打球がフェアかファウルかを判断するため、ファウルラインがフェンスと接する地点に立てる柱。公認野球規則では「白く塗らなければならない」と定められているが、打球の判別の便宜上、他の色でもよいとされている。白色ではボールが見えにくいことがあるため、現在はより判別しやすい黄色や橙色が多く使われている。また判断をより正確にするため、ポールのフェア地域側にネットを取り付けたものもある。
打球が直接ファウルポールに接触した場合は本塁打、打球が地面やフェンスに当たってからポールに接触した場合はエンタイトル二塁打となる。
競技の得点を表示するための設備。通常、外野中堅の後方に設けられることが多い。従来はイニングスコアや選手名をパネルにより掲出する方式が一般的で、鉄や木のパネルに手書きするか、紙に印刷したものを貼付して表示していた。故に表示の際には人力による作業を必要とするため、出場選手が交代する場合等にはパネルの入れ替えや書き換えに手間取ることもしばしばあった。
今では電球や高輝度放電管、発光ダイオード(LED)を使用した電光式のシステムや、電磁石で制御する磁気反転式のシステムを使用して表示部を遠隔操作する方式が主流となりつつある。また1997年以降、日本のプロ12球団が本拠地とする野球場は全て電光式を採用しており、それに加え大型映像装置が設置されている。これによりボールカウント、アウトカウント、プレイヤーの氏名、打順と守備位置、審判名のほか、投手の球速、打者の現時点における打率・本塁打・打点(その打席での結果如何でこれら数値は変動するが、これも演算により修正可能で、上昇・下降が即時表示される)、果ては風向・風速などさまざまな情報を表示できる他(千葉マリンスタジアム。測定用の風車がフラッグポールと同じ位置にある)、映像装置を使用して観客により多くの情報を提供でき、かつ様々な演出が行えるようになった。
1980年代後半から各地で採用されている磁気反転式のスコアボードは、ランニングコストやメンテナンスの低廉さと直射日光下での視認性の高さから主に地方球場で普及したが、表示部が自ら光を発せないため夜間にはスコアボード全体をライトアップせねばならず、また経年劣化すると表示部が帯磁して動作に不具合をきたしやすいという難点があり、老朽化して動作不良を起こすケースがしばしば発生している。近年は地方球場においても、消費電力が少なく且つ昼夜を問わず視認性を確保できるLED式のスコアボードを採用する例が多くなりつつある。
外野の中堅後方に設けられる暗色の板状の部分。打者・捕手・球審が投手の投球を視認しやすいように設けられる。日本では一般にバックスクリーンと呼ばれるが、これは和製英語で、英語ではcenterfield screen、もしくはcenterfield fence、batter's eye screenなどと呼ばれる。
公認野球規則に定めはないが、プロ野球球場ではバックスクリーンかこれに類似した措置(それに相当する外野席を暗色にしてその部分には観客を入場させないなど)が執られている。スコアボードと一体化されている野球場も多い。
バックスクリーンを参照
投球練習場。内野ファウルグラウンドに多く設けられたが、甲子園球場や藤井寺球場では外野ラッキーゾーンにあった。練習中に打球が当たる恐れなどもあることから、近年、プロ野球球場では観客席下など(1階の関係者施設地区)に設けていることが多い。メジャーリーグの球場では外野席と外野フェンスの間、ファウルグラウンドなどフィールド上に設けられている場合が多い。
ブルペンを参照
両チームの選手、コーチなどの控え場所で、一塁、三塁のファウルグラウンド外側に設けられる。日本では通常一塁側をホームチーム、三塁側をビジターチームが使うが、野球規則にはどちらをホームチーム側とすべきといった規則は無い。公認野球規則1.08には「ホームクラブは、各ベースラインから最短25フィート (7.62m)離れた場所に、ホームチーム及びビジティングチーム用として、各一個のプレーヤーズベンチを儲け、これには左右後方の三方に囲いをめぐらし、屋根を設けることが必要である」とある。グラウンドよりも低い位置に設けられたものを「ダッグアウト」(dugout)、グラウンドと同じ高さに設けられたものを「ベンチ」(bench)と呼ぶ。プロ野球球場では、観客席を設ける関係でグラウンドよりも低い場所に設けられることが多い。
