阪神タイガースのホームグラウンドとしてプロ野球公式戦が開催されるほか、春・夏の高校野球が開催される球場としても知られ、「甲子園」といえば高校野球全国大会(春の選抜高等学校野球大会および夏の全国高等学校野球選手権大会)の代名詞となっている。この「甲子園」の名称は高校野球の代名詞に端を発し、今や野球に留まらず高校生の各種全国大会の代名詞として使われることもあり、特に高校生程度の若者が行う野球競技以外の文化系の部活動を中心に、その全国大会を『○○甲子園』と称している場合がある(甲子園の名がつく高校生大会一覧も参照)。
ただし、様々な競技が同時進行で行われる高校総体や国体、あるいはサッカーやラグビーといった競技の全国大会については、そのものが知名度が高い大会であるため「甲子園」と呼ぶことはない(サッカーは「国立」、ラグビーは「花園」と呼ばれる)。わかりやすく言えば、高文連主催でない文化系部活動の各種全国大会で「○○」甲子園と呼ばれることが多い。
かつてはサッカーJリーグエキシビションマッチや、戦前にはスキージャンプ競技大会など、野球以外の競技にも数多く使用されたが、現在は毎年12月開催のアメリカンフットボール東西大学王座決定戦「毎日甲子園ボウル」以外で定例的に使用されるケースはない。
近年は大学野球の試合にも使用され、毎年春・秋に開かれる関西六大学野球連盟と、関西学生野球連盟リーグ戦の一部試合(関関戦含む)が当球場にて実施されている。
南から北にかけて吹く浜風が強い日は、上空で風が舞っていて野手を悩ませる球場である。特に右方向(南)へ打球を飛ばす左打者にとっては不利な球場であり、この浜風で本塁打を損している選手は非常に多い。その一方で、左方向の打球はよく伸びる。
この浜風の特性を利用して、左打者であった掛布雅之やランディ・バースらは、芸術的と評される流し打ちでレフトスタンドへ本塁打を量産した。
アルプススタンドと外野スタンドの“隙間”は風の抜け道となっており、浜風が舞っている日でも右翼ポール際への打球はよく伸びる。赤星憲広が2005年に放った唯一の本塁打は、この阪神甲子園球場で右翼ポール際に放ったもの。
この浜風が発端となり試合の流れが180度変わってしまう事がみられるため、高校野球の試合の実況では「甲子園には魔物が棲んでいる」と言われる事がある。
また、コンサート等の野球以外のイベントでの使用は、TUBEが毎年9月に野外ライブを行っている他は近年少なくなっている。
プロ野球の応援や歓声は周囲の住宅に大きく響くため、午後10時以降はトランペット・太鼓を使った鳴り物応援は禁止となる。但し、阪神勝利時の六甲おろしは午後10時以降でも合唱される。
この他、紙テープ、紙吹雪、ウェーブによる応援は常時禁止されている。
設備・仕様外野スタンド席外壁に覆い尽くされた蔦右側から 一塁側アルプススタンド席、外野席、スコアボード外野席側からバックネット方面を望む。中央に写っているのが銀傘球場改修期間中に撤去予定とされるレフトスタンド照明塔を横から撮影
バックネット裏を覆う「銀傘(ぎんさん)」と呼ばれる大屋根、時計台型のスコアボード、そして蔦(つた)に覆い尽くされた球場外周の外壁が特徴。
銀傘は開設当初「鉄傘(てっさん)」と呼ばれ内野席全体を覆っており其の素材から「大鉄傘(だいてっさん)」と呼ばれて、更に1930年には女性客の人気を狙ってアルプススタンドまで拡張された。しかし、1943年に太平洋戦争のあおりで鉄骨を軍事産業に提供するために取り外され、その後1950年まで7年間は青天井の状態が続いた。その後1951年にジュラルミン製の銀傘として復活したが、一・三塁内野席の半ばからネット裏の客席にだけの開設当初より小さいものが設置された。1982年にアルミニウム合金製に葺き替えられ、現在に至っている。
銀傘を支えるための柱が客席内に立てられており、後ろの客席からは柱が邪魔になるため観戦し難くなっている。2008年の改修で架け替えられる新たな銀傘は、客席内の柱をかなり上段に設置する予定であり、土台はすでに存在している。また、新たな銀傘は一部の報道にあったようなアルプススタンドまでのものではなく、開設当初と同じ大きさのものである。
銀傘の中央部には、野球中継で使用するためにテレビ各局が共同でリモコンカメラを設置している。このカメラは2台設置されているため、地上波の並列中継(高校野球ではNHKと民放、プロ野球では在阪局とサンテレビ)があってもそれぞれ1台ずつ使用できる(ハイビジョン対応)。
平屋建てで収容人員46,000人以上という規模からもわかるように、非常にスケールの大きな球場である。特に、外野席は他球場の倍程度の規模を誇り、他に類を見ない。よく阪神タイガースの新外国人選手が開幕前に阪神甲子園球場のフィールドに足を踏み入れて「非常に大きな球場だ」と驚く姿が関西のスポーツ新聞の1面を飾る事がある。また、内野席は最前列がグラウンドレベルになっており、通常グラウンドレベルにある本塁後方のアナウンス室などは半地下となっている。
スタンドの設計は優れており、どこからも見やすく工夫されているが、リニューアル工事(後述)前の座席の座り心地は現代の球場の基準からすれば劣る部類に入っていた。特に座席の間隔が狭いために足元に荷物が置けない席が多く、売店に物を買いに行くときなどの席の出入りは困難を伴った。内野席のリニューアル工事では最大収容人員が減らされ、居住性の改善がなされた。リニューアルの済んでいないアルプススタンド、外野スタンドは長椅子で傷みも激しい。