公法学上は、国家作用のうち、立法作用と司法(裁判)作用を控除した残余の作用を指すとする見解(控除説、消極説)が支配的である。
このような控除説による説明は、内容的な定義づけを放棄しており、意味がないようにも見える。しかし、君主が有していた包括的な国家権能のうちまず立法権が議会に移譲され、その残りである執行権のうち司法権がさらに分化され、君主に残された権能が行政とされたという沿革に対応している。さらに、現実問題としても、行政と観念される作用には様々なものがあり、それらを漏れなく包括する必要もある。したがって、控除説は一般的に支持されている。
もっとも、このような消極的な定義づけに満足せず、積極的な定義づけをする試みもある。代表的な見解は田中二郎によるものであり、「法の下に法の規制を受けながら、現実に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とするものである。だが、行政の特徴等を大まかにイメージしたものに過ぎないという批判もあり、必ずしも成功しているとはいえない。
行政の範囲
日本国
内閣および内閣の所轄の下にある組織
会計検査院
行政機関行政機関とは、行政主体のために行政を実施する機関をいう。権限の帰属で捉えた機関概念である。
意思決定機関
行政庁:意思を決定し,これを外部に表示する権限を有する。
独任制−各省大臣・地方自治体の長
合議制−公正取引委員会 行政委員会
法令の適用による法人またはその機関
例:弁護士法(懲戒事由及び懲戒権者)第56条。
諮問機関:行政庁から諮問を受け意見を申し述べる。諮問機関の意見に法的拘束力はない。法制審議会、各種審議会、中央社会保険医療協議会
参与機関:意思決定権限はないが、議決に基づき行政庁の意思決定がなされる。参与機関の意見には法的拘束力がある。電波監理審議会、検察官適格審査会
監査機関:行政機関の事務処理について監査する。
会計検査院、監査委員
執行機関:行政目的達成のために、行政庁の命を受けて必要な実力行使をする機関をいう。警察官、消防職員
補助機関:行政庁その他の行政機関の職務を補助するため、日常的な事務を遂行する機関をいう。副大臣、大臣政務官、局長
権限を参照。
権限の委任(権限の所在を変更)事務の委任ともいう。法令の根拠が、必要である。
権限の代理(権限の所在を変更しない)
法定代理(権限の全てに及ぶ)
狭義の法定代理
指定代理
授権代理(権限の一部について行われる)委任代理ともいう
日本国の行政権の帰属主体
日本国憲法第65条【行政権と内閣】
行政権は、内閣に属する。
内閣法
⇒第2条第1項内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。 ⇒第4条第1項内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。
日本では、憲法65条で、行政権は内閣に属すると定めている。これは、行政権が内閣総理大臣一人に属しているのではなく、内閣総理大臣と国務大臣の合議体からなる内閣に帰属しているということを意味する。
行政立法行政立法は、行政機関によって定立された一般規範またはその立法行為である。
実質による種類
法規命令国民の権利義務にかかわる法規たる性質を有するもの(例) 政令,内閣府令,省令,会計検査院規則,人事院規則,地方公共団体の長や教育委員会等の規則
執行命令憲法・法律等上級の法令を実施するための具体的細目・手続事項(例)政令・府令・省令・府や省の外局である委員会の規則・会計検査院規則・人事院規則などの命令。
委任命令法律等上級の法令に基づき発せられる。(例)政令の委任に基づく省令,委員会規則
行政規則
訓令
通達
告示
形式による種類
政令
府省令
外局規則
独立機関規則
行政規則
行政行為
法律行為的行政行為
命令的行為
下命、許可、免除
形成的行為
特許、認可、代理
準法律行為的行政行為
確認、公証、通知、受理
附款
行政目的を達成するための契約。
行政指導とは、指導・勧告・助言等で処分に該当しない行為。
行政調査は、行政機関が行政作用を公正に行うために、身体・財産を半強制的に調査し情報を収集すること。