講学上の行政機関とは、行政の事務を担当する機関のことである。この行政機関は、その機能から次の6種に分類され、それぞれが行政機関とされる。
行政庁 - 行政主体の法律上の意思を決定し、外部に表示する権限を持つ機関。特に国の行政庁を行政官庁という。行政庁や行政官庁という語は、一般的な用法では組織や建物を指すが、法律学上は法律により権限を与えられた自然人(独任制)または自然人の合議体(合議制)を指す。独任制:各省大臣、都道府県知事、市町村長など。刑事法廷における検察官は、一人で当該事件に関する国の意思を決定し、外部に表示する権限を持つため、独任制の行政官庁である。合議制:公正取引委員会、行政委員会法令の適用による法人またはその機関 例:弁護士法(懲戒事由及び懲戒権者)第56条。
諮問機関 - 行政庁から諮問を受けて、意見を具申する機関。各種の審議会など。公務員制度調査会。
参与機関- 行政庁の意思を拘束する議決を行う行政機関。電波監理審議会(電波法94条に基づく総務大臣の決定を拘束する)検察官適格審査会(検察庁法23条に基づく法務大臣の決定を拘束する)など。
監査機関 - 行政機関の事務や会計の処理を検査し、その適否を監査する機関。総務省行政評価局、会計検査院、監査委員など。
執行機関 - 行政目的を実現するために必要とされる実力行使を行う機関。(注:地方自治法では、議会を「議決機関」とし、その対比として知事部局を「執行機関」と定める。講学上の言葉遣いとは異なるので注意を要する。)警察官、自衛官、海上保安官、徴税職員、消防職員など。
補助機関 - 行政庁その他の行政機関の職務を補助するために、日常的な事務を遂行する機関。事務次官、局長、課長から一般職員の多く。
詳細は日本の行政機関を参照
国家行政組織法上の「行政機関」は、府・省・ ⇒庁・委員会など、事務配分の単位としての官署そのものを指す。例えば、総務省なら総務省で一つの行政機関であり、法務省なら法務省で一つの行政機関である。国家行政組織法上、「内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの」を「国の行政機関」とし、国家行政組織法により組織の基準が定められる。国家行政組織法の適用を受けない内閣府や人事院、会計検査院もそれぞれ一つの行政機関である。
講学上の行政官庁は、「行政機関の長」とする。省の長は大臣であり、委員会の長は委員長、庁の長は長官である。省は「内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関」として置かれる。委員会と庁は、省にその外局として置かれる。
詳細は ⇒en:United States federal executive departments、アメリカ合衆国の行政機関(英語版)をそれぞれ参照
現在存在する行政機関(英語: ⇒executive departments)は以下のとおりである。
⇒Agriculture
⇒Commerce
⇒Defense
⇒Education
⇒Energy
⇒Health and Human Services
⇒Homeland Security
⇒Housing and Urban Development
⇒Interior
⇒Justice
⇒Labor
⇒State
⇒Transportation
⇒Treasury
⇒Veterans Affairs
各法律での行政機関
行政手続法
(定義) ⇒第2条 5項
行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)
(定義) ⇒第2条 1項
参考文献
塩野宏「行政法1行政法総論(第四版)」有斐閣、2005年
藤田宙靖「行政組織法」有斐閣、2005年
原田尚彦「行政法要論(全訂第五版)」学陽書房、2004年
カテゴリ: 行政 | 日本の行政 | 行政法
更新日時:2008年5月29日(木)15:18
取得日時:2008/07/07 09:33