野球場
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付帯設備

おおむね次のようなものがあるが、野球場の規模によって付帯する設備は大きく異なる。


フェンス

外野及びファウルゾーンに設け、グラウンドとグラウンド外とを区切る柵。コンクリートパネルや金網などが用いられる。野手がフェンス際の打球を取りに出て衝突した際に怪我をしないよう、コンクリート部分には発泡ラバーや発泡ウレタンなどの素材で造られた緩衝材を設けているところが多い。

1977年4月29日川崎球場で開催された大洋ホエールズ阪神タイガース9回戦で、左翼への飛球を追った阪神・佐野仙好がフェンスのコンクリート部に頭を強打し重傷を負ったことがきっかけで、プロ本拠地にはラバーフェンスの設置が義務付けられた。また1988年以降は、フェンスに緩衝材が設置されていない野球場では地方に所在するものも含め、プロ野球の試合は一切開催できないと取り決められており、現在はアマチュア野球の公式戦の多くも、緩衝材が設けられている野球場で行われている。

また、西武ドームや長野オリンピックスタジアムなどファウルゾーン内にブルペンを設けている野球場では、グラウンド間を金網フェンスなどで区切っているところがある。このうち西武ドームでは2001年6月20日に開催された西武ライオンズ大阪近鉄バファローズ16回戦で、一塁側ファウルゾーンへの飛球を追った西武・平尾博嗣がブルペンのフェンスに衝突した際、右足のスパイクを金網に引っ掛けて足首を強く捻り、複雑骨折する重傷を負ったのがきっかけで、同年オフにブルペンのフェンス下部をラバーフェンスに改修している。


バックネット

本塁の後方に設けられる網で、ファウルボールがグラウンドの外に出るのを防ぐ。支柱を立てて金属製もしくは合成繊維製の網を張る。観客席のある野球場では視認性を良くするために、観客席上に張ったロープからステンレスなどの網を吊り下げる方式が多い。メジャーでは観客に臨場感を楽しんでもらうために、バックネットが設置されていない球場もある。


ファウルポール

打球がフェアかファウルかを判断するため、ファウルラインがフェンスと接する地点に立てる柱。公認野球規則では「白く塗らなければならない」と定められているが、打球の判別の便宜上、他の色でもよいとされている。白色ではボールが見えにくいことがあるため、現在はより判別しやすい黄色や橙色が多く使われている。また判断をより正確にするため、ポールのフェア地域側にネットを取り付けたものもある。

打球が直接ファウルポールに接触した場合は本塁打、打球が地面やフェンスに当たってからポールに接触した場合はエンタイトル二塁打となる。


スコアボード

競技の得点を表示するための設備。通常、外野中堅の後方に設けられることが多い。従来はイニングスコアや選手名をパネルにより掲出する方式が一般的で、鉄や木のパネルに手書きするか、紙に印刷したものを貼付して表示していた。故に表示の際には人力による作業を必要とするため、出場選手が交代する場合等にはパネルの入れ替えや書き換えに手間取ることもしばしばあった。

今では電球や高輝度放電管、発光ダイオード(LED)を使用した電光式のシステムや、電磁石で制御する磁気反転式のシステムを使用して表示部を遠隔操作する方式が主流となりつつある。また1997年以降、日本のプロ12球団が本拠地とする野球場は全て電光式を採用しており、それに加え大型映像装置が設置されている。これによりボールカウント、アウトカウント、プレイヤーの氏名、打順と守備位置、審判名のほか、投手の球速、打者の現時点における打率・本塁打・打点(その打席での結果如何でこれら数値は変動するが、これも演算により修正可能で、上昇・下降が即時表示される)、果ては風向・風速などさまざまな情報を表示できる他(千葉マリンスタジアム。測定用の風車がフラッグポールと同じ位置にある)、映像装置を使用して観客により多くの情報を提供でき、かつ様々な演出が行えるようになった。

1980年代後半から各地で採用されている磁気反転式のスコアボードは、ランニングコストやメンテナンスの低廉さと直射日光下での視認性の高さから主に地方球場で普及したが、表示部が自ら光を発せないため夜間にはスコアボード全体をライトアップせねばならず、また経年劣化すると表示部が帯磁して動作に不具合をきたしやすいという難点があり、老朽化して動作不良を起こすケースがしばしば発生している。近年は地方球場においても、消費電力が少なく且つ昼夜を問わず視認性を確保できるLED式のスコアボードを採用する例が多くなりつつある。


バックスクリーン

外野の中堅後方に設けられる暗色の板状の部分。打者・捕手・球審が投手の投球を視認しやすいように設けられる。日本では一般にバックスクリーンと呼ばれるが、これは和製英語で、英語ではcenterfield screen、もしくはcenterfield fence、batter's eye screenなどと呼ばれる。

公認野球規則に定めはないが、プロ野球球場ではバックスクリーンかこれに類似した措置(それに相当する外野席を暗色にしてその部分には観客を入場させないなど)が執られている。スコアボードと一体化されている野球場も多い。

バックスクリーンを参照


ブルペン

投球練習場。内野ファウルグラウンドに多く設けられたが、甲子園球場や藤井寺球場では外野ラッキーゾーンにあった。練習中に打球が当たる恐れなどもあることから、近年、プロ野球球場では観客席下など(1階の関係者施設地区)に設けていることが多い。メジャーリーグの球場では外野席と外野フェンスの間、ファウルグラウンドなどフィールド上に設けられている場合が多い。

ブルペンを参照


プレーヤーズベンチ

両チームの選手、コーチなどの控え場所で、一塁、三塁のファウルグラウンド外側に設けられる。日本では通常一塁側をホームチーム、三塁側をビジターチームが使うが、野球規則にはどちらをホームチーム側とすべきといった規則は無い。公認野球規則1.08には「ホームクラブは、各ベースラインから最短25フィート (7.62m)離れた場所に、ホームチーム及びビジティングチーム用として、各一個のプレーヤーズベンチを儲け、これには左右後方の三方に囲いをめぐらし、屋根を設けることが必要である」とある。グラウンドよりも低い位置に設けられたものを「ダッグアウト」(dugout)、グラウンドと同じ高さに設けられたものを「ベンチ」(bench)と呼ぶ。プロ野球球場では、観客席を設ける関係でグラウンドよりも低い場所に設けられることが多い。


観客席(スタンド)

競技を観覧するための座席を備えた建物。グラウンドに向かって階段状に設けられる。重層になっていたり、屋根が付いたりする場合もある。また小規模な野球場では外野席が土盛り(芝生のみで座席が設けられないことも多い)であったり、観客席が内野にしか設置されていないものも見られる。2008年現在日本国内でプロ野球本拠地として使用されている13球場のうち、西武ドームのみ外野席が一部を除いて芝生のみで座席が設けられていない。


照明

夜間(昼間でも薄暗い時等)に試合を行うためにグラウンドを照らす設備。グラウンド全体を照らすため、複数(数個〜数百個前後)の電球から成る照明を鉄塔など一定の高さの場所に設置する。光源には水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプなどが用いられる。また、これら複数の光源を組み合わせ、昼光色を可能な限り再現したものは「カクテル光線」と呼ばれ、こうした照明設備の灯りを表現する言葉としてしばしば用いられる。照明設備は複数の鉄塔(4〜6基)に架設する形式のものが最も一般的だが、千葉マリンスタジアム岡山県倉敷スポーツ公園野球場(マスカットスタジアム)、松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)などではスタンドの庇(ひさし)に照明を架設する手法が用いられている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen