イスラエル人は、エジプトに避難したヨセフの時代以降の長い期間の間に、奴隷として虐げられるようになっていた。神は、当時80歳になっていたモーセを民の指導者に任命して約束の地へと向かわせようとするが、ファラオがこれを妨害しようとする。そこで神は、エジプトに対して十の災いを臨ませる。その十番目の災いは、人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」というものであった。神は、戸口に印のない家にその災いを臨ませることをモーセに伝える。つまり、この名称は、戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来する。
現在では行われないものと受け継がれているものがある。
アビブ(ニサン)10日
傷のない雄の子羊、または山羊を選び分ける(3)。
アビブ(ニサン)14日
その羊(または山羊)を屠殺し、その血を家の2本の戸柱と戸口の上部に掛ける(6-7)。
アビブ(ニサン)15日(日没で日付が変わる)
夜にその肉を焼き、酵母の入っていないパン(マッツァー)と苦菜を添えて食べる。生のまま、または煮て食べることは禁止されている(8-9)。
現在もユダヤ教は勿論、キリスト教の聖餐式でも酵母(パン種)の入っていないパンを食べる習慣が受け継がれている。但し、正教会を始めとする東方教会では酵母入りの発酵パンを聖体礼儀で用いる。(最後の晩餐参照)
残った肉は火で焼き尽くす必要がある。朝まで残しておいてはいけない(10)。
聖書における除酵祭の規定
神への祭りとして代々祝わなければならない(14)。
14日の夕方から21日の夕方までの七日間は酵母入りのパンを食べてはならない(15, 18)。
これらの日には仕事をしてはいけない(16)。
15世紀現代のセデル。ハガダー、キッパー、コーシェル・ワイン、セデル・プレートと料理、布巾、マッツァー
聖書の命令に従って、ユダヤ教では今日でも過越祭(除酵祭)を守り行っている。 このユダヤ暦のニサン15日から始まる一週間はペサハと呼ばれるユダヤ教の三大祭りのひとつであり、ほとんどのユダヤ教徒がこれを祝う。
語源と、各国語での名称ヘブライ語???
ラテン語Pascha
イタリア語Pesach/Pesah/Pasqua ebraica
フランス語Pessa'h/P?que
スペイン語Pascua
ドイツ語Pessach
オランダ語Pesach
英語Passover
スウェーデン語Pesach
ハンガリー語P?szah (h?sv?t)
ポーランド語Pascha
ロシア語пасха(paskha)
エスペラント語Pesa?o
ユダヤ暦日没後から開始日没前に終了
57644月5日 2004年4月13日 2004年
57654月23日 2005年4月1日 2005年
57664月12日 2006年4月20日 2006年
57674月2日 2007年4月10日 2007年
57684月19日 2008年4月27日 2008年
洗礼者ヨハネは民衆に対し、イエス・キリストのことを「世の罪を取り除く神の小羊」であると紹介した。これは「苦難の僕」(イザヤ書 52:13-53:12)のことであると解されている。そして、イエスが処刑されたのはニサン14日(過越の準備の日)であり、犠牲の羊はイエス・キリストであったとも説明されている(コリントの信徒への手紙1 5:7)。
参考文献
『ハガダー 過越し祭の式次第』(ミルトス / ISBN 4-89586-147-3 C0014)(ヘブライ語原文+英語・日本語訳付。限定版)
『過越祭のハガダー』(石川耕一郎 / 山本書店 / ISBN 4-8414-0198-9 / 1988年7月)
岩波現代文庫 文芸 55『過越しの祭』(米谷ふみ子 著 / 岩波書店 / ISBN 4-00-602055-4 / 2002年8月)(小説)
関連項目
マッツァー
ファルフェル
ハド・ガドヤ
ペイサホフカ пейсаховка とはイディッシュとロシア語の混成語で、ロシア・東欧のユダヤ教徒が祭りで飲む強いヴォトカのことである。