位」、「修士の学位」並びに「専門職学位」(「法務博士(専門職)」「教職修士 (専門職)」およびその他の「修士(専門職)」)、「学士の学位」、「短期大学士の学位」と主に4段階となっている。