低硫黄のLSA重油は、主として農耕機や漁業用の中小型船舶の燃料として使用されている。最近では環境問題や大気汚染問題に配慮するため、ビル、ホテル、寮、病院、学校の暖房・給湯用、食品工場の加熱用、クリーニング工場のプレス・温水供給に運用されるボイラーに多く用いられ、農産物用のビニールハウスのボイラー、温風暖房でも使用されている。
高硫黄のHSA重油は、低硫黄のLSA重油を特に必要としない非自動車用ディーゼルエンジン、及び工場、病院、学校、ビルなどの小・中規模ボイラーの燃料などに用いられる。
B重油、C重油は、船舶用の大型ディーゼルエンジン、工場や発電所、地域冷暖房などの大規模ボイラーの燃料などに用いられる。 B重油及びC重油は粘度が高いため予熱した上で使用される。また、残渣油には不純物が多く含まれることから、船舶用のディーゼルエンジン燃料としてC重油を使用する場合、油洗浄機により不純物を取り除いた上で使用される。
A重油には軽油引取税が課税されないため、軽油に比べて安価であるが、その品質は軽油に非常に類似している。そのため、しばしばトラックなどの自動車用ディーゼルエンジンの燃料に流用される。これは脱税行為であるだけでなく、環境対策上の問題ともなる。
このような脱税目的でのA重油の使用を防ぐために、A重油には1991年(平成3年)から識別剤としてクマリンが添加されている。
また、国土交通省では、不正使用の防止のため、2005年(平成17年)から、走行中のトラック等の燃料を抜き取り検査を行っている。これは軽油と重油の硫黄分の濃度の違いに着目したもので、硫黄分の濃度の分析を行うことで判別を行う。軽油は硫黄分の濃度が10ppm程度であるのに対して、硫黄分の一番低いLSA重油でも硫黄分の濃度が500ppmにもなるので、抜取った燃料が、法令基準の50ppm以上であれば、厳しく指導を行っている。
外部リンク
⇒東京都主税局からのPR:不正軽油撲滅作戦
⇒国土交通省:不正軽油の排除について
カテゴリ: 石油 | 第3石油類 | 燃料
更新日時:2008年7月23日(水)03:44
取得日時:2008/08/24 09:06