銃刀法
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概要

制定当時の題名は「等」の位置が異なる「銃砲刀剣類等所持取締法」であったが、1965年7月15日の改正法施行により現在の題名となった。銃砲刀剣類の所持を原則として禁止し、これらを使った凶悪犯罪を未然に防止することを目的とする。銃砲・刀剣類の所持許可を与える者を限定し、許可を得た者に対しても銃砲・刀剣類の取り扱いについて厳しく定められ、これに違反すると罰せられる。


沿革

銃砲・刀剣類の取り締まりは、明治時代から行われ、「銃砲火薬類取締法」(明治43年法律第53号)では民間人の銃砲類所持を原則として禁じ、刀剣類についても明治9年太政官布告第38号(廃刀令、帯刀禁止令)により大礼服着用者・軍人警察官以外の帯刀は禁止されていた。

銃砲刀剣類所持等取締法は、第二次世界大戦後、日本軍の解体と軍国主義排除を徹底するため、GHQの指示を受けて定められた1946年ポツダム勅令の一つ、銃砲等所持禁止令(昭和21年勅令第300号)により銃砲等の所持を禁じたことを直接の由来とする。

当初はこのように軍事上の目的であったが、戦後急増した暴力団とその構成員による銃器犯罪や銃器を用いた対立抗争事件の頻発により、この法律は治安の回復と犯罪抑止に大きな役割を果たすこととなった。その取り締まり対象は、銃器本体の所持から輸入、譲渡し・譲受け、部品や実包の輸入・所持・受け渡し、銃砲の発射へと順次拡大して、銃器犯罪に対処している。


内容

総則

定義「銃砲」とは、拳銃小銃機関銃猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮ガスを使用するものを含む。)をいう。
「刀剣類」とは、刃渡15cm以上の刀、剣、やり及びなぎなた並びにあいくち及び45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り5.5cm以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であってみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で1cmの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して60度以上の角度で交わるものを除く。)をいう。


銃砲又は刀剣類の所持の許可に関する規定

所持の禁止法令に基づき職務のため所持する場合などを除き、原則として銃砲・刀剣類の所持は禁じられる。

許可銃砲・刀剣類の所持は、厳格な基準を満たした上で、所持しようとする銃砲又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。

許可の基準都道府県公安委員会は、次の者に銃砲・刀剣類の所持を許可してはならない。

18歳未満の者(一部の銃砲については14歳未満の者)

精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他銃砲又は刀剣類の適正な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかっている者

アルコール、麻薬、大麻、アヘン又は覚せい剤の中毒者

自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者

住居の定まらない者

許可を取り消された日や、この法律によって処罰された日から起算して五年を経過していない者など

集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者


射撃練習場、射撃指導員、射撃練習に関する規定


古式銃砲及び刀剣類の登録、刀剣類の製作の承認に関する規定都道府県の教育委員会は、美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類の登録をするものとする。登録を受けた銃砲・刀剣類については、所持が許可される。

雑則

譲渡の制限

発見及び拾得の届出

授受・運搬・携帯の禁止又は制限

準空気銃の所持の禁止

刃体の長さが6cmをこえる刃物の携帯の禁止

銃砲刀剣類等の一時保管

その他銃砲または刀剣類の仮領置に関する規制等


罰則


けん銃に関する罰則

けん銃等の発射 - 無期又は3年以上の有期懲役

けん銃本体に関して

けん銃等の輸入 - 3年以上の有期懲役

けん銃等の輸入(営利目的) - 無期若しくは5年以上の有期懲役、又は1000万円以下の罰金併科

けん銃等の所持 - 1年以上10年以下の懲役

加重所持 - 1年以上の有期懲役

けん銃等の譲渡し等 - 1年以上10年以下の懲役

けん銃等の譲渡し等(営利目的) - 3年以上の有期懲役、又は500万円以下の罰金併科

けん銃等の輸入予備 - 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

輸入資金提供等 - 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

けん銃等の譲渡し等の周旋 - 3年以下の懲役


部品に関して

けん銃部品の輸入 - 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

けん銃部品の所持 - 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

けん銃部品の譲渡し等 - 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

けん銃部品の譲渡し等の周旋 - 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金


けん銃実包に関して

けん銃実包の輸入 - 7年以下の懲役又は200万円以下の罰金

けん銃実包の輸入(営利目的) - 10年以下の懲役、又は300万円以下の罰金併科

けん銃実包の所持 - 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

けん銃実包の譲渡し、譲受け - 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

けん銃実包の譲渡し、譲受け(営利目的) - 7年以下の懲役、又は200万円以下の罰金併科

けん銃実包の譲渡し、譲受けの周旋 - 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金


2007年12月30日以降の罰則

2007年11月30日改正銃刀法が公布され、罰則が強化される。主な内容は以下のとおり

団体の行為としてのけん銃等発射罪 - 無期若しくは5年以上の有期懲役、又は3000万円以下の罰金併科

けん銃等営利輸入罪の罰金の上限が3000万円に引き上げ

けん銃等複数所持罪の新設 - 1年以上15年以下の懲役


刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止

第22条に「業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と規定され、これに違反した者には、第31条の18第3号により2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることとなっている。

第22条ただし書で、刃体の長さが8センチメートル以下に刃物の携帯が認められるものとして、施行令第9条に
刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ

折りたたみ式のナイフであって、刃体の幅が1.5センチメートルを、刃体の厚みが0.25センチメートルをそれぞれこえず、かつ、開刃した刃体をさやに固定させる装置を有しないもの

法第22条の内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが8センチメートル以下のくだものナイフであつて、刃体の厚みが0.15センチメートルをこえず、かつ、刃体の先端部が丸みを帯びているもの

法第22条の内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが7センチメートル以下の切出しであつて、刃体の幅が2センチメートルを、刃体の厚みが0.2センチメートルをそれぞれこえないもの

が定められている。

なお、軽犯罪法第1条第2号に「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」について、拘留または科料に処せられることとなっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen