健康食として日本食が世界各地で好まれるようになってから、醤油を世界各地で手にいれることが出来るようになった。醤油は現在100カ国以上の国に輸出されており、生産は年14万キロリットルにも達する。大手メーカーでは現地生産も行っている。
一方、アジアの他の国々にも醤油に似た調味料が存在し、英語では産地やタイプに拘わらず "Soy sauce" と呼ばれている。
醤油(中国)
中国にも大豆から作る「醤油 ji?ngy?u」がある。中国料理における醤油の用途は、香りや味より、むしろ色づけに重点を置いているため、色調は濃い。カラメル等を加え、どろっとしてマイルドな「老抽」、塩が立って色が淡めの「生抽」がある。
カンジャン(韓国)
大韓民国では「カンジャン」(??、「塩辛い醤」の意)と呼ばれる醤油がある。カンジャンも、日本の醤油と比較して色調が黒めで、主に他の調味料とブレンドし、ヤンニョムとして利用することが多い。また、日本と同様に刺身に「つけ・かけ」用途でも用いる。
ケチャップマニスとケチャップアシン(インドネシア)
インドネシアでも、歴史的に大豆を原料とした液体調味料が使われている。代表的なものとして「ケチャップマニス」(Kecap manis, manis=「甘い」)、「ケチャップアシン」(Kecap asin, asin=「塩辛い」)が用いられている。ケチャップマニスは、物性的には、色調が黒く、甘辛くどろっとした調味料である。ケチャップアシンは、比較的色が薄く、塩が立つさっぱりした調味料である。
シーユー(タイ)
タイでは、一般的に魚醤である「ナンプラー」がよく使われているが、大豆から作られた醤油「シーユー」も、炒め物の味付けなどに使われる。甘味がある「シーユー・ダム」と、辛口の「シーユー・カオ」が一般的。
ショーユ(ハワイ)
かつて日本人が多く移民し、現在も日系人が多数在住しているハワイでも独自の醤油が生産されている。日本の醤油の系統に属する味ではあるが、大豆の風味が薄くさらっとした塩味になっている点が特徴である。
醤油は長い歴史の中で、地方ごとの食文化に適したものが好まれ、作られてきたため、地方ごとに物性面・官能面の傾向が異なる。このような醤油の地方性は、地方の食文化と密接に関連したものであり、品質と直結して語られるものではない。
醤油を使い分ける地域ではその物性にメリハリが大きいケースが多い。例としては関西の濃口醤油は色が一般的に濃い。一方で煮物や吸い物の味付けには淡口を用い、出汁の風合いを壊さないよう調味する。
北海道・東北
北海道・東北では、基本的に関東の食文化に準ずる使い方をするが、東北地方ではより濃厚で塩辛い味付けが好まれる傾向がある。一部地域には、秋田のしょっつるのような、魚醤を利用する文化がある。
東日本
東日本では、基本的に濃口醤油のみを利用する。そのため、濃口醤油の品質に対する要求が厳しくなった結果、香りが高く、淡色かつ赤い色合いで、癖のない軽い風合いが好まれるようになった。最も醤油らしい醤油だけに、全国的に好まれている。代表的なメーカーとして、キッコーマン、ヤマサ醤油、ヒゲタ醤油がある。
中部
中部では、濃口は一般用途、淡口は煮物や吸い物、たまり醤油は刺身、と使い分ける。白醤油の産地(主に碧南周辺)を抱えており、家庭での需要も高い。代表的なメーカーとして、ヤマシン醤油、イチビキ、サンビシ、盛田、七福(白醤油)がある。
西日本
西日本では、濃口を刺身用(たまり醤油も使われる)、淡口を煮物や吸い物用など、使い分けは中部地方とさほど変わらない。よって白醤油を使うこともある。淡口醤油の需要が特に高く、メーカーの競争も激しい。そのせいか関東の料理屋でも「淡口醤油はヒガシマル以外は使わない」などのこだわりを持つ者も多い。代表的なメーカーとして、ヒガシマル醤油、マルキン忠勇がある。
九州
九州では、こいくちでも関東のものに比べ、比較的色は黒く、トップノートの弱い(関東の濃口と比較して「鼻にツンと来ない」と評される)、色や香りに濃厚な風合いが好まれる傾向にある。また、混合醸造方式・混合方式(前述)の比率が比較的高いという特徴もある。甘みやうまみを添加した、どろっとした風合いの「さしみ醤油」も使用される。「さしみ醤油」は、特に脂が多い刺身への「のり」が良いという特徴がある。代表的なメーカーとして、フンドーキン醤油やニビシ醤油等がある。
沖縄
沖縄では、古来、うま味を得るためには昆布と魚や豚の出汁を利用することが多く、醤油は代表的な調味料ではなかった[要出典]。しかし戦後の食文化の変化に伴い、醤油も一般的に用いられている。沖縄で販売されているものはキッコーマンやヤマサ醤油等、他県産のものが多い。県内には赤マルソウ等、小規模な生産者がある。シークヮーサーを漬け込んだ商品なども人気が高い[要出典]。
現在、国内で生産されている醤油の大半が本醸造であり、また濃口が大半を占める。 「本醸造」の条件は、大豆、麦、米等の穀物を蒸煮し、麹菌を用いて作成した麹に、塩水または生揚げを混合して発酵・熟成させたものを指す。麹に、蒸した米や甘酒を添加したり、分解を促進するための、セルラーゼ等の酵素を添加することも許されている。ただしプロテアーゼを除く[2]。JAS特級の条件には「本醸造であること」という項目も含まれているため、特級醤油であれば常に本醸造醤油である。
醤油製造は、以下の工程を経て行われる。
原料工程大豆(または脱脂加工大豆)は浸水し、膨潤したところで圧力をかけて蒸煮する。小麦は焙煎し、割砕して荒い粉末状にする。加熱条件には留意する。これは、生の大豆タンパク質が最終工程に残ると製品(加熱時)の濁りにつながり、小麦の生デンプンは、一般的な醤油酵母は資化できないためである。
製造工程
製麹(せいきく)工程: 蒸煮大豆と割砕小麦を約1:1で混合したものに種麹を加えて混ぜ、高湿度下で3・4日程度培養を行い醤油麹を作る。