酵母
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歴史

酵母の発見は、アントニ・ファン・レーウェンフックに溯るとされる。彼は手作りの顕微鏡微生物を最初に発見し、その後も様々な微生物を観察しているが、発酵中のビールを調べてその中に微粒子状のものを見たことを記録している。彼は球形ないし楕円形のもののスケッチを残しており、これが恐らく酵母であろうとされている。その後これがパンなどの発酵の際にも見られることが分かり、これと発酵との関連が論じられ、ルイ・パスツールによって発酵が酵母の生理作用であり、無酸素条件下での呼吸であることが示された。これについては発酵の該当項目を参照されたい。なお、パスツールは酵母菌の純粋培養を最初に行った事でも知られる。

生物としての酵母に関しては、19世紀までにはほとんど進歩が無かった。1825年ころより酵母の研究が行われるようになった。シャルル・カニャール・ド・ラ・トゥール、フリードリヒ・トラウゴット・キュツィング、テオドール・シュワンらは発酵している液を薄めて観察したり、観察中の乾燥を防ぐためにカバーガラスを掛け、周囲をパラフィンで封じる、あるいはホールグラスを使うなどの方法を使い、酵母が出芽によって増殖する単細胞生物であることを示した。

1839年にはシュワンが内生胞子を観察した。彼はそれが胞子であり、体外に出て新たな酵母となることには気づいたが、その分類上の意味には気づかなかった。これを明らかにしたのがドバリで、彼は1839年に、この内生胞子を子嚢菌に属するカビの胞子と比較している。さらにReessは1868年以降、多くの種類の酵母について内生胞子を観察し、それが原始的な子嚢菌の子嚢胞子に当たることを認めた。パスツールによる純粋培養の確立もあって、それ以降、酵母菌の研究は格段に進み、特にエミール・クリスティアン・ハンセンは研究法の改善を含め、30年にわたって各種酵母について研究を行い、この分野の開祖とも言われている。また、彼は酵母の系統の問題と分類に生活環を重視した。


利用

サッカロミケス属(Saccharomyces)やスキゾサッカロミケス属(Schizosaccharomyces)は発酵によりアルコールを生じ、食品の加工に古くから利用されており、また生物学の研究材料としても用いられている。特に、出芽酵母分裂酵母は真核細胞の基本メカニズムの解明に貢献している。一方で、Debaryomyces など発酵を行わないものもある。自然環境では、果汁や樹液の溜まるところに多産するほか、淡水や海水中にも広く分布することが知られている。

特殊な例では、ミジンコに寄生するメチニコービアは、イリヤ・メチニコフがその観察を通じて食細胞を発見したことで知られている。


種類

広義の酵母に含まれるものとしては例えば以下の種があげられる。

出芽酵母 Saccharomyces cerevisiae

分裂酵母 Schizosaccharomyces pombe

カンジダ Candida albicans

アルカン資化酵母 Yarrowia lipolytica

メタノール資化酵母 Pichia pastoris

メタノール資化酵母 Hansenula polymorpha

キラー酵母 Kluyveromyces lactis


参考文献

H.J.Phaff,M.W.Miller&E.M.Mrak (長井進訳)『酵母菌の生活』,(1982),学会出版センター


関連項目

ハーメーツ

カテゴリ: 菌類 | 発酵

更新日時:2008年8月18日(月)07:27
取得日時:2008/10/07 07:09


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki