蒸気機関車
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ボイラーによる分類
飽和式
ボイラーで発生させた蒸気(飽和蒸気)を直接シリンダーへ導く方式。蒸気の膨張により温度が下がると水滴が凝結した。蒸気の持つエネルギーが少なく、効率もよくない。
過熱式
ボイラーで発生させた蒸気を細いパイプ(過熱管)で煙管内に導き、再過熱する方式。蒸気機関車の出力向上に大きく貢献した。理論上での提案はされていたが、高温の蒸気を使用するため、シリンダー潤滑油が改良されるまで実用化できなかった。


火室による分類
狭火室
火室の幅が線路の幅より狭く、古典機や小型機に見られた。特に狭軌でしかも使用炭の品質も一般に良好とは言い難かった日本では十分な火格子面積=火力が確保出来ず、高出力化の障害となった。
広火室
火室の幅が線路の幅より広く、近代の大型機では一般的な方式である。広い火格子面積を確保出来るため、蒸気機関車の出力向上に大きく貢献した。小車輪径の貨物型では動輪の上に広火室を配置するものもあったが、大きな動輪を持つ高速用機関車では動輪の後ろに広火室を配置することになるため、狭火室よりも全長が長くなる。その為、小型機やタンク機では最後まで動輪の内側に配置出来る狭火室を採用するものも多かった。
燃焼室の設置
蒸気機関車の燃料として最も望ましい瀝青炭の燃焼時の炎は長く、火室内では収まりきらないので、ボイラー前方に副室を設けこれを燃焼室と呼んだ。燃焼室を設けることにより高温の炎からの輻射熱を十分に吸収でき、効率が向上した。また、燃焼時間が長くなったことにより煤煙の発生が減少し、煙管の詰まりも防がれた。日本の国鉄では8200形製造時に導入のチャンスがあり、またメーカー側も推奨していたにもかかわらず、ドイツ流の長煙管設計に固執したため採用が著しく遅れ、戦時設計で極限性能発揮が求められたD52形でようやく採用された。外見から燃焼室の有無を知るには火室の前方にも洗口栓があるかどうかを調べればよい。
特殊な火室

ベルペヤ火室
ベルギーの鉄道技術者、A・ベルペヤが考案した火室形状で、内火室と外火室の形状を相似形にしているため、内火室を支えるステイの形状を単純にでき、缶水の循環が良く水垢の付着が少ないという利点を持つ。上部が角張った形状が特徴であるが、円筒形の煙管部との接合工作が難しいという欠点がある。
ウーテン火室
広火室の一種で、外見上は下部が大きく広がっているのが特徴である。質の悪い石炭を燃焼させるためのもので、日本では日本鉄道が質の悪い常磐炭を使用するために、一部の形式で採用した。


弁装置による分類ワルシャート式弁装置の動作機構アニメーション。赤色は吸気を、青色は排気を表す。

日本の国有鉄道に在籍した蒸気機関車の弁装置の種類は次のとおりであった。

スチーブンソン式(基本形、ハウ形、アメリカ形) - 初期の蒸気機関車の標準型として広く用いられた。弁室は、基本形ではシリンダの内側に置かれるが、アメリカ形では上部に置かれる。

アラン式(トリック式)

ジョイ式(基本形、ウェッブ形)

ベーカー式(深川形)

宇佐美式

マーシャル式(ヴィンターツール形、コッペル形)

グレズリー式 - 3シリンダ式機関車の中央シリンダ用に使用される方式で、左右の弁装置の動きを合成することで、中央シリンダの弁装置を作動させる。

ワルシャート式(ヘルムホルツ形、ホイジンガー形) - 近代の大型蒸気機関車の殆んどがこの方式で、動作機構が全て動輪の外側にあるため、整備性が良い。


気筒数による分類
1気筒(単気筒)
蒸気機関車の黎明期に存在した。また、1857年、ニールソンが1気筒の小型機を製造し、多くがスコットランドの炭鉱や製鉄所で使用された。
2気筒
ごく一般的な方式である。2組の気筒(シリンダ)があるため、より円滑な動作が可能である。ロッドが死点に位置して、起動不能となるのを防ぐため、左右の位相は90°ずらされている。日本の国有鉄道においては右側先行が原則であったが、9600形など左側先行の例外も少数ながら存在した。ギアードロコではV形配置のものも見られる。
3気筒・4気筒
国鉄ではC52・C53が3気筒である。構造が複雑で整備性が悪く、特に狭軌の日本では運用に労が多くC53以降は採用されなかったが、メインロッドを3本とすることで死点をそれぞれ120゜ずらし、ハンマー・ブロー現象を抑えることができる利点があり、さらに複式とすることで蒸気を有効に利用出来るため、欧州などでは普及した。日本のC53は停車時のロッドの位置によっては発車不能になることがあり、問題視された。碓氷峠で使用されたアプト式機関車は、動輪用の駆動装置の他に歯車用の駆動装置を別に備えており、4気筒式であった。ギアードロコでは、ボイラー脇にシリンダーを垂直に並べた、インライン(直列)配置が一般的。


使用済み蒸気による分類
単式
ボイラーで発生させた蒸気を一度だけ使用するのが単式で、ごく一般的な方式である。
複式(2段膨張式)
単式に対して、一度使用した蒸気を、もう一度別のシリンダに送り込んで再使用するのが複式である。一度使用した蒸気は圧力が下がるので、1次側(高圧)のシリンダより2次側(低圧)のシリンダの方が径が大きくなる。スイス人のアナトール・マレー(Anatole Mallet)が1874年に特許を取得し、1876年に実用化に成功した。複式には種々の方式があり、左右のシリンダをそれぞれ高圧・低圧とした2シリンダ式、左右のシリンダそれぞれに高圧・低圧のシリンダを装備した4シリンダ式、高圧・低圧の2組の走り装置を有するマレー式(後述)などがある。日本においては、山陽鉄道が4シリンダ複式(ボークレイン複式)を積極的に導入したほか、明治時代末期に国有鉄道がマレー式を一時大量輸入した程度で、他にはほとんど普及しなかったが、1893年に官設鉄道神戸工場で製作された国産第1号機関車(860形)が2シリンダ複式(ワースデル複式)であったのは特筆される。
復水式
シリンダーで使用した蒸気を回収し、コンデンサー(凝縮器)で水に戻して再利用する方式。水の便の悪い地域で用いられる。


車軸配置による分類

詳細は車軸配置を参照

蒸気機関車にとって、動輪と従輪の配置は非常に重要な要素である。これによって、機関車の用途が決まってしまうといっても過言ではない。動輪径を大きくすれば同一回転速度で運転速度を高くできるが、機関車全体が一定の長さに収まるようにするには、動軸数を減らすことになり、牽引力が低下する。そのため、高速が要求される旅客列車牽引向けということになる。逆に動輪数を増やせば牽引力は増すが、その分動輪径は小さくせざるを得なくなり、速度性能が犠牲になることになるため、貨物列車牽引や急勾配区間向けということになる。

従輪については、機関車重量の一部を負担するばかりでなく、先従輪には曲線通過時に、動輪をスムーズに導く機能があり、高速を要求される旅客用機関車では、2軸としたボギー台車が装備されることが多い。一方で、貨物用機関車では動輪上重量を増して粘着力を高めるため従輪の数は少なく、高速も要求されないため、より簡便な構造の1軸先台車が採用されることが多い。


車体構成による分類
タンク式
石炭及び水を機関車本体に搭載する方式、主に小型機が多いが、4100形、4110形E10形など急勾配線専用の大型機にも採用例がある。小回りが利くなど長所があるが、長距離走行ができないなどの、短所がある。
テンダー式


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki