阪神甲子園球場
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銀傘

銀傘は開設当初「鉄傘(てっさん)」と呼ばれ内野席全体を覆っており其の素材から「大鉄傘(だいてっさん)」と呼ばれて、更に1930年には女性客の人気を狙ってアルプススタンドまで拡張された。しかし、1943年太平洋戦争のあおりで鉄骨を軍事産業に提供するために取り外され、その後1950年まで7年間は青天井の状態が続いた。その後1951年ジュラルミン製の銀傘として復活したが、一・三塁内野席の半ばからネット裏の客席にだけの開設当初より小さいものが設置された。1982年アルミニウム合金製に葺き替えられ、現在に至っている。

銀傘を支えるための柱が客席内に立てられており、後ろの客席からは柱が邪魔になるため観戦し難くなっている。2008年の改修で架け替えられる新たな銀傘は、客席内の柱をかなり上段に設置する予定であり、土台はすでに存在している。また、新たな銀傘は一部の報道にあったようなアルプススタンドまでのものではなく、開設当初と同じ大きさのものである。

銀傘の中央部には、野球中継で使用するためにテレビ各局が共同でリモコンカメラを設置している。このカメラは2台設置されているため、地上波の並列中継(高校野球ではNHK民放、プロ野球では在阪局とサンテレビ)があってもそれぞれ1台ずつ使用できる(ハイビジョン対応)。


スタンド

平屋建てで収容人員46,000人以上という規模からもわかるように、非常にスケールの大きな球場である。特に、外野席は他球場の倍程度の規模を誇り、他に類を見ない。よく阪神タイガースの新外国人選手が開幕前に阪神甲子園球場のフィールドに足を踏み入れて「非常に大きな球場だ」と驚く姿が関西スポーツ新聞の1面を飾る事がある。また、内野席は最前列がグラウンドレベルになっており、通常グラウンドレベルにある本塁後方のアナウンス室などは半地下となっている。

スタンドの設計は優れており、どこからも見やすく工夫されているが、リニューアル工事(後述)前の座席の座り心地は現代の球場の基準からすれば劣る部類に入っていた。特に座席の間隔が狭いために足元に荷物が置けない席が多く、売店に物を買いに行くときなどの席の出入りは困難を伴った。内野席のリニューアル工事では最大収容人員が減らされ、居住性の改善がなされた。リニューアルの済んでいないアルプススタンド、外野スタンドは長椅子で傷みも激しい。また、現在内野スタンドと外野スタンドに建っている照明塔も客席内に立っている柱が邪魔になるためリニューアル工事で撤去し、新たに球場の外に(前方の柱は最上段付近)照明塔を建てる予定である。

内野スタンド、アルプススタンド、外野スタンドはそれぞれわかれた構造となっており、内野スタンドとアルプススタンドは3階の通路でつながっている。それぞれスタンド間にはグラウンドから球場外まで通じる通路があり、リリーフカーの出入りや観客の退場路などに使用されている。

アルプススタンドの1階は室内練習場となっており、客用の通路、売店、トイレ、喫煙所は3階となっている。また、3階の通路は狭く、トイレは外壁から外に突き出したような感じで設置され通路から中が丸見えである。通路の先端には立食形式の軽食堂があり、カレーライス、うどん、お好み焼、焼き鳥、かき氷等が売られている。

外野席の売店、食堂は通路に椅子、テーブル、調理台を並べた形となっている。日によっては焼き鳥や串焼きの煙で外野席の上空が少し霞んでいることもある。


座席区分

バックネット裏の「グリーンシート」を中心として、外野スタンドに向かって「アイビーシート」、「アルプス席」と続いている。さらにフィールドシートとしてグリーンシート下部に「TOSHIBAシート」、アイビーシート下部に「みずほ銀行シート」を設けている。これらのフィールドシートの名称はネーミングライツによるもので、2008年からの5ヵ年契約(高校野球開催時を除く)である。なお他の多くの球場と違い、フィールドシートには防球用の金網があり、さらに後列との往来は制限されていない。

2006年からレフト上段に「ビジター応援席」が設置されるようになった。ただし巨人戦と千葉ロッテ戦(翌2007年から)のみ下段最前列まで設定されている。2008年からは他の球団の範囲を若干増やした。(もともと対中日戦、対広島戦のみ増やす予定だったがコンピュータの不具合でほかの7球団でも増えることとなった。)なお、大阪ドームを同じ本拠地とするオリックス戦のみ、観客席でのトラブルをさけるためにアメリカの「シカゴカブス対シカゴホワイトソックス」、「ニューヨークヤンキース対ニューヨークメッツ」のように三塁側の分配を検討している。

高校野球においては全席自由席となり、グリーンシートとTOSHIBAシートが「中央特別自由席」、アイビーシートとみずほ銀行シートが「1塁特別自由席」と「3塁特別自由席」になる。アルプス席はそのままであるが、学校の応援団が優先となる。外野席は無料開放(入場制限はある)される。

2001年まで「アルプス席」という名称は高校野球開催時のみ使用されていたが、プロ野球でも「アルプス席下さい」という人が後を絶たなかったので、2002年以降はプロ野球公式戦でも「アルプス席」という名称を用いている。巨人戦 およびオールスター戦日本シリーズなどの特別試合では『内野B指定席』と呼ばれていた。その他のプロ野球公式戦では、アルプススタンド=『内野自由席』であった。

改築前の座席区分はフィールドシート部分が「ボックスシート」、アイビーシート部分が「イエローシート」(一塁側)・「オレンジシート」(三塁側)であり、グリーンシート部分は今より狭いものであった。また席の色は緑・黄・オレンジとそれぞれ名称別に塗りわけられていた。2001年シーズンまではアルプスを除いた内野席上段部全体を『内野A指定席』と設定し、緑色のシートが設置されていた。

星野仙一は監督時代、オレンジシートを指して「あれじゃジャイアンツカラーじゃないか、変えたほうがいい」と言っており、実際に他の色に塗り替えられるのでは、とよく噂された。また星野は「あのシートをファンで埋めて、見えないようにしたい」という趣旨の発言もした。そのため、インタビューなどで「甲子園に来てください」と発言するようになった。さらに選手も同様の事を行い、観客増加に力を入れた。ただ、オレンジシートのメンテナンスはイエローシートほど行き届いておらず、色が褪せたり傷んでいる椅子もいくつか見受けられた。


ブルペン

アルプススタンド内部は簡易室内練習場となっており、プロ野球ではここにあるブルペンを使用し、中継ぎ投手が肩を作っている(指名されたら、アルプススタンドと外野スタンドの隙間からリリーフカーに乗せられ、マウンドに向かう)。アルプススタンドから通路への出入口が上部にしかないのはこのためである。室内練習場になる前は、一塁側は体育館、三塁側は25mの温水プールであった。「三塁側の室内練習場は天井が一塁側よりやや低く、床も高くなっている」「三塁側室内練習場の外にはマンホールが多数設けられている」など、元がプールであったことを彷彿とさせる部分が今も確認できる。

高校野球では雨天時や試合前の練習に使用されるのみで、試合中はファウルゾーンにあるブルペンを使用する。

ラッキーゾーン撤去後の数年間は、プロ野球でもファウルゾーンにあるブルペンを使用していた。



フィールド2007年8月時点のフィールド

建築当初はグラウンドは三角形で、ポール際のコーナーが丸みを帯びるという形状であったため、中堅120m、両翼110mに対し左右中間が128mもあるという設計で、1934年日米野球に出場したベーブ・ルースをして「この球場ではホームランは打てない」と驚かせた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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