第一遷移元素(3d遷移元素)元素記号元素名電子配位(基底状態、中性原子)
Scスカンジウム3d4s2
Tiチタン3d24s2
Vバナジウム3d34s2
Crクロム3d54s
Mnマンガン3d54s2
Fe鉄3d64s2
Coコバルト3d74s2
Niニッケル3d84s2
Cu銅3d104s
(Zn亜鉛3d104s2
第二遷移元素(4d遷移元素)元素記号元素名電子配位(基底状態、中性原子)
Yイットリウム4d15s2
Zrジルコニウム4d25s2
Nbニオブ4d45s1
Moモリブデン4d55s1
Tcテクネチウム4d55s2
Ruルテニウム4d75s1
Rhロジウム4d85s1
Pdパラジウム4d10
Ag銀4d105s1
(Cdカドミウム4d105s2
第三遷移元素は、ランタン(La)から金(Au)までの元素をいう[1][5]。
第三遷移元素(4f遷移元素)元素記号元素名電子配位(基底状態、中性原子)
Laランタン5d16s2
Ceセリウム4f15d16s2
Prプラセオジム4f36s2
Ndネオジム4f46s2
Pmプロメチウム4f56s2
Smサマリウム4f66s2
Euユウロピウム4f76s2
Gdガドリニウム4f75d16s2
Tbテルビウム4f96s2
Dyジスプロシウム4f106s2
Hoホルミウム4f116s2
Erエルビウム4f126s2
Tmツリウム4f136s2
Ybイッテルビウム4f146s2
Luルテチウム4f145d16s2
Hfハフニウム4f145d26s2
Taタンタル4f145d36s2
Wタングステン4f145d46s2
Reレニウム4f145d56s2
Osオスミウム4f145d66s2
Irイリジウム4f145d76s2
Pt白金4f145d96s1
Au金4f145d106s1
第四遷移元素は、アクチニウムからレントゲニウムまでの元素をいう[1][5]。
遷移金属とも呼ばれるように、遷移元素は単体では良導体であるが、酸化物になると配位数や格子間距離などに応じて、様々な電気的特性を示す。
例えば PrNiO3 や NdNiO3 は低温では絶縁体であるが、室温になると金属になる。これらは典型的なモット絶縁体であり、低温では価電子がNiサイトに局在している。しかし、温度が上昇するとPr、Ndのイオン半径が増加するため、結晶構造に歪みが生じる。これにより、Niサイトに局在していた電子が波動性を回復して結晶全体に広がり、金属に転移する。
遷移元素において安定な不対電子が存在しやすい性質は、磁性を持つ元素が多数含まれることの理由の一つとなっている。すなわち、典型元素では最外殻の不対電子は他の原子と共有結合することで安定化し不対電子の磁気的性質が容易に打ち消されるのに対して遷移金属では不対電子を持つ単体やイオンが安定である為に典型元素に比べて磁気的性質を発現するものが多い。
また電子配置の面だけでなく、磁性は結晶構造や錯体構造とも密接な関連があり、このことが多様な構造を持つ遷移元素においてさまざまな磁気的性質を発現する要因にもなっている。
遷移元素は良い均一系・不均一系触媒となりうる。例えば鉄はハーバー・ボッシュ法の触媒である。また、酸化バナジウム(V) は硫酸製造の接触法に、ニッケルはマーガリン製造の水素添加に、白金は硝酸製造に、それぞれ用いられる。遷移元素は反応中にさまざまな酸化状態をとりながら錯体を形成し、活性化エネルギーの低い経路を提供する。
色遷移元素化合物の水溶液。左から Co(NO)3 (赤)、K2Cr2O7 (橙)、K2CrO4 (黄)、NiCl2 (緑)、CuSO4 (青)、KMnO4 (紫)
光は電場と磁場の振動であり、その振動数が異なると、目を通して違った色として認識される。色の変化は、ある物質に入射した光が反射・透過・吸収されることによって起こる。遷移元素のイオンや錯体は、その構造に由来してさまざまに着色している。同じ元素であっても構造が違えばその色は異なる。例えば7価のマンガンのイオン MnO4− は紫だが、Mn2+ は薄い桃色である。
遷移元素の錯体では、配位子が化合物の色を決定する要素となる。これは配位によってd軌道のエネルギーが変化するためである。配位子が遷移元素イオンと結びつくと、縮退していたd軌道は高エネルギー準位の組と低エネルギー準位の組に分かれる。配位子を持つイオン、つまり錯体に光を当てると、低エネルギー準位にあった電子が高エネルギーの準位に移動する(遷移する)。このとき吸収される光が色として認識される。吸収される光はエネルギー準位の差とちょうどエネルギーを持つものに限られるため、準位差の違いは吸収する光の波長、すなわち色の違いとして現れる。