競技を観覧するための座席を備えた建物。グラウンドに向かって階段状に設けられる。重層になっていたり、屋根が付いたりする場合もある。また小規模な野球場では外野席が土盛り(芝生のみで座席が設けられないことも多い)であったり、観客席が内野にしか設置されていないものも見られる。2008年現在日本国内でプロ野球本拠地として使用されている13球場のうち、西武ドームのみ外野席が一部を除いて芝生のみで座席が設けられていない。
夜間(昼間でも薄暗い時等)に試合を行うためにグラウンドを照らす設備。グラウンド全体を照らすため、複数(数個〜数百個前後)の電球から成る照明を鉄塔など一定の高さの場所に設置する。光源には水銀灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプなどが用いられる。また、これら複数の光源を組み合わせ、昼光色を可能な限り再現したものは「カクテル光線」と呼ばれ、こうした照明設備の灯りを表現する言葉としてしばしば用いられる。照明設備は複数の鉄塔(4〜6基)に架設する形式のものが最も一般的だが、千葉マリンスタジアムや岡山県倉敷スポーツ公園野球場(マスカットスタジアム)、松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)などではスタンドの庇(ひさし)に照明を架設する手法が用いられている。野球場の照度は硬式、軟式と競技区分別にJIS規格で定められており、プロ野球の場合内野は1500〜3000ルクス、外野は750〜1500ルクスの平均照度が必要とされている。
日本で初めて野球場の照明設備を設置したのは早稲田大学の戸塚球場で、1933年7月に完成した。高さ30.6mの照明塔6基に1.5kwの電球を156個取り付けたもので、照度は内野で150ルクス、外野で90ルクスしかなかった。
ボールパークとは英語で野球場のことを指す言葉。単にパーク、あるいはフィールドという場合もある。
日本では従来、野球場のことを英語でスタジアム(野球に限らず、観客席を持つ競技場を意味する単語)と呼び、ボールパークと呼ばれることはほとんどなかった。現在、日本でボールパークという用語が用いられる場合、それは天然芝、狭いファールゾーン、野球専用でプレーが観やすい観客席、レトロ調、左右非対称のグラウンド形状、設計の随所に見られる遊び心を特徴としたアメリカ・メジャーリーグの球場、もしくは同様の趣向で設計された野球場を指す場合が多い。このような野球場のスタイルは新古典派(ネオ・クラシカル様式)と呼ばれ、1992年に開場したオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズがその先駆けとなった。
カムデンヤーズはデザイン面だけでなくマーケティングの面でも画期的な存在であった。それまでの球場はアメフトとの兼用が多く、そのため少ない試合数でより多くの観客を収容することに重点を置いた設計であった。これはレギュラーシーズンだけで年間162試合もこなすMLBにとっては収容力が過剰であった。そこで、カムデンヤーズはあえて収容人数を4万人台まで減らし、相対的に収容率を上げ、ファンにチケット購入に対する飢餓感を醸成させた(「早く買わないとチケットが売り切れるかもしれない」と思わせることが購買意欲をあおる最高のマーケティングとなる)。一方で、客単価の高い高付加価値の上位クラス座席を増設し全座席に対する比率を上昇させ、全体の座席数は減らしながらも、収益性は逆に高まるというビジネスモデルを作り上げた[1]。これに倣い、その後の新球場も座席数を抑える傾向にある。
日本においてはグリーンスタジアム神戸(スカイマークスタジアム)が2000年ボールパーク計画を発表し、プロ野球本拠地として近年で初めて内野を天然芝化した。その後も低いフェンス、内野にせり出したフィールドシート、1990年代から続くスタジアムDJによる場内アナウンスなど球場をアメリカ風のボールパークへと改革していった。