遷移金属
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磁性

遷移元素において安定な不対電子が存在しやすい性質は、磁性を持つ元素が多数含まれることの理由の一つとなっている。すなわち、典型元素では最外殻の不対電子は他の原子と共有結合することで安定化し不対電子の磁気的性質が容易に打ち消されるのに対して遷移金属では不対電子を持つ単体やイオンが安定である為に典型元素に比べて磁気的性質を発現するものが多い。

また電子配置の面だけでなく、磁性は結晶構造や錯体構造とも密接な関連があり、このことが多様な構造を持つ遷移元素においてさまざまな磁気的性質を発現する要因にもなっている。


触媒活性

遷移元素は良い均一系・不均一系触媒となりうる。例えば鉄はハーバー・ボッシュ法の触媒である。また、酸化バナジウム(V) は硫酸製造の接触法に、ニッケルはマーガリン製造の水素添加に、白金は硝酸製造に、それぞれ用いられる。遷移元素は反応中にさまざまな酸化状態をとりながら錯体を形成し、活性化エネルギーの低い経路を提供する。


遷移元素化合物の水溶液。左から Co(NO3)2 (赤)、K2Cr2O7 (橙)、K2CrO4 (黄)、NiCl2 (緑)、CuSO4 (青)、KMnO4 (紫)

は電場と磁場の振動であり、その振動数が異なると、目を通して違った色として認識される。色の変化は、ある物質に入射した光が反射・透過・吸収されることによって起こる。遷移元素のイオンや錯体は、その構造に由来してさまざまに着色している。同じ元素であっても構造が違えばその色は異なる。例えば7価のマンガンのイオン MnO4? は紫だが、Mn2+ は薄い桃色である。

遷移元素の錯体では、配位子が化合物の色を決定する要素となる。これは配位によってd軌道のエネルギーが変化するためである。配位子が遷移元素イオンと結びつくと、縮退していたd軌道は高エネルギー準位の組と低エネルギー準位の組に分かれる。配位子を持つイオン、つまり錯体に光を当てると、低エネルギー準位にあった電子が高エネルギーの準位に移動する(遷移する)。このとき吸収される光が色として認識される。吸収される光はエネルギー準位の差とちょうどエネルギーを持つものに限られるため、準位差の違いは吸収する光の波長、すなわち色の違いとして現れる。

錯体の色は以下の要素によって決まる。

中心となる遷移元素イオンの性質、特にd電子の数。

中心イオンの周りの配位子の位置。幾何異性体は異なる色を示すことがある。

配位子の性質。強い配位子が結合すると、エネルギー順位の分裂幅は大きい。

亜鉛の場合、3d軌道がすべて満たされているため低エネルギーのd軌道から高エネルギーのd軌道への遷移が起こらない。そのため亜鉛の錯体は無色である。


脚注

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^ a b ctransition element, IUPAC GOLDBOOK
^ IUPAC REDBOOK p.43:IUPAC Nomenclature of Inorganic Chemistry. Third Edition, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1990.
^ 原子番号増加でs軌道、d軌道ないしはf軌道電子が変化する箇所も存在する
^ d軌道やf軌道が閉殻の場合は核遮蔽が強く、準位が高くなったs軌道電子が変化する
^ a bChapter_7._d-Metal Complexes


関連項目

結晶場理論

配位子場理論

周期表

dブロック元素

ランタノイド

アクチノイド


参考文献

F.A.Cotton, G.Wilkinson, C.A. Murio, M. Bochmann, "Advanced Inorganic Chemistry", 6th Ed., 1999. ISBN 0-471-19957-5.


カテゴリ: 元素群

更新日時:2008年9月14日(日)09:02
取得日時:2008/10/04 13:46


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki