金円券の急速な価値の下落と悪性インフレの進行は国民政府の財政と通貨政策に起因するものである。国民政府は経済力の裏付けを無視し戦争を遂行し、その戦費を補填する為に紙幣の発行を進めたことでインフレが進行した。発行量の制限を失った金円券は、市場経済を無視した物価統制を行う事で金融混乱を引き起こし、最終的には市場の崩壊に至ったのである。
金円券で最も大きな被害を受けたのは都市部の小規模資産階級である。大資本家と異なり財政基盤が脆弱で、また財産を保護する術を知らず、金円券発行当初は強制的に、または政府を信頼して財産を金円券に兌換したが、その後のインフレにより致命的な打撃を受けることとなった。国民党政府は金円券の発行により民間の貴金属と外貨を回収し一時的に財政危機から脱したが、本来国民党を支持するはずの都市部住民の信頼と支持を失い、国共内戦で国民党政府が瓦解する遠因を作ったということが出来る。
金円券発行当時、台湾省政府は金円券発行の準備を進めた。台湾を代表する企業である台糖公司の総資産を1億2千万USDを金円券4,300万元、台湾造紙の総資産を2,500万USDとし、金円券で800万元に交換し台湾を中国大陸でのインフレの嵐に巻き込む事となった。当時金円券1元=台幣1,835元のレートを示し台湾の経済状況は悪化の一途を辿ることとなった。 カテゴリ: 中国の経済史 | 中華民国の政治 | 戦後台湾
更新日時:2008年5月28日(水)17:16
取得日時:2008/08/30 14:45