毒日本における毒蛇の代表格ニホンマムシ
ヘビといえば「長い体」の次に「毒」が連想されるが、「全てのヘビが攻撃的で毒を持ち、咬まれたら死ぬ」わけではない。有毒な爬虫類の99%以上はヘビが占めているが(ヘビ以外にはドクトカゲ科2種類のみ)、それでも全世界に3000種類ほどいるヘビのうち、実際に毒をもつものは25%ほどである。このうち人命を奪う程の強毒種となるとさらに少数になる。威嚇もなく咬みつく攻撃的で危険な毒蛇もいれば、咬みつく前に威嚇を行なうヘビもいる。
毒蛇は上顎にある2本の毒牙の根もとに毒腺があり、毒液を分泌する。クサリヘビ科の種では牙の中は注射器のように管状で毒牙の先に毒液を出す穴があり、コブラ科では牙が管状ではなくその表面に毒液が毛細管現象で流れる溝がある種が多く、このことからクサリヘビ科の毒蛇を「管牙類」、コブラ科の毒蛇を「前牙類」と呼ぶが、コブラ科にも毒牙がほぼ管状になっている種がある。そこでこの2者を明確に分けるのは毒牙が管状か否かではなく、毒牙が折り畳み式(管牙類)か否(前牙類)かである。 なかには口を開けて毒牙から毒液を噴射するクロクビコブラやドクハキコブラのような種類もいる(両者の毒牙は牙前方中ほどに毒腺の穴があいており、2mほど先の標的に正確に毒液を命中させることができる)。日本にも分布するヤマカガシの仲間はアオダイショウなどと同じナミヘビ科だが、上あごの奥の牙と首筋の皮膚の2ヶ所から毒を分泌する。これらの仲間は無毒とされてきたが最近になって毒ヘビとして認識されるようになった。ナミヘビ科の有毒種は毒牙の位置から「後牙類」と呼ばれる。
最も強い毒をもつのは海蛇で、中でも、インドネシアからニューギニアにかけての海域に生息するベルチャーウミヘビが最強とされる。陸生のうち最強の毒をもつのは、オーストラリアに生息するナイリクタイパンである。が、人が咬まれた例はない。その他、非常に攻撃的なタイパンやアフリカ最強の毒蛇であるブラックマンバ、タイガースネーク、キングコブラ、アマガサヘビなど。
また、無毒のヘビであっても咬まれれば唾液に含まれる細菌等の影響で感染症を起こす事がある。さらにこれらのヘビの歯は、咥えた獲物を逃さないよう先端が内側(喉)に向かって曲がっている上に細いため、無理矢理引き剥がすと皮膚に食い込んだまま折れてしまう危険がある。
クサリヘビ科に代表される「出血毒」は、消化液(唾液)が変化したもので体の各部に皮下出血を起こし、組織を破壊されて死に至る。これは蛋白質が消化されたために起こる症状である。
コブラ科の構成種に主に見られる「神経毒」は文字通り中枢神経を冒して、咬んだ動物を麻痺状態にし、その間に獲物を捕食する。強毒種では出血毒と神経毒の両方の作用がある。毒ヘビに咬まれたときは血清による治療をうける必要がある。
森林、草原、砂漠、川、海等の様々な環境に生息する。環境に応じて地表棲種、樹上棲種、地中棲種、水棲種等、多様性に富む。変温動物なので、極端な暑さ寒さの環境下では休眠を行なう。
食性は全てが動物食で、主食はシロアリ、ミミズ、カタツムリ、カエル、ネズミ、魚類、鳥類など種類によって異なる。大型の種類ではシカやワニ、ヒト等を捕食することがあるが、変温動物で体温を保つ必要がないため、食事の間隔は数日から数週間ほどである。獲物を捕食するときは、咬みついてそのまま強引にくわえ込む、長い体でぐるぐると巻きついて締め上げて窒息させる、毒蛇の場合は毒牙から毒を注入して動けなくする等の方法がある。
分類アメリカレーサー
Coluber constrictorインドコブラ Naja najaアスプクサリヘビ Vipera aspisボアコンストリクター
Boa constrictorボールニシキヘビ
Python regius
有羊膜類 ⇒Amniota
竜弓類 ⇒Sauropsida
爬虫類 ⇒Reptilia
双弓類 ⇒Diapsida
鱗竜形類 ⇒Lepidosauromorpha
鰭竜類 ⇒Plesiosauria
有鱗類 ⇒Squamata (トカゲ, ヘビ★)
主竜形類 ⇒Archosauromorpha
ヘビ亜目の分類は流動的であるので注意が必要。以下英語版 ⇒Serpentesより引用。
ナミヘビ上科 ⇒Colubroidea
ヘビ上科(Caenophidia / Xenophidia)とも。一般的なヘビの仲間。
モールバイパー科 ⇒Atractaspididae - モールバイパー
ナミヘビ科 ⇒Colubridae - ヘビの半分以上の種が属する
コブラ科 ⇒Elapidae
ウミヘビ科 ⇒Hydrophiidae(コブラ科に含む説もあり)